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記事 5148番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
お母さんは、子供の作文を直したりアドバイスしたりしない。することは、準備を手伝うことと、書いたあとは褒めるだけにすること  as/5148.html
森川林 2024/08/12 05:27 
 小学校低学年の子が作文を書いたものを見ると、直したいところがいくつも見つかります。
 そこを直すと、作文はちょっとまともになります。
 そして、子供もそれなりに納得します。

 しかし、こういうことを続けていると、やがてお母さんは、「どこを直そうか」という目で子供の作文を見るようになります。

 それは、子供にとって気分のいいものではありません。

 それなりに一生懸命に書いたものを、書き終わった直後に、お母さんの冷たい目で作文を読まれることになるからです。

 やがて、子供は、親に注意されないように先回りして、「次は、どうやって書くの」「これでいいの」などと聞くようになります。


 オンラインクラスで、子供たちが自由に話をする時間があります。
 真面目な子によくあるのは、すぐに親の方を見てから話すことです。
 それは親がいつも子供に細かいことを注意しているからです。

 子供たちの話の時間に、子供が時々親の方を見ながら話をしていることがあったら、親はもっと子供のいいところを見て、いつも褒めるような子育てに切り替えてください。

 小学2年生のころまでは、子供は親の言うことを素直に聞きます。
 その時期に、注意する子育てを続けていると、やがて子供が小学3年生になり、4年生になるにつれて、親の言うことを聞かなくなります。

 作文の勉強で、親子の対話が重要になるのは、小学5、6年生の時期です。
 この時期に、親子で自由に話し合うことができれば、子供の語彙力や表現力や思考力が著しく伸びます。

 しかし、小学校中学年のころまで注意されながら育った子は、真面目で勉強はできても、親子の自由な対話ができません。

 だから、親は、小学校低学年のころから、子供の自主性を尊重し、いつもいいところを見て褒める子育てをしていく必要があるのです。

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記事 5147番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/5
その子を、今の生徒の姿ではなく、社会人になったときの姿を通して見る as/5147.html
森川林 2024/08/08 13:07 


 子供たちには、いろいろな個性があり、長所があり、また短所があります。
 成績がいいときもあるし、悪いときもあります。
 うまく行くことも、失敗することもあります。

 身近に子供たちを見ていると、つい今のその姿しか見えません。
 そのため、教育に携わる人の多くは、子供たちを成績という面からだけ見てしまいがちです。
 よくできる子、あまりできない子、というような一面からだけの評価です。

 しかし、子供たちは成長します。

 お父さん、お母さん方も、次のような経験があると思います。
 小学校や中学校のころ、こんな子だった子が、社会に出たらいつのまにかあんな子になっていた、ということです。
 「こんな」や「あんな」には、いろいろな言葉が入ります。

 小学校、中学校、高校のころには予想もできなかったような成長を、どの子も遂げるのです。

 だから、私は子供たちを見るときは、その子の今の姿ではなく、その先にある姿、つまり、社会人になったらどういう活躍をするのだろうという目で見ています。
 すると、どの子も、文字どおり予測を超えた無限の可能性があるのです。

 そう考えると、おのずから子育ての重点がわかってきます。
 目の前のテストの成績は、もちろん大切ですが、それよりも大切なのは、子供たちが人間として成長することです。

 受験勉強に邁進しているときは、こういうことは頭ではわかっても、心から納得するところまでは行きません。
 しかし、時がたつと、心から納得するときが来ます。


 ごく身近な話で言えば、中学生、高校生はあまり本を読みません。
 言葉の森のオンラインクラスでは、毎週の読書紹介があり、中高生には説明文読書を勧めていることもあり、それなりにみんな本を読んでいますが、全体に日本の中学生高校生の読書量は多くありません。

 定期テストの2週間前や、中3生高3生の受検期間中は、読書はいったん休んでもかまいません。
 もちろん、そういう時期でも、折に触れて読書をする子はいますが、とりあえず読書より勉強でいいのです。


 しかし、テスト勉強と読書を比べた場合、ひとまとめに言うことはできませんが、テスト勉強はあとに残りません。
 しかし、読書は、あとに残ります。

 例えば、中学生の数学の因数分解は、頭脳のパズルというぐらいの意味しかありません。
 面白い因数分解の問題はたくさんありますが、それらができたとしても、社会人になったとき何かに役立つということはありません。
 二次方程式の解を求めたいなら、解の公式にあてはめれば十分だからです。
 また、解の公式も、理屈がわかれば、暗記しなくても自分で作ることができます。


 中学生、高校生のみなさんは、また、そのお父さんやお母さんは、目の前のいろいろな課題に流されず、人間として成長することが大事だという原則を持ち続けていってくださるといいと思います。

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