ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 5171番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/10/17
未来教育宣言(その3)――思考力、創造力を育てる、作文の勉強と国語の勉強 as/5171.html
森川林 2024/09/21 08:14 


 記憶力ではなく思考力を育てることが、今後の教育の重点になります。

 しかし、今の子供たちは、記憶の勉強に適応しているために、考える勉強を負担に感じることがあります。
 考えるよりも、作業的に行える勉強の方を好む面があるのです。

 だから、私は、できるだけ思考力や創造力を使うようなかたちで勉強を行うように工夫しています。


 思考力、創造力を使う勉強の代表は、作文の勉強です。
 作文は、自分なりに考えていかなければ書けません。
 だから、作文の勉強をするときには、精神的なエネルギーが必要です。

 ほかの勉強の多くは、記憶を再現する勉強ですから、やろうと思えばすぐに始められます。
 作文だけは、やろうと思い、始めること自体が大変なのです。
 これが、作文の通信教育で、提出ができなくなる大きな原因です。

 言葉の森のオンラインクラスでは、同じクラスの4人から5人が一斉に作文を書き始めます。
 だから、全員、作文の提出ができます。
 作文を書くエネルギーを出すためには、みんなと一緒に一斉に始めるという共通の場が必要です。
 しかも、その人数は4~5人という互いの顔と名前のわかる少人数であることが必要なのです。


 さて、言葉の森の保護者で、低学年から子供に作文の勉強をさせる人の多くは、こう考えていると思います。
「学校で教わる勉強は、誰でもできる。それに更に上乗せするような勉強ではなく、もっと子供が自由に考えるような勉強をさせたい」と。

 だから、低学年で作文の勉強を始めた子は、中学生や高校生になっても作文の勉強を続ける子が多いのです。


 思考力、創造力を使う勉強は、作文以外の教科でも考えられます。

 私が教えている国語読解クラスでは、問題集の問題文を読んで、その問題文をもとに五七五七七の短歌を作るという勉強をしています。

 今後は、短歌だけではなく、その問題文の150字要約と、自分なりの感想や意見も書くという勉強にしたいと思っています。

 これまでに子供たちが、問題集の問題文をもとに作った短歌の例です。

米とみそ 互いの欠点 隠し合う 2つがあれば 完全食だ(小6)

ミツバチは 身体の中に 時計がね 確かにあるよ 間違いなしだ(小6)

日本語の 間(ま)という言葉 意味豊富 空間的や 心理的(中3)

文理の別 若者たちの 無知を助長 教養のない 抜け殻を生み出す(高1)

予定表は 白紙のほうがいいけれど 白紙だと 不安になるのが 人間というもの(中2)

 短歌を作るには、うまく言葉を選ぶための語彙力が必要になります。
 その語彙力を育てるものは、多様な読書です。


 国語読解クラスでは、これまでは、読解問題とその問題の解説と、問題集読書のチェックを行っていました。
 しかし、こういう答えのある勉強では、考える力のある子にとっては物足りないと思います。
 短歌、要約、意見という勉強なら、思考力と創造力を生かせます。
 更に、ある人の意見に対して、ほかの人が質問や感想を言えば、ディスカッションをすることもできます。

 作文も、国語も、考える勉強としてやっていくことが大事なのです。
(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 未来教育宣言(0) 

記事 5169番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/10/17
未来教育宣言(その2)――記憶力で知識を再現する勉強ではなく、思考力と創造力を使う勉強へ as/5169.html
森川林 2024/09/21 07:27 


 現在の教育の問題点の第二は、知識を記憶し再現するための教育が中心になっていることです。

 その理由は、知識の記憶と再現は、答えがひとつしかないので採点がしやすいからです。
 また、昔は、さまざまな知識を記憶しておくことが、生活する上でも勉強する上でも役に立ったからです。

 しかし、今は、ものの考え方と、そのために必要な知識の探し方さえ知っていれば、ほとんどのことは間に合います。

 もちろん、身体化された知識は、ある程度は必要です。
 それは、基本的な日本語力、計算力、数学力、そして、理科や社会の分野のさまざまな科学的知識です。
 話は少し変わりますが、そういう知識を記憶する力をつけるのに役立つのは、小学校低学年からの暗唱です。

 ところで、現在の学校教育で行われている知識の勉強は、子供たちにとって必要な知識の範囲を超えて、成績の差をつけるために行われているのです。

 では、どうしたらいいかというと、未来のテストは、教科書も参考書も辞書も電卓も、すべて持ち込み可で行うようにすればいいのです。
 子供たちが社会に出てから何かを学ぼうとするときと同じです。
 学校の中でだけ、子供たちが何も持たない原始人であるかのようにテストが行われているところに問題があるのです。

 そもそも、記憶力で差をつけようとするところに、大きな問題があります。
 記憶で差をつける勉強をさせられているので、子供たちの勉強も、一夜漬けのような記憶に頼った勉強になります。

 今の勉強では、成績は、かけた時間に比例します。
 しかし、かけた時間に比例するような勉強の内容そのものに問題があるのです。
 本当に評価する価値があるのは、記憶力ではなく思考力です。

 私(森川林)の教えている算数数学のクラスでは、子供たちに質問するときに、よくこう言います。
「この問題はどうやって解くの? 答えまでは言わなくてもいいから、考え方を言ってね」
 問題の解き方さえわかれば、あとの答えを出すことは誰でもできるのです。

 また、子供たちに解けない問題があったときは、こちらから教えることはせずに、こう言います。
「次の週までに、先生に説明できるように考えてきてね」
 大事なことは、考えることなのです。
(つづく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 未来教育宣言(0) 
コメント11~20件
……前のコメント
総合学力クラス 森川林
子供は、暇そうにしているのがいちばんです。 年がら年中がん 6/22
記事 5107番
さまざまな勉強 森川林
勉強は、作文と読書と算数数学と歴史を中心にやることです。 6/21
記事 5106番
作文力がこれか 森川林
作文力をつけるために必要なのは読書と対話。 出力の前に入力 6/19
記事 5105番
作文を書くとき 森川林
 接続語と助動詞は、実は重要です。  中学生や高校生で、文 6/18
記事 5104番
国語は、読む力 森川林
国語の力をつけるための音読は、1冊の問題集を繰り返し読むのが 6/16
記事 5103番
国語力は、テク 森川林
国語力をテクニックで身につけようという考えそのものがあさはか 6/14
記事 5100番
本当の勉強は、 森川林
子供は、自然に成長していれば、みんな時期が来ればそれぞれにが 6/12
記事 5098番
これから大学生 森川林
MMさん、ありがとうございます。 これは、10年以上前の記 6/12
記事 820番
これから大学生 MM
先生の書かれていることは今読んでもそのまま通じます。 10 6/11
記事 820番
毎週作文を書く 森川林
作文の勉強というのは、負担の大きい勉強です。 だからこそ、 6/11
記事 5097番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: アンケ 森川林
 ありがとうございます。  確かに、やることがたくさんある 10/2
森のアンケート
Re: 小3、 森川林
 ありがとうございます。  子供は、褒めてみんなよくなるの 10/2
森のアンケート
Re: アンケ 森川林
 ありがとうございます。  月曜日は確かに振替休日が多くな 10/2
森のアンケート
Re: 先生で 森川林
 ありがとうございます。  生徒と先生の関係は、ただ勉強を 10/2
森のアンケート
アンケート りっさーパンダ
いつもお世話になります。 作文のクラスで1年ほどお世話にな 10/2
森のアンケート
Re: 「素の かきくけ
丁寧なご説明をありがとうございました。 > 「素の自分 10/1
森の掲示板
Re: 「素の 森川林
「素の自分」の読み方については、以下のように説明できます: 10/1
森の掲示板
小3、作文クラ みきみき
作文クラスに参加して8か月がたちました。全てに満足しているの 9/30
森のアンケート
「素の自分」の 国語勉強
「素の自分」を「すのじぶん」と読む人が多いですが、これを「そ 9/30
森の掲示板
先生でも事務担 あえもも
こんにちは。先生にはいつもとても丁寧にご指導頂き、感謝してお 9/30
森のアンケート

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習