https://www.youtube.com/watch?v=aLdfZr1R9ac
●2月の森リン大賞更新と森リン3.0の新機能
2月の森リン大賞の更新が遅れていましたが、本日、最新版をアップロードしました。
https://www.mori7.com/oka/moririn_seisyo.php
本来は3月10日に更新予定でしたが、プログラムのミスが見つかり修正に時間がかかりました。
●森リン3.0の進化点――内容評価と項目評価の追加
森リン大賞の話だけではつまらないので、新しい森リン3.0の仕組みを説明します。
これまでの森リン2.0は、AIによる講評作成まででしたが、森リン3.0では内容の評価と項目の評価も併せて行えるようにしました。
従来は内容や項目の評価には踏み込まず、語彙の集計による点数のみを出していました。その理由は、内容や項目の評価は人間にしかできないと考えていたからです。
内容とは、作文に感動・挑戦・個性・共感などの要素があるかどうかです。また笑いの概念もありますが、本質がまだ不十分なため、現時点では搭載していません。将来的に笑いの認識が進むと、ダジャレや川柳の面白さもAIで扱えるようになるでしょう。
●内容評価の特徴と項目評価の意義
内容の評価は点数をつけません。題材によって左右される面が大きいからです。
新機能のポイントは項目評価の導入です。
従来、構成・題材・表現・主題・表記などの評価は人間が行っていました。
表記関係(読点・段落・常体敬体・誤字など)はAIでも十分対応可能でした。
しかし作文教育の本質は、できていないところを直すことではなく、良いところを伸ばすことです。
そのため、指導とセットで項目評価を行う形にしました。
●指導と結びついた作文検定の価値
世の中の作文模擬試験は、ほとんどが事後評価のみで指導と結びついていません。
良い点を取った子は嬉しいですが、悪い点の子は次にどう努力すればいいかわかりません。
事前指導のない評価だけでは、大半の子の作文は上達しません。
今回の森リン3.0は作文検定に搭載されているため、評価が指導とセットで可能です。
(ただし、まだ「作文の丘」や「山のたより」への移植は完了していません。複雑化したため時間がかかります。)
学校や塾で作文検定を導入すれば、結果表示だけで終わらず、「次にどこに力を入れればいいか」が明確になります。
単なる評価試験ではなく、指導連動型の評価が特徴です。
●作文検定が実現する教育改革
これにより、どの学校・塾でも日常的な作文指導が可能になります。
先生の負担はほとんどありません。
従来、作文指導が少なかったのは添削・講評の負担が大きかったからです。
今後の先生の役割は、子供の作文とAI評価を見て、勉強の方向を相談することに変わります。
添削の代わりに、考えたり話し合ったりすることが中心です。
生徒自身も評価結果を見て、次にどう努力すればいいかを考えるようになります。
これにより、知識詰め込み中心の教育から、思考力・想像力を伸ばす教育への転換が進みます。
作文検定は、教育改革のひとつの柱となるのです。
https://www.youtube.com/watch?v=iOXd2tpjU-0
前回は、「教育改革の一丁目一番地」として作文教育の話をしました。
(
https://www.mori7.com/as/5481.html )
今回は、読書教育の話をします。
●学年別「推薦図書検定」の構想
読書教育として言葉の森が計画しているのは、生徒のそれぞれの学年に応じて行う推薦図書検定です。推薦図書検定は、小学1年生から高校3年生まで、それぞれの学年の子供たちに読んでほしい本、人気があるとともに内容も深い本で、日本の歴史や文化に根ざした本のリストを作り、それをもとに図書検定を行うという仕組みです。図書のリストはオープンソースとして公開し、様々な人の意見を反映しながら定期的に更新していけるようにします。
●「何を読んでもよい」から一歩先へ
現在は、読書というと、単に本の形をしたものならば何でも読んでいればいいというような大まかな読書観があります。それは、これまでの読書環境ではやむを得ない面がありました。しかし、朝の10分間読書のように、子供たちが自分の意思で何を読んでもよいという形の読書運動でも、その中で子供たちの読書力は向上していったのです。その読書の内容を、更に推薦図書という形で方向づけ、その本を読んだ結果をAIを通して確認するというのが推薦図書検定の方法です。
●AIによる多角的な評価と特許出願
AIを活用すると、ある本の内容についていくつかの選択問題を作成することができます。また、ある本の内容の一部について記述問題を設定することもできます。その記述問題や選択問題は、AIが本来の模範解答との類似点を数値化して評価することができます。この評価は、単に模範解答に一致していればいいというのではありません。模範的な解答とある程度離れていることが、その生徒の独創的な読み方になるからです。
●独創性と客観性のバランス評価
しかし、独創性の度合いが大きすぎると、それは本の内容を十分に読み取れていないという可能性もあります。その独自性と類似性をある一定の範囲で評価し、推薦図書検定の評価を行うというのが推薦図書検定の考え方です。これは、すでに特許を出願しています。推薦図書検定の評価の例を挙げると、例えば小学1年生の推薦図書には、「かいけつゾロリ」などの楽しい本でありながら、文章もしっかりしているものを選ぶことができます。
●AIによる問題の自動更新と公平性の担保
「かいけつゾロリ」のある場面を取り出して、「そのあと、ゾロリたちはどうしたのでしょう。(1)……、(2)……、(3)……、(4)……」というような選択問題を作ることができます。このような問題作成は、AIが登場する以前は、人間が考えて作ることしかできませんでした。そして、毎月の問題を変えていかなければ、先にやった生徒と後にやった生徒の間に不公平が出る可能性があります。だから、毎月問題を更新する必要があります。それをAIの力で自動的に行うようにするのです。
●成長段階に合わせた設問設計
ところで、小学校低・中学年の推薦図書検定では、本の内容を読み取れているかどうかを見るだけなので、答えやすい選択問題で済みます。しかし、小学校高学年、中学生、高校生の推薦図書検定の場合は、本の内容の読み取りとともに、その生徒がどれだけ深くその本を自分のものとして読み取り考えたかを見る必要もあります。そこで、選択問題だけでなく、記述式の問題を2つの方向で行います。
●「類似度」と「相違度」で測る思考の深さ
1つは、その本の内容に関する質問です。内容に関する質問は、AIの用意した模範解答と類似度が高ければ読み取れているということになります。しかし、もう1つの「本の内容を自分なりに読み取り考えているか」については、AIの模範解答があったとしても、その模範解答と離れている度合い、つまり「相違度」がその生徒の独自の考え方の表れになります。この類似度(参照度)と相違度(展開度)のバランスを見るのが、記述式問題の評価の方法になります。
●思考力と創造力を育む教育改革へ
本の内容全体について感想を書くようなことは作文検定で行うので、推薦図書検定は本の内容に即しての選択式問題と記述式問題が中心になります。このようにして、日本の学校教育をこれまでの知識の評価中心のものではなく、思考力と創造力を見る形のものに変えていくのが、今後の教育改革の大きな方向になります。入試問題についても、知識の評価中心の入試ではなく、読書力と作文力を中心にした評価にしていく必要があるのです。