小学校低学年の生徒は、暗唱の自習がすぐにできるようになります。暗唱の長文が事実中心のストーリーのある文章なので読みやすいということもありますが、それ以上に素直に何度も繰り返し読めるということが大きいようです。
中学生以上になると、急に暗唱が難しくなります。それは、中学生や高校生の読む文章が説明文でストーリー性がないことも大きな理由ですが、それとともに、この時期が物事を理屈で理解する時期にあたるからです。これは、大人でも同じで、大人の人が暗唱をする際は、どうしても覚えようとしてしまうために逆に暗唱がなかなかできないということがあります。
私(森川林)は、学生のころから覚えることが苦手で、記憶力に関しては全く自信がありませんでした。しかし、この回数を数える暗唱をしてから、どんな文章でも、ただ早口で自分の耳に聞こえるように反復すれば覚えられるようになるという確信ができました。イメージ記憶という方法を利用すれば、長い文章でも短時間で暗唱できるようになるということもわかりました。
中学生以上の生徒でなかなか暗唱ができないという人は、まず、記憶力の有無の問題では全くないと思ってください。暗唱のコツは、早口で何度も繰り返すことです。
百人一首などで、最初の数文字を言うと、一瞬でその続きを思い出せるという人は多いと思います。暗唱する文もちょうどそういう感じです。最初の数文字を言えば、すぐに最後の「。」までが一瞬で思い出せるというのが理想の読み方です。途中で意味を考えながら次の語句を思い出すという読み方では、長い文章の暗唱はできません。
ただし、慣れもあるようで、最初はなかなか暗唱ができなかった人がだんだんと楽に暗唱できるようになるということはあるようです。シュリーマンも、「古代への情熱」という著書の中で、「最初は記憶する力が弱かったが、大声で音読をしているうちに、長い文章でも数回読めば暗唱できるようになった」と述べています。
暗唱がなかなかできないという人は、声を出して、なるべく早口で、30回繰り返すという方法でやってみてください。また、30回やって暗唱できないという場合でも、反復の回数を増やしていけば必ずできるようになります。今回の暗唱の自習は、決して無理なものではありませんから、暗唱する時間のとれる人は、「暗唱の手引」に沿ってできるだけがんばってやっていってください。
(2021/10/9追加)
暗唱の練習をする上で大事なのは、最初のうちは、必ず元の文章を見ながらすらすら言えるようになるまで暗唱することです。
まだ、すらすら言えない時期に、「もう、覚えられたかな」と思って、元の文章を見ないで暗唱しようとすると、途中で、「あれ、次は何だったっけ」と止まってしまうことがあります。
すると、この「あれ?」という停止が暗唱の中に入って覚えてしまうようになるのです。
もうひとつ大事なことは、最初の数回は、ゆっくり正確に読むことです。
最初に1文字でも読み間違えると、その読み間違いが暗唱の中に入ってしまうので、何回読んでも同じところで読み間違いをしやすくなるからです。
▽暗唱の手引
https://www.mori7.com/mori/mori/annsyou.html
この記事に関するコメント
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ありがとうございます。中1で「竹取物語(古文)」で暗唱テストで困ってました。12回目で大体思い出しながら言えるようになりました。ありがとうございました!
その12回で終わらずに30回までやると、思い出さなくても言えるようになります(笑)。
めっちゃ役に立ちました^^
今英語ストーリーコンテストに向けて暗唱をしていたんですけど、
なかなか覚えられなくてネットで探したらこのサイトを見つけて
めちゃ早く覚えられました^^
ありがとうございます
ちーさん、よかったですね。
コツは、同じ調子でなるべく棒読みで早口で繰り返すということです。
覚えたあとは、別にゆっくり読んだり変化をつけたりしてもいいのですが、暗唱している途中はなるべく同じようにやっていくのがコツです。
私は150回くらいしたけど出来んよ!!
回数を増やすか字数を減らすかして再挑戦してみてください。
900字全部だったら、150回でもできない場合があります。しかし、それだって回数を増やせば必ずできます。
皆さんはどれくらいの時間かかるのですか?
ストーリーのある文章なら15回ぐらい、説明文なら30回ぐらいです。
暗唱しております。がすごくむずかしいですよね( ^ω^ )まぁーがんばります。❗️❗️
1日でできますか?
慣れれば誰でもできます。
慣れていないうちは、できないような気がするだけです。
中3で英語の暗唱があり高校に行くための大事なテストでしたが、この方法で難なくクリアできました!35回以上やり覚えれました!
2011.11.5
柊さん、よかったですね。
この調子で、日本語の論説文を暗唱すると、大学入試の小論文のときにも使えると思います。
できました。
ありがとうございました。
頑張って九月ばかりと仁和寺にある法師覚えます‼️
今度暗唱コンクールがあります。
お世話なります。
私は、税理士試験の理論の暗唱で
こちらのページを拝見させて
頂きました。
30回繰り返しの効果を
実感しているところであります。
今までは、最初から少しずつ
覚えようとしていました。
もちろん覚えれますが、
脳へのストレスが、、、
30回繰り返しだと全く覚えようと
していなくとも早口言葉で
言えるようになり
その後、暗唱するようにすると
数回で暗唱できるようになりました。
脳ストレスが明らかに
少ないです。
あとは、毎日の繰り返しですね。
遠回りのような気がしていましたが、確実にこちらの方が楽です。
ありがとうございました。
renbouさん、貴重な実体験、ありがとうございます。
繰り返しの回数30回は、私(森川林)も実際にやってみて決めました。
25回ぐらいまでは、本当に覚えられるかなあという気がしながら読んでいるのですが、30回目になると急に覚えられるようになるという感覚です
貝原益軒が「和俗童子訓」ですすめていた暗唱法は、百字を百回でしたが、現代っ子にはそれは無理だろうと思ったので、30字30回を基本にして、それを繰り返すことにしました。
知識の記憶を必要とする人の多くが、こういう記事を読んでくださるといいです、
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△12月3日現在のグラフ
生徒のみなさんが言葉の森の勉強を続けていく際に、自習の負担が大きいという声がときどきありました。
そこで、この12月より、自習はオプション方式にすることにしました。自習として暗唱を選択した生徒は、その暗唱を毎週先生がチェックします。しかし、忙しくて時間がとれないとかひとりでできないとかいう理由で自習ができない人は、毎週の作文だけをしっかり書けばよいということにしました。
12月3日現在の自習オプションの内訳を見ると、小学5年生までは、自習オプションに暗唱を選択する生徒の方が多くなっています。小6、中学生、高校生は、多忙などの理由により暗唱オプションはなしとする生徒が半数ぐらいになっています。
毎日の作文をしっかり書くだけでも十分に力はつきますから、自習オプションなしとした人は、翌週の作文の準備だけをしっかりしていってください。また、自習オプションは、途中で変更できますから、自分の学習時間との兼ね合いを見て先生とも相談しながら判断していってください。
この自習オプションについては、今後、暗唱以外に、読書日記や問題集読書なども選択できるようにしていく予定です。小学6年生や中高生は、暗唱よりも問題集読書などの方が取り組みやすいと思っています。
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