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11月の森リン大賞(作品) as/713.html
森川林 2009/12/20 06:12 

 昨日の記事の続きです。


11月の森リン大賞(小1の部57人中)
順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1やぎのほんやさんみりんまりん61477394350100
2おしゃれロボットのクッちゃんきふゆ6041241465687
3楽しかったどんぐりひろいきとは6033538435489
4ひみつきちきほや6025539435389
5鶴見緑地にえんそくききら6033139465286
6ぶんかさいおはなちゃん5940243465274
7やっとみつかった私のだいじなサブバックきとめ5935638475280
8秋だ!うれしいな、ピョーン!とらたいがくん5943939464979
9がっこうであそんだこときたと5932942434881
10くじらぐもの親子みるく5952438474887



11月の森リン大賞(小2の部94人中)
順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1ハロウィンパーティーパルキア6847344556490
2山のぼりに行ったことアルセウス6662347446787
3ぼくのコレクションともひ6684641466483
4アンディが休んだこときけひ6644138476190
5わたしとてつぼうひなた6661442465990
6楽しかった全校遠足タカ6576741506680
7おまつりきそお6546038466390
8じきゅう走大会の練習ぷっくりん6539741476180
9みかこちゃんおゆな6563342445989
10楽しかった学芸会なかず6539942475890



11月の森リン大賞(小3の部129人中)
順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1びっくりとドキドキの連続!緊張した宇宙飛行士体験ダイヤモンド7880146818893
2おつかいに行ったよまめっち7194043506589
3大切な中身ていへ7075848485595
4プルプルたまごまきしろみ6978138457684
5私の先生はスーパーマンスヌーピー6969046516479
6買い物はおおさわぎパルキア69152942486487
7おもしろいたまごやき作りなっち6954042486293
8まい子を見つけたおかいものみゃんこ6990441476181
9いたずら大好きねいろ6989647476184
10買い物楽しいなみいこ6979941486089



11月の森リン大賞(小4の部129人中)
順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1めずらしい都電アルセウス7866347749086
2お母さんありがとうネッシー7878062548984
3いつものバスアンピッピ7777743648781
4電車の旅くっちゃん7668142658890
5夏の太陽の味リラックマ76114342498195
6ハプニングがよく起こるBBQシャーロック・ホームズ7680544617489
7一人だけの日帰り旅行まーりん7699844637293
8ジャポニカとインディカみっくまっく7678547557189
9かしきりバスとろ線バスかこちゃん7589841517792
10お米ばんざい!はなはな7470746558083



11月の森リン大賞(小5の部140人中)

親子の好きな本
けん道少年

読書はまず、学問にとっても必要である。本を読むことによって得られる利益は、自分自身では経験することのできない経験、それを教えられることである。例えばロビンソン・クルーソーのように、無人島で一人ぼっちになったとき、どういう気持ちになり、どういう行動をするのかがわかる。さらに、ワシントンの伝記を読めば、誠実に世の中のためにつくそうとした人の喜びと苦しみがわかる。

僕もこの話のように、好きな本がある。その本は、『ハリーポッター』である。その本は最初は自分が魔法使いだと何も知らなかったハリー・ポッターがホグワーツという魔法学校で魔法を学び、最後には自分の両親を殺したヴォルデモート卿(通称:例のあの人)を倒すという話である。この本で面白いのは、魔法使いの決闘で、呪文で戦うところだ。

『ハリー・ポッター』などのSF(サイエンスフィクションの略)作品で好きな作品は、『スターウォーズ』『ジュラッシクパーク』『20世紀少年』などである。『ハリーポッター』シリーズで面白かった作品は、『不死鳥の騎士団』だ。葦編三絶とはいかないが、もう5回以上はとっくに読んでいる。でも、一番面白いのは、やはり最新作『死の秘宝』である。買っておいてよかったと思う時は、発売のした日から数日たち、図書館に行って『死の秘宝』の予約リストを調べてみると、ズラ~と、途方もない人数がならんでいたのを見たときだ。本を買っていなければ、二ヶ月ぐらい待ち、一週間で返すというようなことになっていただろう。

僕が好きな本は、たいてい父が買ったか、図書館で借りてきたものである。その中に、『風のひみつ基地』もある。『20世紀少年』は、映画化したときに兄が、

「あれ、みんな読んでるで、買おうや。」

と言ったのが始まりで、とても面白く、今では13巻まで持っている。父はよく歴史の本を買ってくるので、父が好きな本は歴史かと思えば、「子どものなだめ方」という本も借りてくる。でも両方おなじなのは、ハリー・ポッターのようにぶ厚く、字が細かく読み応えのある本だということだ。だからそれがあてはまる本が、父は好きなのだと思う。(僕に借りてくる本もぶ厚い)

父と僕つまり親子では好きな本がだいたい同じということが分かった。好きな本を多く持っていれば、社会に役立つと思うので、図書館からいろいろ借りてこようと思う。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1親子の好きな本けん道少年7998147818786
2科学的態度の出発点まかじろう79111844608587
3木肌にふれて遊ぶことの大切さサスケ7997346587486
4私の生活に科学的態度をみいちゃん7998446597090
5科学的態度 けん79108951587087
6とろける甘さしもん7878947708381
7最高な気分あんこ78105146496895
8「科学的態度」を読んでの感想文ドレミ7890453546889
9自分の好きな本とはゆうと7784146637295
10登りぼうの思い出ふっくー7797546527181



11月の森リン大賞(小6の部144人中)

写真のいらないアルバム
闇の女帝

それは、うっすらと埃が積もっていた。ふう~と息を吐くとやっと表紙が読めた。どうやら、母が日本語を勉強する時に使用した辞典のようである。出版1974年。随分古いものである。紙は変色していて折り曲げた後が多数あった。匂いはちょっと黴臭くあまり好きになれない感じだった。中をパラパラとみてみると、日本語の横に中国語で意味と例文が記されてあり、いかにも私を使ってと訴えているようであった。背表紙はぼろぼろで、書いてある文字はもう薄れて何が書いてあったか分からないほどであった。しかし、この古ぼけた本の威厳はちっとも薄れておらず、むしろ逆に威厳が増しているような気がした。自分より年上の物と対面するのは案外感激するものであるが、この辞書だけは違った。自分の方がちっぽけに思えてくる。何というのだろうか、小さい辞書なのに手に乗せるとずっしりとした重みは、今まで私が送ってきた12年の人生の重みを遥かにしのぐものだった。様々な時代の中で使われたこの辞書の激動の人生を考えると、非常に自分が縮小してしまう。

 昔、中国ではとても貧しく辞書を買うお金もなかった、そのため、辞書は代々その家系に伝わる非常に重要なものだったのである。この辞書は、母方の祖父や祖母なども触れて、実際に使ったいわば宝だったのである。祖父や祖母から母へ受け継がれた辞書は、母に知恵を捧げ、母が日本で日本人とコミュニケーションをとれるようにしてくれた。そう思うと、辞書を抱きしめて頬ずりしたくなった。この辞書の匂いも折れているところもみんな好きになれた。そしてこの辞書の匂いも折れているところもみんな好きになった。そしてこの辞書はいずれ私の物になるだろう。今度、私が中国語を学ぶときに役立つであろう。この辞書は未来の先生である。大事にしなければと思った。

 父にも古いものがある。学生時代につかった英語辞典である。父は英語を自由自在に操れるわけではないが、きっと学生時代は大いに役立ったに違いない、そして母と同じように知恵を授けたに違いない。私にも古いものがある。生まれたときに被った、生年月日がしるされている帽子である。今では私の小指と薬指しか入らないほど小さい。しかし、この帽子が私が生まれたという証なのである。

 古いものは、あるときふっと現れると手に取った私たちにさまざまな思い出を思い出させてくれる。今回も母は辞書を見て懐かしがっていた。人間にとって、古いものは写真のないアルバムである。

 もう一度、抱きしめて私は辞書を本棚に戻した。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1写真のいらないアルバム闇の女帝86105064708386
2自然と人間きちこ85102562768983
3自然の裏にご注意マーブルチョコレート81131252809383
4楽しい木登りゼウス81116947536584
5世界を救うにはあまぐり8094447808489
6古い物のあり方なつみかん80149949607981
7わがままはおやめ!さもないと…ことのは791639518810592
8自然の美しさサッカー少年79115642759490
9里山からのメッセージこんぺいとう79113147629386
10登ってくつろぐピルル79126247609287



11月の森リン大賞(中1の部75人中)

ミミズがある生態系にを読んで
文鳥

 ダーウィンは、ミミズの研究に基づき、ミミズが有機土壌の形成に大きな貢献していると述べた。これは、ミミズが地中を絶え間なく動き回ることで土の中に穴が出来、水はけや空気の通りが良くなるなどの利点から言われている。また、有吉佐和子は小説、『複合汚染』を執筆し、人間が自然を痛めつけた結果、自分達にひどい影響が及んでいる現状を詳しく書いている。ロンドンではミミズを利用した生ゴミの処理を行おうとしている。

 小さい生物にもそれ相応の役割があり、また、なくてはならないものだと考える。

 よく、小説を書いていて思うことがある。登場人物の中でも、主要キャラ、準主要キャラ、そしてサブキャラと分けることが出来る。主要キャラとは主人公、あるいは師弟愛のようなものを書くのなら主人公の師匠、というような設定になる。準主要キャラとは主人公のクラスメート、RPGのようなものならば主人公のパーティーのメンバー、あるいはラスボス(最後に出てくる強いモンスター、あるいはラストボスの略)といったところだろうか。そして、サブキャラとは過程で出てくる雑魚モンスターや村人Aといったような役である。RPG物の小説を書くと、このサブキャラがかなり重要になる。なぜなら、雑魚モンスターがいなければパーティーのレベルはあがらない。そもそも、その小説自体にスリルや緊迫感がなくなる。ラスボスが出てくるまで、ヤッホホトゥラララの世界といのはかなりほのぼのとした冒険小説である。雑魚モンスターがでてきて、

「うあー!!こいつ、何気につえええ!!!」

とか、

「うああああ!?戦闘不能?!回復魔法やって・・・!!」

とか

「ははっ弱いぜ!!大したことねえな、ふはははははは!!」

とか言っている所をフハハハ(とは言わない)とラスボスが出現するからこそ、RPG小説、あるいはゲームの面白さはある。村人Aもパーティーにヒントを与えてくれる重要な役職である。とどのつまり、どのキャラも大事な役であり、なくてはならない存在なのである。どんなに出るページが少なかろうが、セリフが少なかろうが、勇者に10秒で叩き切られるようなモンスターだろうが関係はない。全てが重要キャラである。その中の話の中心となるのが主要キャラというだけの話なのだ。

 また、小さな変化がこれからの運命を大きく左右するターニングポイントになり得る事も多い。

 地球の表面温度はこの100年間で摂氏およそ0.4℃から0.8度ち0.4℃上昇している。0.4℃という数値は、はっきり言ってそれほどたいした数値ではないと思う人もいるかもしれない。しかし、200年後には1.2℃、300年後には1.6℃・・・となる。おそらく今の地球は昔よりも温暖化の進行も早くなっているのでそれほど遠い未来でもないかもしれない。もしかしたら、私達が生きている間に地球は窮地に陥るかもしれない。そう考えると、小さな変化も無下にはできない。

 確かに、主要キャラや人物はなくてはならない存在であり、いなければ物語は進まない。しかし、それを支えているのは出番が無いキャラの縁の下の力持ちだということを忘れてはいけない。国も、総理大臣だけでは成り立たない。それについてくる民、つまり国民がいなければ成り立たないのだ。

 『雑草はまだその美点を発見されていない植物だ』という名言があるが、小さい者には小さい者なりの役割と価値があることを理解すべきだ。

 小さい者は、物事に必要不可欠であると考える。

順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1ミミズがある生態系にを読んで文鳥91143966838886
2謎の宿題地口行灯なまず大使89121963798481
3ミミズがある生態系にひよこ88119161708283
4地球を支える小さな肥料たちきとみ87144456658196
5不透明な言葉hikari87130972687983
6自然の凄さピプリー87125259657886
7今を生きる事の大切さたけたけ86129662647683
8どんなものにも価値がある201系86122849667393
9鼠のひと押しまーくん85112657627786
10小さなものの大きな役割まりい8197751797986



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11月の森リン大賞決まる as/711.html
森川林 2009/12/19 20:18 


 11月の清書の森リン大賞が決まりました。

 今回の「山のたより」には、小4までの生徒にはベストテンの作文の題名と得点だけを掲載しました。小5以上の生徒にはベストテンの題名と得点のほかに1位の作品を掲載しました。

 上位の作品の掲載を少なくしたかわりに、それぞれの生徒の自分自身の作文(パソコンで入力した清書)の過去10ヶ月分の得点と過去2か月分の清書を掲載するようにしました。


 どの学年の作品も力作でした。小学校低中学年の生徒の作品には、ほほえましいものが多く、この子供たちが大きくなって自分の小さいころの作文を読む機会があったら懐かしい思いがするだろうと思いました。

 例えば、小3の生徒の作品の中に、次のようなものがありました。

====▽(引用ここから)

(アインシュタインのように)えらい人になっても、小学生がまるで友だちのように親しくなるように、やさしくしたいです。
 でも、やっぱり、みんなも、お母さんも言っていました。
「やっぱりおしゃれして行かないと、はずかしいよね。へんな服で行くと、変な人だと、思われてしまうからいやだと思うよ。」
 と笑っていました。
 私の子どもも、アインシュタインのような心にしたいです。アインシュタインは、身なりにかまわず、はずかしがらず、えらくて、プリンストンの名物教授にもなれるくらい、頭がよくて、とても親切だという話を、私の子どもに、してあげたいと思います。

====△(引用ここまで)

 アインシュタインの話を読んでの感想文を清書にしたので、3年生では長く書くのが難しかったと思います。(3年生はまだ感想文を書くのは早すぎる学年ですが、言葉の森ではその後の学年の準備として感想文の指導をしています)

 今学期勉強した項目の中に、「聞いた話似た話」というものがあったためだと思いますが、お父さんやお母さんに取材して書いた部分があります。この「聞いた話」がごく自然で飾り気がなく、「やっぱりおしゃれしていかないと、はずかしいよね」というお母さんの会話の中に、普段からの楽しいコミュニケーションの様子が感じられました。

 この子は、きっと将来、この長文のアインシュタインのように謙虚で優しい人になることでしょう。


 中学生や高校生の上位の作品には、読書好きの子の書いたものが多かったようです。作文の中に書かれている語彙を見ると、その学年ではあまり使わないような難しいものが自分なりに消化されています。こういう子供たちが成長して、それぞれに自分の意見を書いていくということを考えると、とても頼もしい感じがしました。

 中学1年生で最高点の作文を書いた生徒は、自分で小説を書いているようです。与えられた課題をRPGの物語という個性的な実例で書いていました。

====▽(引用ここから)

 ダーウィンは、ミミズの研究に基づき、ミミズが有機土壌の形成に大きな貢献していると述べた。これは、ミミズが地中を絶え間なく動き回ることで土の中に穴が出来、水はけや空気の通りが良くなるなどの利点から言われている。また、有吉佐和子は小説、『複合汚染』を執筆し、人間が自然を痛めつけた結果、自分達にひどい影響が及んでいる現状を詳しく書いている。ロンドンではミミズを利用した生ゴミの処理を行おうとしている。
 小さい生物にもそれ相応の役割があり、また、なくてはならないものだと考える。
 よく、小説を書いていて思うことがある。登場人物の中でも、主要キャラ、準主要キャラ、そしてサブキャラと分けることが出来る。

(中略)

 RPG物の小説を書くと、このサブキャラがかなり重要になる。なぜなら、雑魚モンスターがいなければパーティーのレベルはあがらない。そもそも、その小説自体にスリルや緊迫感がなくなる。ラスボスが出てくるまで、ヤッホホトゥラララの世界といのはかなりほのぼのとした冒険小説である。雑魚モンスターがでてきて、
「うあー!!こいつ、何気につえええ!!!」
とか、
「うああああ!?戦闘不能?!回復魔法やって・・・!!」
とか
「ははっ弱いぜ!!大したことねえな、ふはははははは!!」
とか言っている所をフハハハ(とは言わない)とラスボスが出現するからこそ、RPG小説、あるいはゲームの面白さはある。

====△(引用ここまで)

 作文を書くという勉強を自分なりに楽しんでいることがわかります。文章力のある子の作品は、一回一回がそれぞれ力作なので、書くたびに考えが成長していくという感じがします。

 ときどき大学生になった子が教室に来て、自分の中学生や高校生のころの作文を読む機会があると、「あのころの方がよく考えていたなあ」と言うときがあります。難しい文章を読んで自分なりに考えて書くという機会はやはりなかなかないのだと思います。

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