国語の成績を上げるために「天声人語」などのコラムを要約するという勉強法があります。
この勉強法はそれなりに効果がありますが、私は次の理由から別の勉強法をすすめています。
第一は、新聞のコラム欄の文章は、必ずしも国語力をつけるには向いていないからです。それよりも実際の入試問題の文章の方が、国語の力をつけるには向いています。また、文章の質ももちろんそうですが、管理のしやすさという点でも問題集のように一つの冊子になっているものの方が何度もくりかえし使う点で優れています。
第二は、要約という勉強法は、手間がかかるということです。子供自身も、要約のための時間と場所を確保して勉強に取り組まなければなりませんが、それ以上にその要約を評価する親の手間がかかる点が問題です。勉強はできるだけ子供が自分の力だけで進めるものを中心にして、親は肝心なところだけアドバイスすればよいという形にするべきです。そうしないとどうしても勉強の量を確保しにくくなるからです。
小学生が行う要約という勉強の中身は、実際には「よく読んで書き写しをする」というものです。効果があるのは、この「よく読んで」の部分です。要約をするためには、何度もその文章を読まなければなりません。そして大事なところを書き写しするときに更によく読まなければなりません。要約自体に効果があるのではなく、要約するためによく読むところに効果があるのです。
だとすれば、国語の勉強法のもっと能率的なやり方は、その文章を何度も繰り返し読むことです。この方法ならば、いつでもどこでも手軽にできます。また、音読で読んでいるときに親が読み間違いを簡単に直してあげることができます。
ただし、同じ文章を繰り返し読むという勉強法は、要約のように形として残るものがないので、見ていて張り合いがないような気がします。そのため、このような繰り返し音読をするという勉強をしたがらない人が多いのです。
しかし、勉強の密度と量を考えれば、問題集を繰り返し音読するという勉強の方が、コラムを要約するという勉強よりも優れていると思います。
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なるほど。ლ(。◕ д ◕。ლ)
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言葉の森の生徒の所在地です。
海外の生徒は時差があるため、日本からは夜中に電話をしたり朝方電話をしたりすることもあります。
将来はもっと海外の先生が増えて、時差の問題を解決できるようになると思います。
アメリカ 12
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 | シンガポール 1
 | スペイン 1
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 | チリ 1
 | トルコ 1
 | フランス 1
 | ベトナム 1
 | ポーランド 1
 |
中国 4
 | | | | | | | | | 日本 766
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| | | | | | | | | | | | | | | | 北海道 10 | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | 青森県 3 | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | 秋田県 1 | 岩手県 1 | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | 山形県 0 | 宮城県 6 | | | |
| | | | | | | 島根県 0 | 鳥取県 0 | | | 福井県 0 | 石川県 2 | | 新潟県 12 | | 福島県 8 | | | |
| | | | | | 山口県 6 | 広島県 8 | 岡山県 8 | 兵庫県 25 | 京都府 17 | 滋賀県 6 | | 富山県 2 | 群馬県 3 | 栃木県 4 | | | | |
| | | | | | | | | | 大阪府 48 | 奈良県 10 | 岐阜県 8 | 長野県 4 | 山梨県 5 | 埼玉県 27 | 茨城県 15 | | | |
| | 長崎県 4 | 佐賀県 1 | 福岡県 16 | | | 愛媛県 2 | 香川県 6 | | 和歌山県 2 | 三重県 6 | 愛知県 38 | 静岡県 9 | 神奈川県 208 | 東京都 181 | 千葉県 35 | | | |
| | | 熊本県 4 | 大分県 6 | | | 高知県 3 | 徳島県 2 | | | | | | | | | | | |
| | | 鹿児島県 2 | 宮崎県 1 | | | | | | | | | | | | | | | |
| | | | | | | | | | | | | | | | | | | |
| | 沖縄県 2 | | | | | | | | | | | | | | | | | |
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本日6月22日、新学期の教材を発送しました。
言葉の森の教材は、生徒一人ひとり違うものを送るのでかなり手間がかかります。人間が作業をすると間違いがあるので、すべて自動的にプリンタから出力するようにしています。
印刷をしている間は、生徒のデータの移動ができないので、一日で印刷して発送しなければなりません。
昨日21日の夕方から印刷を始め、夜中の間ずっと印刷して今日22日の朝10時ごろにやっと全員の印刷が終わりました。
それから、印刷物の封入作業です。この部分は人間の作業になります。事務局全員で手分けをして5時間の封入作業が3時ごろに終わりました。ふう。
課題フォルダの入ったダンボール箱を今度を、3階から1階までおろさなければなりません。エレベータがないので。^^;
全部で15箱のダンボールをやっとおろしました。宅急便の人にこういう仕事までしてもらうのは悪いので、荷物の量が多いときは、みんなで手分けして荷物の運搬をすることにしています。
これで、7月からの教材発送は完了です。
教材自体はあまり変わっていませんが、7月から、ウェブで活用できるページをたくさん作っていく予定です。
生徒のみなさん、お楽しみに。
あ、そうそう。
通学の生徒向けに、「おうちメール」を作りました。
https://www.mori7.com/outi/
生徒が教室に来たときに入室ボタンを押すと、保護者の携帯にメールが行きます。また、退室するときも保護者の携帯にメールが行きます。
まだ始めたばかりなので、入室ボタンだけ押して、退室ボタンを押さずに帰った子もいます。そういう子は、一晩中「勉強中」の表示になっています。(笑)
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言葉の森の最初のページは、ウェブページでした。1996年から作成しているので、コンテンツは、もう1万ページぐらいあると思います。1996年がどれだけ昔かというと、そのころに発行したまぐまぐの言葉の森オンラインマガジンのIDが226だったというぐらい昔です。最初のころは、まぐまぐの代表の人と年賀状を出しあっていたくらいです。(笑)もちろんこのメルマガは、今も発行しています。
昨年2005年に、ウェブにもブログの機能が必要になると考え、言葉の森のホームページそのものをブログにしました。ウェブ的ブログです。しかし、そのために、自由なレイアウトができにくくなってしまいました。
そこで、今年の6月から方針を変え、今度はブログの機能をつけたウェブページ、つまりブログ的ウェブページを作ることにしました。基本はウェブページで、そこに、RSSやPing送信やコメントやトラックバックなどのブログ的機能を組み入れるということです。
ブログを作るスクリプトはいろいろありましたが、結局自分で作るのがいちばんいいと考え、すべてオリジナルに作り直しました。
新しい言葉の森のホームページの特徴は三つあります。
第一は、ブログ的ウェブページという発想です。
第二は、ページの上部に、大見出し、中見出し、小見出しのタブをつけたことです。まだメインのページにしかつけていませんが、これをすべてのページにつけると、かなり見やすいサイトになると思います。しかし、これは独自のプログラムで作っているので、ほかのサイトで同じような見出しタブはつけるのは難しいと思います。
第三は、SEO対策として、すべてのページのメタタグとリンク先を一元的に管理するようにしたことです。表面には出ていませんが、これは画期的なSEO対策です。
しかし、GoogleとYahooの検索エンジンのアルゴリズムは今後改良され、裏技の使いやすい被リンク数やキーワード数ではなく、コンテンツの質と量の評価という単純な基準が前面に出てくるようになると思います。
SEOが、テクニックの巧拙ではなく、中身の充実度という本来の姿に戻ってくることを期待したいと思います。
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森リンのデモのページを再開しました。
今回は、150字用、1200字用の2種類の評価法から選択できるようにしています。
150字用は字数が短いために点数の誤差が大きく出る可能性があります。そのため、キーワードを三つ入れて書くという課題にしました。短い文章で手軽に表現力を評価したいという場合は、こういうやり方がいいのではないかと思います。
この森リンは、
大学などで文章表現の授業に利用することができます。
●森リン
現在、無料利用申し込み申込を受け付けております。詳細はこちら→
●森リンの授業利用
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こんにちわ。私は中学2年生の者です。
この度は国語の意見文について質問させていただきます。
私は学校で「学力診断のためのテスト」を行いました。
その国語の意見文を書く問題に不備があるとのことで15点採れるところを0点になってしまいました。
テーマは「あなたが体験したり、見たり聞いたりしたことを参考にして『人と人とのかかわりにおいて大切なこと』を主張する意見文を書きなさい。」です。
そして条件があり、段落や次数も決まっており、誤字・脱字はNG等です。
そしてこれが私の書いた意見文です。
「 私が父から聞いた話によると昔の人々は日々助け合いながら生きていたという。
昔の人々は自ら米や野菜をつくり、生活していた。収かくもそれほどよいものではなく、一日を生きていくことが
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日本の小学校教育は明治以来の長い伝統があるので、教える内容はそれなりに充実しています。しかし同時に長年、学校という閉鎖された社会の中で教育が行われてきたために、教育の本来の目標からはずれた無駄な部分も数多く生まれています。
そのひとつは、授業よりも行事が優先されがちな姿勢があるということです。児童や父母の声よりも、内部の関係者どうしの声のほうが反映されやすい仕組みになっているので、行事を滞りなく消化することが仕事の中心のようになり、授業は行事の間にやるもののようにとらえられています。また、その行事も行事の目標よりも形式が優先されるので、自然と前例が踏襲されるようになり、年々形式的に手間のかかるものになっていくようです。一度、学校の行事をすべて洗い出し、外部からの声も取り入れて不要なものを大胆に削除する試みをする必要があるように思います。
もうひとつは、授業の内容が総花的で、どうでもいいものと重要なものが同じような割合で教えられていることです。小学校の勉強の中心は読む力をつけることで、それ以外は乱暴に言えばやってもやらなくてもいいものです。せいぜい加減乗除がきちんとできるようにしておくぐらいで、ほかの教科は数分の一に圧縮しても支障はないと思います。しかし、学校や教育関係者の内部からは、そういう声は出てきません。学校は重要な問題を内部で調整して決めることができません。学校の改革は、学校を超えた視点からしていく必要があります。
これらの学校の限界をカバーするのは、塾ではなく家庭です。しかし、子供たちが家庭で勉強のために費やせる時間はせいぜい1、2時間です。したがって、家庭での教育は重点をしぼって行なう必要があります。その重点とは、ひとことで言えば読む力をつけることです。漢字の書き取りや計算ドリルや意味のよくわからない宿題に時間をさくよりも、まず第一に学年に応じた文章を読む力をつけることを家庭学習の中心に置くことが大切です。。学年に応じた文章が十分に読めれば、さらに上の学年の文章を読む力をつけていけばいいのです。
こういう家庭学習をするためには、子供部屋はかえって邪魔になります。勉強は親が見ている前でするもので、子供部屋は趣味と遊びのために使う部屋と位置づけておく必要があります。これは、中学生になってからもそうです。中高一貫教育の私学で中だるみ現象のあることがよく指摘されますが、これは中学生になると親が勉強を見ずに本人まかせにしてしまうからです。どんなに難しいことをやっていると言っても中学生の勉強ですから、親が日曜日にでも参考書を読みかえせば、子供たちのやっている勉強の中身はじきにわかります。子供たちがやっている勉強は、外見は立派そうですが、よく見ると弱点だらけです。
中学受験は親の受験だと言われます。つまり小学生の子供たちには自力で勉強を進めていくだけの意志も見通しもまだないということです。しかし、こうした小学生の子供たちが、中学生になったとたんに自立して勉強していくと考えるのは、大きな誤解です。幼稚園時代に子供にたっぷり読み聞かせをしてあげていたお母さんが、子供が小学校に上がったとたんに「もう小学生なんだから自分で読みなさい」と突き放して子供を読書嫌いにさせてしまったというケースは数多くあります。同じように、小学校時代に手取り足取り勉強を見てあげていたお父さんやお母さんが、子供が中学生になったとたんに子供部屋を与えて「もう中学生なんだから自分で勉強しなさい」と突き放して、子供の学力を低下させてしまう例も数多くありそうです。自立は時間をかけて少しずつ行なっていくものです。小中学生の勉強の拠点は家庭で、その勉強には親が深くかかわっていく必要があると思います。
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学校での勉強の目標は、ひとことで言えば受験におかれています。ですから、ここだけを見れば、受験に関係の深い英語・数学・国語の成績を上げることが勉強の中心的な課題のように見えてきます。
なかでも、中学・高校受験では数学の出来が受験の結果を大きく左右し、大学受験では英語の出来が合否に大きく影響します。したがって、勉強の中心は英語と数学の力をつけることにおかれがちです。
しかし、将来に生きる学力ということを考えると、英語・数学よりも、国語の力、特に読解力と表現力をつけることを重点におく必要があります。例えば乱暴に言うと、聖徳太子は英語も数学もできませんでした(笑)。しかし、読解力と表現力は十分にあったはずです。英語と数学が勉強の中心になったのは、日本では当然、明治以降のことです。
英語と数学が受験勉強の中心になっているのは、英語の技能や数学的な考え方がその後の人生に役に立つからという理由ももちろんありますが、それ以上に、勉強の範囲が広く深いので試験問題を作りやすいからだという事情があります。
例えば、高校受験の数学の中心となる図形の問題は、簡単に言えば知的なパズルです。やりだせば、ゲーム以上におもしろいものですが、そこで使われている頭は、仮想の空間の中でだけ通用するものです。同じように、英語をはじめとする他の教科の問題も、本質的にはクイズです。だから、「いやあ、お父さんは、もう卒業してだいぶたつから、勉強のことはわからないなあ」などと平気で言って暮らしていけるのです。
しかし、卒業してからも確実に伸びる学力があります。それは読解力です。ある新聞社の調査によると、会社の役員から社員までに国語の読解力の問題を出したところ、点数は役職に比例したそうです。つまり、学校を卒業したばかりの人よりも、実生活で苦労を重ねてきた人の方が、読解力があるということです。
受験のために英語と数学に力をさくことは当然必要ですが、将来に生きる学力ということから考えると、国語力なかでも読解力をつけることはそれ以上に大切だということがわかります。よく「勉強が忙しくて本など読んでいられない」という中学生や高校生がいますが、読書こそ最も力を入れる勉強なのだと考え方を変える必要があります。
そして更に、勉強以外の能力にまで目を向ければ、読解力や表現力以上に大切なのが、よりよく生きようとする意欲だと言えるでしょう。
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子供は、ほうっておけば楽な方に走る、というのが、小学生の普通の姿です。小学生のうちから、苦しい方を選ぶという子がいたら、むしろ問題があると言ったほうがいいかもしれません。もちろん、得意分野については、苦しいことも進んでやるということはありますが、自分自身を向上させるというような抽象的な目標で、あえて苦しいことに選ぶという小学生は、いません。
自分自身という抽象的なものにめざめるのは中学3年生ぐらいからで、それ以前は、もっと具体的な目標がないとがんばることはできません。小学生のころの具体的な目標は、親や先生にほめられること、または友達に自慢できることといった身近な人間関係を媒介にしています。ですから、小学生に対する教育の方針は、がんばったところをほめながら、がんばっていないところを注意する、ということになります。
読書について言えば、いい本を読んでいたらほめる、マンガばかりを読んでいたら注意する、ということをこまめにやっていけば、しっかりした読書をするようになります。ところが大抵の家庭では、読書については勉強について言うときに比べて、あいまいな言い方しかしていないようです。「マンガばかり読んでいないで、たまには本を読んだら?」「はあい」という言葉のうえのやりとりだけでは、子供を読書に向かわせることはできません。
「マンガは読んでもいいけど、読み終わったら見えないところにかたづけようね」「今日は、勉強のあとに、ここにある本の中からひとつを選んで50ページ以上読もうね」ということを、ごく普通にさらりと、しかし妥協なく親が言えるようになれば、子供は本を読むようになります。そして、本を読んで読書力がついてくれば、親が「本を読みなさい」とわざわざ言う回数も少なくなります。
読書の習慣は、家庭の躾のようなものです。いわば、顔を洗ったり歯を磨いたりすることと同じ次元の話です。習慣がつくまでは何度も何度も飽きずに注意してあげることが必要です。
そして、小学生のころの読書と同じように大事なのが、中学生以降の読書です。中学生や高校生になると、読書は本人まかせになり、それに応じて、読書も次第に軽い内容のものに傾斜していくという傾向があります。読書に対するアドバイスは、中学生以降も継続していく必要があります。
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