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家庭での作文の教え方11 全体の流れ as/808.html
森川林 2010/03/01 04:43 




全体の流れ



 家庭で作文指導をするときの全体の時間は、1時間から1時間半とします。


1、最初に暗唱のチェックをします。

 1週間の自習課題として300字又は900字の暗唱をさせておきます。(暗唱の手引のやり方を参考にしてください)

 最初にその暗唱のチェックをしますが、すぐにチェックをするのではなく、先に練習をさせてからチェックをします。

 300字の暗唱をしている子なら、暗唱用紙の10回分の部分を切り取り、300字を10回読む練習をさせます。

 900字の暗唱をしている子なら、暗唱用紙の4回分の部分を切り取り、900字を4回読む練習をさせます。

 暗唱の自習をほとんどしていないために300字の暗唱ができそうもない子については、暗唱用紙の30回分の部分を切り取り、100字を30回読む練習をさせます。

 300字の暗唱の場合は、1ヶ所のミスまでなら合格です。

 900字の暗唱の場合は、3ヶ所のミスまでなら合格です。

 いずれもそれ以上のミスがある場合は、次回も同じ範囲を暗唱の自習とします。合格した場合は、次の範囲を指示しておきます。


2、暗唱の自習が終ったら、その週の作文を書きます。

 学年別の課題は、課題の岩に載っています。(感想文課題の長文は生徒限定ですので、題名課題を参考にして書いてください)

 学年別の指導項目は、項目の苗に載っています。(説明の部分をクリックすると、くわしい説明が読めます)


3、作文が終ったら、残りの時間を見て読書をします。

 残り時間が60分で学年の100倍ページを読めるとして計算します。したがって、4年生ならば、60分で40ページ読めるので、残り時間が30分の場合は20ページ、残り時間が15分の場合は10ページなどと読むページ数を決めます。読書速度は個人差があるので、その子の大体の読書速度を見ておき、残り時間を見ながらその子供に合ったページ数を指示します。 読書は、読ませるだけでもかまいませんが、付箋を貼りながら読み、その付箋をもとに四行詩を書くという練習をさせることもできます。

 付箋の作り方と付箋読書の方法は、付箋の作り方というところで見ることができます。


4、全部の勉強が終ったら、次回の課題を指示して終了とします。


評価の仕方



 子供の書いた作文については、よいところを褒めて明るく励ますことを中心にします。

 直す指導は、1つの作文について1ヶ所かせいぜい2ヶ所にとどめるようにします。

 ただし、誤字や誤表記については、一応すべてに赤ペンを入れておきますが、それをことさらに直すための指導はしないということです。


 褒めるところは、項目指導でよくできたところが中心です。つまり、子供が意識的に努力してできたところを褒めるようにします。

 例えば、「会話を入れる」という項目があって、会話が書いてあれば、そこを褒めます。

 また、指導していないことでもいいところがあればどんどん褒めます。面白いところ、その子らしいところなど、褒めるところはいくつあってもかまいません。


 直すところは、指導の上で事前に説明したことが中心です。事前に何も言っていないことについて後から注意することはできるだけ避けます。注意する場合は、次の週の事前指導として説明したあとに注意するようにします。


 作文用紙には、あまり講評は書きません。よいところには◎をつけ傍線を引いておきます。間違えているところには△をつけて正しい字を書いておきます(同じ間違いがたくさんあるときは、正しい書き方は代表的なところ1ヶ所だけでかまいません)

 作文用紙にくわしい講評を書くと、講評を書くという事後的なことが指導の中身になってしまい、肝心の子供の指導をすることがおろそかになります。

 指導の中心は、作文を書く前に子供に直接口頭で話すことです。

 指導を充実させるために、作文用紙の講評は簡単にし(傍線を引いた箇所に数語の短いコメントを入れる程度)、そのかわり別の先生用のメモ用紙などに、口頭で指導する中身をメモしておくようにします。そのメモが指導の記録になります。


明るい指導



 子供は、明るい雰囲気が好きです。

 子供が教室に来たら、明るく楽しい雰囲気で声をかけましょう。

 勉強している間に、ときどき書いている様子を見て、じゃまにならない程度に声をかけて励ましてあげましょう。

 勉強が終わって作文を提出したら、いいところをたっぷり褒めてあげましょう。

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暗唱は覚えることが目的ではなく繰り返すことが目的(その2) as/807.html
森川林 2010/02/28 11:04 



 前回は、暗唱が、発想力や思考力という応用分野に生きてくることを説明しました。

 暗唱は、理解力や読解力にも役立ちますが、その説明の前に、暗唱の仕方を説明します。


 滑らかな暗唱は、どのようにしたらできるのでしょうか。

 暗唱は、繰り返せばだれでもできるようになります。繰り返しとは、1日に30分も40分もやることではありません。3日続けて10分ずつやることです。これで、何の苦労もなく暗唱ができます。

 暗唱が苦痛になるのは、毎日続けてやらずに、まとめてやろうとするからです。

 言葉の森の暗唱法は、1日10分の練習で、1ヶ月で900字の文章が暗唱できるようになる方法です。これは、暗唱の手引というページに書いてあるやり方です。

 この暗唱の練習は、できればお父さんやお母さんも試しに毎日10分、1ヶ月やってくださるとよいと思います。しかし、大人は、すぐに覚えようとしてしまうために、かえって虚心坦懐に音読を繰り返すことができないという傾向があります。これは、中学生や高校生も同じで、何度か音読を繰り返して覚えられそうになると、すぐに直接覚えようとしてしまうのです。覚えるのではなく、音読を続けるということが大事です。

 親が暗唱の仕方というものになじんでいないと、子供に対する暗唱の指導もどうしてもピントのはずれたものになりがちです。よくあるのが、口だけで「やりなさい」と言って、本人に任せるやり方です。これでできるのは、既に暗唱が軌道に乗っている子だけです。

 暗唱は、最初のうち、親がついて一緒にやることが大事です。しかし、これは決して親にとって負担のあるものではありません。

 例えば、朝起きたら、お母さんが食事の支度をしている間に、子供が食卓について10分間暗唱の練習をするという形です。日曜日であれば、昼食前や夕食前でも、このようなやり方でできます。親はほかのことをしているが、子供は近くで暗唱の練習をしている、というのが暗唱や音読の練習の理想の形です。

 いちばんよくないのは、子供部屋でやらせることや、親が、「時間のあるときにやっておきなさい」と口で言うだけで済ませてしまうことです。

 暗唱するための音読の仕方は、句読点で区切らずに、なるべく早口で、しかしはっきりと、どちらかと言えば棒読みで、比較的大きな声で読むことです。暗唱がすっかりできるようになったら、句読点で区切り、抑揚をつけて上手に読むこともできますが、覚えている最中は、早口で棒読みの方がいいのです。

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