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作文をなかなか書き出せない子の指導 as/86.html
森川林 2006/07/21 16:02 
 作文というものは、きわめてメンタルな勉強なので、心理的なブレーキがあるために書き出せないという子がときどきいます。

 いちばん多いのが、せっかく自分がいいと思って書いた作文を批判されて傷ついたという例です。
 小学校低中学年の子供は、長く書くことがいいことだと思っているので、先生に褒めてもらうために無理をして長く書くことがあります。
 ところが、先生がそういう子供の心理を知らずに、いい批評をしてあげるのつもりで、「長く書くよりも中心を決めて書くことが大事なのよ」などとアドバイスをすると、それから作文が書けなくなるということがあります。そういう些細なことが原因になって作文嫌いになる子がかなりいます。

 次に多いのが、書く意欲がないときに書かせようとすることです。
 例えば、学校で作文を書いて、同じ日に言葉の森の勉強でも同じ題名で作文を書くというケースでは、書く意欲がわきません。
 ときどき、休んだ分を取り戻すために一日に二つの作文を書かせようとするお母さんがいます。自分で書いてみるとわかりますが、それは書く当人にとってみれば、とても苦しいことなのです。
 言葉の森では、本人が「今日は二つ書きます」と言ってきても、「一つでいいよ」と言うようにしています。本人の最初の気持ちとしては二つ書くつもりでも、一つ書いたあとはもう書く意欲がなくなるのが普通です。

 これに似ているのが、叱りながら書かせることです。その題名が「楽しかった思い出」などという場合、子供の心は分裂します。叱られて泣きながら「楽しかった思い出」など書けるはずがありません。ここが、英語や数学の勉強と作文の勉強が違うところです。

 書く前にたくさん喋ると書けなくなるということもよくあります。書く意欲というものは、一種の圧力をかけないと出てきません。子供の書く内容を引き出そうとしていろいろなことを聞きすぎると、子供は喋って伝えたことに満足して、逆に作文が書けなくなります。内容を引き出すのもほどほどにということです。

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作文教室の授業風景をビデオキャスト授業の渚で as/85.html
森川林 2006/07/20 14:19 
 まだわずかですが、言葉の森の授業風景をフラッシュで流しています。
ビデオキャスト授業の渚

 いちばんの目的は、指導のレベルを一定に保つためです。
 言葉の森の授業は、指導の課題と項目が決まっているので、どの先生が指導してもその内容は同じです。

 しかし、先生によって易しめに説明したり、難しめに説明したりという差はどうしても出てきます。

 この授業の渚を見れば、同学年でどのぐらいの話がされているか実際の映像でわかると思います。

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作文力と読解力と音読と聴読と速度の関係 as/84.html
森川林 2006/07/19 19:40 
 読解力をつけるためには難読の復読が必要でした。
 それが形骸化しないために音読が有効でした。音読の敷居を低くするために聴読という仕組みができました。
 しかし、敷居の低い勉強は受け身の勉強になりがちでした。

 そこで出てきたのが速度です。
 読む方に関しては速読、聞く方に関しては速聴です。
 スピードを高めると、人間は自然に意識を集中させます。意識を集中させないと、速度についていけないからです。

 速読や速聴については、右脳が鍛えられるとか、大脳が活性化するとかいうことも言われています。しかし、そういう効能はさておいて、何よりも速読や速聴によって意識が勉強に集中するということがいちばんの効用です。

 速読で5000字や1万字読む人もいるようですが、それは内容を伴った読み方ではありません。小説のような本をあらすじを把握するために読むのでしたらそういう読み方も可能です。しかし、普通の説明文で内容を理解しながら読む場合は最高で2000字程度が速読の到達点になると思います。
 すると、速聴も普通の音読の2倍速から3倍速あたりまでが理解しながら聴き取る限界になると思います。

 速読や速聴は、それ自体が目的なのではありません。速く読み速く聴くことによって、読むことに集中することが目的です。
 真の目的は難読の復読で、そのための手段として音読と聴読があり、その音読と聴読の手段として速読と速聴ががあるという関係です。

 読解マラソンでは、今後速読と速聴を組み合わせた指導をしていく予定です。

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