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作文力の時代—書く人と読む人の逆転 as/88.html
森川林 2006/07/23 10:16 

 文章を書く人の方が読む人よりも相対的に増えつつある。これが現代の特徴です。
 これは、文章の読み手と書き手の関係にとどまるものではありません。あらゆる商品がやがてこういう運命になりつつあるのです。
 労働についても同じです。
 「売る」立場と「買う」立場とどちらが楽しいでしょうか。
 文化祭や地域のお祭りを見るとわかるように、売る立場の人は買う立場の人よりもずっと大変な仕事をしているのに生き生きとしています。「まったくこんなことやっていられないよ」などと言いながらうれしそうに焼き鳥などを売っています。(おまえのことだろ^^;)買う立場の人はのんびりとお金を出して買うだけですから楽なはずなのに、売る人ほど生き生きとはしていません。
 ソフトなども同じです。便利なソフトを使う人よりも、そのソフトを苦労して作る人の方が生き生きとしています。作る人は見返りがほとんどなくても平気で朝から晩まで仕事をします。使うよりも作る方が楽しいからです。しかし、給料をもらって「作らされる」人は過労で倒れます。「作る」と「作らされる」ではプラスとマイナスぐらいの違いがあるからです。
 起業が一種のブームになっていますが、これは決して一過性のものではありません。時代的な流れとして、自分で仕事をしたいという人が増えているのです。

 教育は時代を反映します。
 読む人が大多数である時代に必要な力は読解力でした。しかし、書く人が読む人よりも増えつつある時代に必要な力は作文力です。
 ところが、作文力を評価する本格的な方法はまだありません。森リンぐらいです。(ここに来た(笑))

 ほかの教科でも事情は同じです。今の学校の授業は、自分で起業したい人を育てる内容ではありません。従順で有能な労働者を育てるためのカリキュラムになっています。もちろんそれが悪いわけではありませんが、人間の本来の教育に対する要求と微妙にずれた内容となっています。この教育もやがて大きく変わっていくでしょう。

 次回は、森リンの今後について

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文章の四つの要素 as/87.html
森川林 2006/07/22 06:37 

 それは、「ためになる」「わかりやすい」「おもしろい」「個性的」です。

 どうしてこういう四つの分類になるかというと、文章に対する需要と供給の相対的な関係で四通りの組み合わせがあるからです。

   ┃読み手   ┃読み手  ┃
   ┃多い    ┃少ない  ┃
━━━╋━━━━━━╋━━━━━╋
書き手┃(3)   ┃(4)  ┃
多い ┃おもしろい ┃個性的  ┃
━━━╋━━━━━━╋━━━━━╋
書き手┃(2)   ┃(1)  ┃
少ない┃わかりやすい┃ためになる┃
━━━╋━━━━━━╋━━━━━╋

 (1)昔は、読み手も少なく書き手も少ない状態でした。そういう時代に文章に求められる要素は、その文章が何かの「ためになる」ということでした。
 (2)やがて文化が発達し、読み手の数が増えてきます。そういう時代に文章に求められる要素は、「ためになる」に加えて「わかりやすい」ことでした。
 (3)更に文化が発達すると、次第に書き手の数が増えてきます。書き手も数も読み手の数も多い時代に文章に求められる要素は、「おもしろい」ことです。ときには、「ためになる」という要素を上回って「おもしろい」ことが評価されるようになりました。
 (4)そして更に文化が発達すると、今度は書き手の数の方が相対的に読み手の数を上回ってくるようになります。これがブログ時代です。この時代の文章の要素は「書いている人に対する個人的な関心」です。「個性」というよりも「個人性」というようなものです。

 と、この図を私は今から20年以上も前に考え付きました。そのころはブログなどはもちろんインターネット自体もまだ存在していませんでした。しかし、社会が発展していけば次第に読み手の数よりも書き手の数の方が上回るという予感はそのころからあったのです。

 と言いつつも、私自身は古い人間なので、つい「ためになる」ことを優先して考えてしまいます。
 いくら「ためになる」つもり書いても、「わかりにくく」て「つまらなく」て「一般論」で書いてある文章は読まれません。反省しつつ。(笑)

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作文をなかなか書き出せない子の指導 as/86.html
森川林 2006/07/21 16:02 
 作文というものは、きわめてメンタルな勉強なので、心理的なブレーキがあるために書き出せないという子がときどきいます。

 いちばん多いのが、せっかく自分がいいと思って書いた作文を批判されて傷ついたという例です。
 小学校低中学年の子供は、長く書くことがいいことだと思っているので、先生に褒めてもらうために無理をして長く書くことがあります。
 ところが、先生がそういう子供の心理を知らずに、いい批評をしてあげるのつもりで、「長く書くよりも中心を決めて書くことが大事なのよ」などとアドバイスをすると、それから作文が書けなくなるということがあります。そういう些細なことが原因になって作文嫌いになる子がかなりいます。

 次に多いのが、書く意欲がないときに書かせようとすることです。
 例えば、学校で作文を書いて、同じ日に言葉の森の勉強でも同じ題名で作文を書くというケースでは、書く意欲がわきません。
 ときどき、休んだ分を取り戻すために一日に二つの作文を書かせようとするお母さんがいます。自分で書いてみるとわかりますが、それは書く当人にとってみれば、とても苦しいことなのです。
 言葉の森では、本人が「今日は二つ書きます」と言ってきても、「一つでいいよ」と言うようにしています。本人の最初の気持ちとしては二つ書くつもりでも、一つ書いたあとはもう書く意欲がなくなるのが普通です。

 これに似ているのが、叱りながら書かせることです。その題名が「楽しかった思い出」などという場合、子供の心は分裂します。叱られて泣きながら「楽しかった思い出」など書けるはずがありません。ここが、英語や数学の勉強と作文の勉強が違うところです。

 書く前にたくさん喋ると書けなくなるということもよくあります。書く意欲というものは、一種の圧力をかけないと出てきません。子供の書く内容を引き出そうとしていろいろなことを聞きすぎると、子供は喋って伝えたことに満足して、逆に作文が書けなくなります。内容を引き出すのもほどほどにということです。

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