ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 916番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
作文力の客観的な評価に森リンの活用を as/916.html
森川林 2010/05/27 19:39 



 公立中高一貫校では、ほとんどの学校が作文の入試を行っています。高校入試でも、推薦で作文の試験を行うところが増えています。大学入試では以前から小論文の入試がありましたが、最近更に推薦での作文試験が増えてきました。また、就職試験でもエントリーシートなど文章を書く機会が増えています。

 社会人になってからも、自分の書いた文章を発表する機会はますます多くなっています。仕事以外にも、ブログなどで文章を書く機会は増えています。作文力の重要度は、年々高まっていると言えます。


 作文は、自分で自分の書いた文章の評価ができないという点で独学の難しいものです。しかし、作文の勉強を進める上で最も大きな問題は、作文の評価に手間がかかることです。特に中学入試などで、大量に作文の採点をする場合、採点する側の負担はかなり大きいはずです。


 ここで提唱したいのは、森リンという自動採点ソフトの活用です。森リンで評価するには、手書きで書いた文章をテキスト化するという手間はありますが、いったんテキスト化された文章であれば客観的な採点ができます。

 人間が採点する方式では、採点するたびに、又は、採点する人によって点数がかなり動きます。人間には、文章や個々の表現に対する好みの問題があるからです。森リンは、語彙の多様性と分布をもとに文章力そのものを評価するので、何度採点しても同じ結果が出ます。


 現在の森リンは、表記のミスをチェックすることにはそれほど力を入れていません。文の長さや、段落の多さ、常体と敬体の区別などをチェックする程度です。その理由は、表記のミスは人間が見ればすぐにわかるからです。しかし、これも人間の手間を減らそうと思えば、森リンのデータベースに、生徒のよく間違えそうな表記ミスを網羅して入れておけばすみます。また、漢字力や語彙力については、作文という形をとらなくても個別に試験を行えば十分にできます。


 もう一つ、森リンは作文の内容の評価はしません。出されたテーマと書かれた内容が合っているかどうかということを機械で評価する方法が全くないわけではありませんが、内容の評価は機械が行うよりも人間が行うべきものです。

 しかし、人間が文章を全部読んでその内容が的確かどうかを考えるというのでは、やはり採点の負担が大きすぎます。そこで、提案したいのは、言葉の森で行っているような構成と表現項目を指定した作文の課題を出すことです。

 例えば、「○○というテーマで、60分以内に600-800字の作文を書きなさい。その際、一つの段落は150-200字でまとめるようにし、二番目と三番目の段落の冒頭にそれぞれ理由を書き、四番目の段落には反対意見に対する理解と名言を入れなさい。(名言は別表の名言集の中から選んでください)」というような出題の仕方です。

 こういう形で書かれた文章であれば、採点者は一応全文に目を通すとしても、重要なポイントにしぼってチェックすることができるので、採点の能率が大幅に向上します。こういう構成と項目で書くことができていれば、それだけでもう基本的な作文力は十分にあると考えることができます。


 以上は、採点する側の事情に沿っての話でしたが、作文を書く生徒の側についても、作文の勉強に森リンの活用を考えることができます。森リンの採点を使うと、自分の書いた作文がおおまかにどういうレベルにあるかを見ることができます。

 将来の作文指導、特に中高生の作文小論文指導に関しては、この森リンのような自動採点ソフトを使った形が主流になってくると思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 作文教育(134) 

記事 915番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
勉強と向上心 as/915.html
森川林 2010/05/26 20:22 



 人間には、だれにも向上心があります。人生のある時期に、「よし、これからがんばってやろう」と思う転機のようなものが必ずあります。そして、その転機は往々にしてたっぷり遊んだりさぼったりしたあとにやってきます。

 親は子供の成長を願うあまり、幼稚園や小学校の低学年のころから、子供を向上させようとしがちです。しかし、本人に向上しようという自覚のない時期に勉強をさせると、やらせすぎる弊害の方が大きくなることがあります。この時期は、遅れる心配よりも、やらせすぎる心配の方をする必要があるのです。

 低学年のころ、真面目で、勉強もよくでき、本もよく読んでいた子が、中高学年になるとだんだん勉強しなくなるというケースはよくあります。また、小学校時代しっかり勉強していて小6まで真面目だった子が、中学生になって急にさぼりだすということもよくあります。

 こういう状態になると、親はとまどいますが、これは、いったん休んで、また子供自身が納得してがんばりはじめるまで待つしかありません。子供は、小さいころの勉強のやりすぎを、途中でたっぷりさぼることによって回復しているのです。

 一生がんばり続ける子も、一生さぼり続ける子もいません。ある時期さぼって自分を回復した子は、必ずまた自分の力でがんばるようになります。

 こういうことを見るにつけても、人間は、ブロイラーのように管理できるものではないということを思わされます。

 親と子では年齢が違うので、つい親は、子供のすべてをコントロールできるように考えがちですが、それぞれの魂の成熟度は、実はそれほど変わりません。一人一人は、自分でしか解決できない課題を持ってこの人生を生きているのです。

 親のできることは、年長者としての知識を生かしながら、子供を対等の人格を持ったものとして尊重していくことです。子供が未熟なように親も未熟です。お互い未熟な者どうしが試行錯誤の中で次第によりよい人生を築いていくというのが真実の姿にいちばん近いと思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

名無し 20140821  
すいません。申し上げにくいのですが、ちょっと参考にしてもらってもよろしいでしょうか。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 小学校低学年(79) 
コメント131~140件
……前のコメント
「大学進学者の 森川林
 匿名さん、確かにそのとおりです。  そのボトムラインがゴ 8/5
記事 4808番
優しい母が減っ ゆきこ
ネコさん、大丈夫ですか。私も二人の女の子の母ですが、NHKラ 8/3
記事 979番
「大学進学者の 匿名
ただ、環境を選ぶことは学友や学校生活の質、という意味もありま 8/2
記事 4808番
優しい母が減っ ゆきこ
ネコさん、大丈夫ですか。私も二人の女の子の母ですが、NHKラ 8/1
記事 979番
優しい母が減っ 森川林
 英語なんて、もうやらなくていい時代になります。  大事な 7/23
記事 979番
優しい母が減っ ネコ
お母さんこわい勉強いやだえいごもうききたくない 7/23
記事 979番
夏休みは自習室 森川林
 不登校で学校に行っていない子も、自習室を利用するといいと思 7/11
記事 4797番
受験作文の印象 どんどこ
理解する語彙と使える語彙の違い、なるほどと思いました。 受 7/8
記事 3601番
自習記録28件 森川林
 自習記録34件、読書記録829件。  今日、見てみたら、 7/6
記事 4790番
優しい母が減っ Koya
怖いお母さんと言うか易しすぎるお母さんも何だかな…という感じ 7/5
記事 979番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習