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6月の森リンン大賞(中1-中2) as/971.html
森川林 2010/07/23 08:58 
 6月の清書をもとにした森リン大賞です。
 中学生は、作文が苦手になる時期ですが、みんな力作を書いています。代表作として表示されないものにも、優れた作品が数多くあります。 





6月の森リン大賞(中1の部97人中)

学習よりも楽習
闇の女帝

 人間はこの世に生まれた瞬間から人生が終わるまで学び続ける。物事を学ぶことができるのは、生物として優れた能力をもっているというしるしである。そして、物を学ぶということは、新しい知識を蓄えたり、新しい能力を身につけることである。人間が味わう充足感や感動の大半は物を学ぶことからうまれるのだ。私にとって学習は、かなり苦痛で悪魔のようなものである。しかし、本文では学ぶことは生物の優れた能力の証らしい。私はここを読んで生まれて初めて学習したいと思った。そして、やるなら楽しく学習しようと思い、私は楽しい学習がどのようなものかを考えてみた。

 まず、楽しい学習の長所はなんであろうか。楽しく学習するというのは、個々の好奇心と探究心を大事にし、自分で疑問に思ったことや興味を覚えたものを自分の視点で解決することだ。つまり、楽しい学習に正解などないのだ。私たちが一般にいう学習とは、鉛筆を片手に、机に何時間も座り込んで応用問題とにらめっこしている、そんな風景である。しかし、そこで得られるのは何であろうか。多分、忍耐力であろう。誰かの作った問題、ちょっと暗記すれば、ちょっと知識を応用すれば解ける問題を解くよりも、もっといい学習方法があるはずだ。例えば花のつくりを勉強するのにも、プリントで葯、柱頭、花粉管などと覚えるよりも、実際に公園にでかけピンセットで花を分解して、名称を図鑑で調べる方がよっぽど頭に残るのではないか。また、プリントで行う学習は問題を解き終えればそれで終わりだが、実際に見た場合は、「受粉の様子はどうなんだろう」「虫媒花にはどんな特徴があるのだろう」と更に疑問に思うことができ、自分で実際に栽培すればより面白さが増す。つまり、楽しく学習することによって自発的に学習ができるようになるのだ。

 また、逆に楽しくない学習はどうであろうか。プリントを延々と解き続ける。全然、頭に残らないはずだ。また強制された学習はどうであろうか。「さあ、やりなさい」と言われ、逆にやる気が落ちるのではないかと思う。でも、楽しい学習、楽習なら、自分で知識を得られるし、自分で調べる力が身に付く。私はこれからも楽習をとりいれていきたいと思う。

 しかし、受験戦争が激しい今日では、こうした楽習を見下す人がおおいのではないかと思う。確かに楽習は時間も手間もかかるし、なにより、受験はたくさんの知識を詰め込むためにいかに時間を効率よく使うかが重要になってくる。でも、学校の登下校中や散歩中に、積極的に楽習するべきだと私は思う。

 ゴールへの道は一本ではないように、学習は知識の量より質が大事になってくる。そんなとき、学習は必ずしも机に向かってやるのではなく、楽習の方法もありなのではないだろうか。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1学習よりも楽習闇の女帝87113674717989
2考えイロイロピルル85125652618093
3先入観にとらわれずさおりん84135249637792
4自分の考えあまぐり84117452627386
5学習の楽しみはるかぜ82108357819590
6自然との関係リザードン82106252788592
7学び続ける私たちなつみかん82111352596890
8自然を守るためにDarren・Shan 80727438710295
9貴重な本のかたまりカモミール80108547718892
10読解問題&清書まりあ7997043708180





6月の森リン大賞(中2の部71人中)

直感と理論
文鳥

 理屈に縛られない直感は素晴らしいと思う。偶然の発見やひらめきから得られる考えの中には偉大な発見が数多くあるからだ。発明だけではない。とある漫画家はこのような漫画を思いついたのは偶然だ、と言っているし、あのハリーポッターの作者であるJK・ローリングも話を書くのは自分ではなく、考えなくても頭に話が浮かんでくる、と言う。なるほど、確かにそうかもしれない。

 私はよく小説を書くが、自分が本当に書きたい作品を書いている時は特に考えなくても頭に話が浮かんでくる。そのような小説を書き終えて読み直すと読んでいて面白いし、字が光り輝いているように見える。そんな時、(嗚呼、この小説は良い物が書けたな)と思う。反対に、友達に書いて、と言われて書いた作品は読んでいてあまり楽しくない、というのが本音だ。故に小説を受け付ける時には必ず「テーマを決めないで!」と言うようにしている。少々身勝手なのかもしれないが、小説は自分が好きだから書いているのであって、別に人のために書いているわけではないのだ。話が、逸れた。私が小説のテーマや話が思い浮かぶのは本当に『偶然』である。授業中、犬の散歩の途中、部活の休憩時間、その他諸々。そもそものところ、暇さえあればいつのまにやら鳥のことか小説のことを考えているので必然といえば必然かもしれない。だが、その思考の中に『筋道』という言葉はないし、ましてや『論理的』などという言葉は存在しない。本当に突拍子もないものだ。いきなりUFOが地球に来てなんやかんやで地球人と仲良くなっていたり、スパイが出てきてドンパチしている。今までで一番突拍子もなかったのが電子レンジから未知空間に行く自分でも何故これを書いたのかよく意味が分からない小説だ。5年前ほど前の作品なので、今と比べれば文体もめちゃめちゃだし、描写も下手。未知空間の描写が『とにかく木が鬱蒼と茂っていてなんかよく分からない生物がウジャウジャたむろしていた』だなんて笑える。だが、本当にこんな話が書きたかったんだな、昔の私。と思えるような小説だ。画面に踊る文章は滅茶苦茶でも何故か面白い。多分、論理的にだとか筋道をしっかりと、などと考えていたらこんな作品は書けなかったのではないかな、と思う。自分が書きたいものを何も考えずに直感のままに書く。それが私のスタイルに合っていて、一番良い物が書けるような気がするのだ。

 また、論理的な思考も必要とされるのも事実である。学校のテストでも論理的思考という項目があるし、やはり社会では論理的な思考が要求されている場面がある。会議や討論といった自分の意見を述べる場面では自分の感情だけではどうにもならない。それを証明する明確なデータを提示し、説得力のある意見を言わなければならないのだ。それには論理的な意見が必要不可欠とされ、自分だけの感情的な意見よりも説得力があるのは明らかだろう。また、その理論が間違っていても理論的であれば正しいような感じがするのも悲しいことにそうだ。ただ、間違っている、間違っていないは本人の価値観の部分もあるので一概には言えないのかもしれない。ただ、理論的な思考が少なくとも日本の社会で求められているのは確かなのである。また、理論的であれば自分を冷静に保つことが出来る。例えば家事が起きた時だ。感情的になってしまうと

「えええええ?!ちょっ・・火事―――っ!!どうすんのー!!お兄さん困るよ?!」

みたいな感じになるのは必至だろう。だが、理論的であればすぐに

「煙臭い。火事の可能性がある。早く外に出よう」

という冷静な判断が可能であり頭がそれほど混乱状態に陥っていないため、自分の中にも余裕が出来る。すると、周りがよく見えるようになる。どちらかというと良いこと尽くしである。私の父はよく、『ゆっくり落ち着いて』というがこのことなのかもしれない。焦った時は敢えて冷静になってゆっくり考えろということだ。理論的であることは自分にとってメリットが多い。

 人間だけでなく、この世界は、生物は偶然や直感といったもので動いており、それを否定することは出来ないだろう。ここまで次はこうなるからこうしようと考えて行動する生物は人類ぐらいかもしれないし、それが良い方にも悪い方にも作用している。理論的に考え、直感で動くというバランスが大切なのだと思う。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1直感と理論文鳥88178564727589
2フィクションとノンフィクションたけたけ87141659707392
3これからのためにhikari86107063769592
4直感から筋道の通った考えなまず大使86149863657089
5豚の貯金箱こゆき85138159657587
6創作で彩る事実や真相きとみ85113653627592
7身近なところから興味がわく201系83141354779284
8方法と内容チョコ83100458697393
9温故知新ひよこ8297556617590
10ノンフィクションとフィクションゆうたん8299251747290


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森リン(103) 子供たちの作文(59) 

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「子の読書量、親に比例」という調査の例外の中に読書の鍵 as/970.html
森川林 2010/07/22 08:55 

 △図は日本経済新聞より

 7月20日の日本経済新聞に、「子の読書量、親に比例」という厚生労働省の調査が載っていました。

 こういう傾向があるだろうことは、これまでだれもが漠然と感じていたと思います。それが3万6千件のデータの裏づけで明らかになったということです。

 しかし、これだけでは、この調査の結果を現実に生かすことはできません。「子供に本を読ませるためには、親がまず読め」と言うに等しいからです。

 親が読まないのは、そういう読まない状態で生活がこれまで滞りなく運営されていたからであって、その生活をすぐに変えるわけにはいきません。

 「年収と成績」の調査についても同様です。年収と成績が比例していると言われて納得しても、それで現実が変わるわけではありません。


 ここで大事なのは、調査における例外です。親の年収が低くても成績がいい子がいるように、親の年収が高くても成績の悪い子はいます。同じように、親が本を読むのに、子供が読まないケースと、親が本を読まないのに、子供が本を読むケースという例外があるはずです。この例外の中にこそ、現実を変える鍵があります。

 実際、昔の父親や母親(今の親の親の世代)は、忙しくて本を読む時間などあまりありませんでした。しかし、それらの家庭でも、多くの子供は本を読むようになりました。それは、なぜかというと、夕方の食事の時間のあと、ラジオ、雑談、宿題などの時間が過ぎると、子供にとっては本を読むぐらいしか時間の過ごし方がなかったからです。

 ところが、今では、テレビ、ビデオ、ゲーム、ケータイ、インターネットなど、家庭の中に時間つぶしの娯楽がふんだんにあります。本を読まない親は、その読まないことが問題なのではなく、読まない時間にテレビを茶の間で見ているということが問題なのです。親が惰性でテレビを見ている中で、子供が読書をするというのはほぼ不可能です。

 この対策は、テレビを見ないことです。見るとしても、茶の間ではなく、個人用のテレビをイヤホンなどで親が自分だけで見るようにすることです。又は、テレビよりもインターネットを利用するということになるかもしれません。

 テレビ以外に読書の時間を奪うもう一つのものは、子供のゲームです。ですから、ゲームの制限も重要です。これは、ある時間が来たら強制的に片付けるか、読書を1時間したらゲームを15分などというように、読書とゲームをセットにすることです。いずれにしても大事なことは、親の断固とした決定と実行です。

 問題は、読書をするかしないかということにあるのではなく、テレビやゲームの時間をいかに制限するかということにあるのです。

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