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  賞品の不具合にはご連絡を
  長文問題で、1.2週、1.3週、2.1週、2.2週に、(問)の表示が抜けていました
  森リンの点数調整。バランスを考慮しない点は可能性の点数に。
  1.4週は清書
  動物たちの会話(けんけん/すもも先生)
  取り締まるという発想
  楽しんで力がつく(はむはむ/はむら先生)
 
言葉の森新聞 2006年1月4週号 通算第920号
文責 中根克明(森川林)

賞品の不具合にはご連絡を
 言葉の森の「賞品の山」で送られた賞品に不具合がありましたらご連絡ください。交換の賞品をお送りします。
(例:ボールペンのインクがすぐ出なくなったなど)
長文問題で、1.2週、1.3週、2.1週、2.2週に、(問)の表示が抜けていました
 今学期から、授業の始まる前に長文問題を出すようにしました。
 長文問題のある週は、課題集に(問)の表示がされています。
 しかし、1.2週、1.3週、2.1週、2.2週は、(問)の表示が抜けていましたので、書き加えておいてくださるようお願いします。
 長文問題の正解数は、作文用紙に書いておいてください。
森リンの点数調整。バランスを考慮しない点は可能性の点数に。
 1月15〜22日に、森リンの点数を修正しました。その内容は、次のとおりです。
(1)常体の「である」が強力語彙に含まれていることに対応して、敬体の「です」も強力語彙に含むようにしましたた。
 この結果、主に低中学年の敬体の作文の強力語彙点が上がりました。
(2)「東京特許許可局」など、名詞が続く語は、ひとまとまりの素材語彙とみなすようにしましたた。
 この結果、漢字が続く作文の素材語彙点がやや低くなりました。
(3)字数・強力語彙・重量語彙・素材語彙の間のバランスによる減点は、これまで−1点という形だけの減点でしたが、最大−10点までの減点にしました。
 この結果、漢字が多く使われていて重量語彙が高いが、それに比べて強力語彙や素材語彙の点数が低い作文の総合点が低くなりました。
 ただし、バランスによる減点をしていない点数は、可能性の点数として表示されています。
1.4週は清書
 毎月第4週は清書です。担当の先生の説明を参考にして、返却された作文の中から自分でいちばんよいと思うものを選び、作文用紙に清書してください。(一度清書したものは、清書しないように注意してください。また、ほかの人の作文を写して清書にすることのないようにしてください)

 清書は、次の月の4週の「山のたより」に掲載されます。
 清書の意義は、次のとおりです。
(1)これまでに書いた作品をよりよいものに仕上げること(小学生の場合は字数を増やす、表現を更に工夫するなど、中学生以上の場合は字数を短くまとめるなど)
(2)他の生徒の清書を読む機会を持つこと(自分の清書を他の生徒に読んでもらう機会を持つこと)
(3)新聞社に投稿する機会を作ること
 このほかに、(4)パソコンで入力する練習をする、(5)他の生徒の前月の清書に対して感想を書く、などに取り組むこともできます。
【注意事項】
◎清書は、黒いペンで書いてください。
(鉛筆だと薄すぎたり、濃すぎたりして、うまく読み取れない場合があります)
◎左上に、バーコードシールをはってください。
◎バーコードシールは、その月のものを、ページ順に、まっすぐにはってください。
◎絵や感想だけの用紙にも、バーコードシールをはってください。
◎1枚の用紙の裏表を同時に使わないでください。
◎独自の用紙を使う場合は、作文用紙と同じサイズにコピーを取り直してください。
(バーコードシールのないものや間違ってはられているものは、印刷日程の関係で翌々月のプリントになりますのでご了承ください)

 新しく教室に入ったばかりの人は、返却されている作文がない場合もあります。また、返却されている作文の中に清書するものがない場合もあります。そのときは、自由な題名で作文を書いて送ってください。
 清書は、2〜5人のグループ(広場のグループ)ごとにプリントして、翌月の4週に、「山のたより」と一緒にお渡しします。この清書は、インターネットの山のたよりでも見ることができます。
 用紙の空いているところには、絵などを書いて楽しい清書にしてください。色はプリントには出ません。
 感想文を清書する場合は、最初の「三文抜き書き」や「要約」はカットするか、簡単な説明に変えておく方が作品としてまとまりがよくなります。
 中学生以上の人が清書を新聞社に送る際の字数の目安は、500字程度です。長すぎる場合は、新聞社の方でカットされて掲載されることがあります。字数を縮めるときは、いろいろなところを少しずつ縮めるのではなく、段落単位でまとめて削るようにしていきましょう。第一段落の要約と第三段落の社会実例は削除し、名言や書き出しの結びなどの表現の工夫も削除し、第二段落の体験実例と第四段落の意見だけでまとめるようにするといいと思います。
 清書は、ホームページから送ることもできます。作文をホームページから送るときと同じように送ってください。

 よく書けた清書は、自分で新聞などに投稿してください。二重投稿になる可能性があるので、教室の方からの投稿はしません。(港南台の通学生徒の場合は、教室から投稿します)
 手書きで清書を書いている人は、その清書をコピーして、原本を投稿用に、コピーを提出用にしてください。
 パソコンで清書を送信している人は、その清書をワードなどにコピーして投稿用にしてください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(ペンネームで書いている場合は本名に訂正しておいてください)
(2)学年
(3)自宅の住所
(4)自宅の電話番号
(5)学校名とふりがな
(6)学校所在地(町村名までで可)
●朝日小学生新聞の住所
104−8433 東京都中央区築地3−5−4 朝日小学生新聞 「ぼくとわたしの作品」係 御中
●毎日小学生新聞の住所
100−8051 東京都千代田区一ツ橋1−1 毎日小学生新聞 さくひん係 御中
動物たちの会話(けんけん/すもも先生)
 夜きらきら輝く道を急ぎながら、今月の新聞ではどんなお話をしようかと考えていたら、むこうからいのししの親子がやってきました。私は犬の散歩中でしたから、実はとてもあわてたのです。犬といのししは相性が悪いと言われていますし、つい先月もいのししに大きな犬が角でつかれて死んでしまったのです。それに、いのししのお母さんはこどもをつれていると、とても攻撃的だとも聞いていました。私は二匹の犬を連れていたので、一匹をなんとか抱えて、大きい方をひっぱって引き返すことにしました。

 ところが後ろからもいのししがやってきたのです。一本道でいのししにはさまれ、横に逃げるところもありません。どうしようとどきどきしました。自分の腕に鳥肌がっているのがわかりました。そのとき後ろの一匹狼ならぬ、一頭いのししが「ぶほっ、ぶほっ」と声を出したのです。大きい方の犬は超マイペースなので、いのししが現れようと、ほかの犬がやってこようと、われ関せずとばかりに知らん顔なのですが、そのときだけはふと顔をあげて、めったにほえたりしないのに小さく「わん」といいました。まるでいのししの声にこたえているようでした。小さいほうの犬も私の腕の中で暴れていたのですが、とびおりて「くうーん」と鳴きました。

 一体彼らの中でどんな会話があったのか、知る由もありませんが、その後大きな方の犬が珍しく私をぐいぐい引っ張るのです。引っ張られるままについていくと、いのししたちは道をあけてくれるかのように動きだしました。私はとても不思議な気分になりながら帰ってきたのです。

 いるかやさるが会話をしているらしいとは言われていますが、動物たちには相互に通じるなにか信号のようなものがあるのかもしれません。ゴミ置き場をあさったり、スーパーの袋を持っている人をおそったりと、凶暴な面ばかりが強調されているいのししですが、動物の本来のすがたもしっかり見なくてはいけないんだと感じた夜でした。
取り締まるという発想
 12月の終わりごろ、いつも教室に子供を迎えに来るお母さんから電話が入りました。
「ちょっとトラブルがあって、迎えに行くのが遅れます」
 それから、いつもの時間より30分ほど遅れてお母さんが到着しました。
 事情を聞くと、一旦停止違反で警察に呼び止められて反則切符を切られたそうです。警察は、一旦停止の場所で、隠れて見張っていたのだそうです。
 警察は、本来悪い人をつかまえるのが仕事です。それが、何もしていない一般市民を取り締まることを仕事だと勘違いしているのです。
 一旦停止とは、本来「ここはいったん停止するぐらいにスピードを落とした方が安全ですよ」という標識のはずです。(そうか?)速度制限も同じです。高速道路80キロメートルというのは、「それぐらいのスピードを目安に走る方が安全ですよ」という標識です。高速道路の出口は30キロになっていますが、80キロで走ってきた車が出口に入った途端に30キロに減速したらほとんど急ブレーキですから、事故続出のはずです。それがそうならないのは、みんな自分で判断して、その速度標識をただの目安として走っているからです。シートベルトやオートバイのヘルメットなどは、もっとそうです。そんなものをつけるのもつけないのも、本人の勝手です。警察が取り締まることではありません。
 先日、言葉の森の近所の高島屋の交差点で、覆面パトカーが3台止まり、中から警官が5人出てきました。交差点を曲がってくる車のシートベルト着用を取り締まるのです。警官のうち何人かは顔を覆うような大きなマスクをしていました。私はそれを見て、数十年前の学生運動で革マル派とか中核派とかいう学生がヘルメットと覆面をしていたことを思い出しました。罪もない市民をシートベルトなどでつかまえるということに対する心のやましさがあるから、そういう顔を隠すようなマスクをしているのだと思います。私は、そのうちの一人に、「弱い者いじめをするな」と言ってやりました。そういうことを市民から言われなければ、自分たちが何をしているのかわからないのです。
 昨年の夏、私が車を運転していると、前をパトカーが走っていました。すると、向こうからヤクルトの配達のおばさんが角を曲がってきました。たまたま、そのおばさんは、ヘルメットをまっすぐ頭にかぶらず、頭の後ろの方にずらしてかぶっていました。それを目ざとく見つけたパトカーの警官が、おばさんに停車を命じて反則切符を切りました。夏の暑い日に、すぐ近くの距離まで走るので、ヘルメットをしっかりかぶっていなかったなどというのは、何の違反でもありません。そのように汗水たらして働いている人がいるからこそ、社会は成り立っているのです。どちらが反則切符を切られる立場かと言いたいところです。
 さて、話を教育や作文に当てはめてみると(つけたし。笑)、人間は権力を持つとつい取り締まるという発想をしがちになります。大人である親や先生は、子供よりも力があるので自然に、悪いことを禁止すれば物事はよくなると考えがちです。しかし、交通違反の例でもわかるように、悪いことを次々となくしていっても社会はよくなりません。それどころか、悪いことを見つけようという発想の環境を作ることによって、社会はどんどん暗くなるのです。人間には、自ずからよい方向に向かう気持ちがあります。交通違反をして事故を起こして怪我をしたいと思う人はだれもいません。みんな自分の力量に応じてどの程度までが安全かを判断して自主的に運転しています。子供のいたずらも基本は同じです。
 悪いことを取り締まるのではなく、よいことを褒めて励ますという発想で、もっと大人が率先して明るい社会を作っていくべきだと思います。
楽しんで力がつく(はむはむ/はむら先生)


 いよいよ長文音読の問題を出すという、新しい試みが開始しました。私もまだ慣れていなくて、設問に手間取ったりしていますが、これは、とてもよい案だと思います。せっかく家で長文音読の自習をがんばっていても、形のある「成果」がないと、一人学習を続けるのはむずかしいでしょう。通信教育というものが、往々にして長続きしないというのも、がんばりを示す相手が前にいないからです。言葉の森では、「毎週の講師からの電話」という方法で、「一人学習」にならないように対応し、また、清書の印刷ということで、グループを意識しできるようにしています。

                      



 今回取り入れた「長文音読の問題」というのも同じように、自習の成果を電話で講師相手に試すことができるので、「一人学習」以上に意欲を持ち続けることができると思います。もちろん、この教室ならではの個別指導にのっとって、音読が好きな人きらいな人、得意な人、時間的に無理な人、など、それぞれの立場にそって楽しみながらやっていきたいと思っています。ですからどうぞみんなも、音読や速読について、自分の目標や好み、弱点克服など、色々と注文を出してください。



 また、言葉の森で導入されているパソコンを使っての客観的な分析力も大変優れています。最近は、学校の入学試験や企業の入社試験でもどんどん話題になっていて、これからますます盛んになってくるであろう分野です。個別指導の弱点でもある「講師の主観による評価の差」を補うためにも、ぜひ、清書の週だけでもご家庭のご協力を得てパソコン入力してみてください。誰も気づかなかった(?)自分の文章のくせや改善すべき点が、驚くほど明確に示されます。私も本当に「目からウロコ」状態でした。ぜひお試し下さい。びっくりしますよ。

                        




 パソコンでの速読練習もとても楽しいです。速読は学年が上がるにつれ、そして、社会で働くようになると、もう絶対不可欠の能力です。「早く読まないと字がどんどん消えていく」という「課題の岩」の中の「磯」。昨今こんなに楽しいゲームはないです。速読で自分の速読タイムを計ったら、次は「貝」でどれだけ内容を頭に残しているかチェックしてくださいね。・・・この辺りは、お家の方も楽しめます。

                
 
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