前回の学級通信では、飼っていたスズムシのお話をしました。成虫はオスメスともにその役割を終えて死んでしまいましたが、卵はちゃんと確認できます。この卵が無事かえるかは来年までのお楽しみ。見守っていきたいと思います。
「みまもる」という動詞は、私のお気に入りの言葉のひとつです。ま、み、も、とマ行の音から主に構成されていて、声にだして言ってみると、やわらかくて丸みのある、やさしいひびきがするでしょう?
現代では「じっと見つめる」とか、「見て番をする」ことを「見守る」といいますが、昔の言葉、古語では、「まもる」といっていました。「見(み)」がないのです。古語「まもる」の「ま」は「目」を意味します。まつげ、まなじり、まぶた、まなこ・・・ね、現在の言葉でも目に関係することばには「ま(目)」が使われているでしょう?「もる」は「守る」の意。古語の「まもる」は「目」+「守る」の意味が入っていたのです。目で守る、ということですね。そうなると現代語の「見守る」は、「見る」+「目」+「守る」の三つの要素から構成される言葉といえます。見る目、目で見るという意味が「見守る」の中に深く入っていることが分かりますね。
アゲハやスズムシのことを学級通信に書くために、いつでも虫を見られるよう、飼育ケースをすぐ隣においておきました。虫の動きがおもしろくて、つい見とれてしまって書く手が止まることももちろんありましたが、見つめながらこれまでの生き物の成長の過程を思い出したり、現在の様子をどうやって文字で伝えるかをうんうんと考えていました。
先生はこの経験を通して「書くこと」と「見ること」は切り離せない行為であることが分かりました。書くためにはまず見ることが必要です。しかもただ「見る」だけでなく「じっと見る」ことが大切だなと思いました。物事をじっと見つめる根気、見守っていく忍耐力があれば、分かってくることがたくさんあるのですね。そしてたくさん分かるととても楽しい!
書きたい題材(書かなければならない題材)が決まったら、そのことをつぶさに見つめて、過去も見つめて克明に思い出してみましょう。作文には眼力(メヂカラ)!覚えておいてくださいね。
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枝 6 / 節 8 / ID 8617 作者コード:souyo
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