タブレットを使った教育の特徴は、ビジュアルでわかりやすいことです。
しかし、このわかりやすさが問題です。いろいろなことがわかりやすく映像で説明されるので、わかった気になるのです。
わかることは使えることではありません。結論のような外側がわかるだけで、わかったことでおしまいです。
だから、知識を再現するテストには間に合いますが、そこから自分で何かを作り出すということができません。
作り出すためには、不自由な言葉を使わなければなりません。
ビジュアルは、生まれつき誰でも何の練習をしなくてもわかりますが、言葉は読み書きの練習をして初めて使えるようになります。
大人は、読み書きに慣れているので、言葉による理解も、映像による理解もそれほど差を感じません。
だから、わかりやすい映像の方がよいと思ってしまうのです。
しかし、読み書きの力をつける途上にある子供には、映像による理解より先に言葉による理解をさせる必要があります。
不自由な言葉を自分なりに映像化して理解するのが本当の理解です。
最初からわかりやすい映像で理解させてしまうのは、小骨を取った魚を食べさせているようなものです。
もちろん、子供の勉強には、不必要な難しいことをする必要はありません。
しかし、言葉を使えるようになることは、人間らしい生活を送る第一歩です。
だから、読み聞かせや読書で言葉に慣れることがまず第一に重要な教育で、ビジュアルな理解はそのあとにするものなのです。
何事も始めるのに遅すぎるということはありません。
読み書きが苦手だったら、まず今日から、読書か読み聞かせを短い時間でいいので毎日することです。
そして、テレビとゲームとインターネットは捨てなくてもいいので、決めた時間以外は取り出しにくいところにしまっておくことです。
これを半年間続ければ、誰でも大きく変わってきます。
233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9
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コメント欄
読み書きが極端に苦手な小学生が増えているような気がします。
読書の大切さということが言われるようになったので、小学生全体の読書量は増えています。
しかし、読書は基本的に家庭に任されているものなので、中に全く読書をせずにビジュアルなものだけに囲まれて暮らしている子もいます。
読み書きの力は、学校でつけるものではありません。
家庭でつけた読み書きの力を前提にして、学校で勉強を教えているのです。
しかし、何事も始めるのに遅すぎることはありません。
子供が読み書きが苦手だと思ったら、今日から毎日10ページの読書を始めればいいのです。
これからお母さんになる方、また、今子育て中の方は、危機感を持ってほしいと思います。
17年近く講師をやっていますが、以前に比べると読み書きの不自由な生徒が増えているような気がします。
海外で受ける日本の通信教育も、だいぶ映像化・タブレット式が増えてきました。とっつきやすいけれど、記憶に残らない勉強になりがちなこと、そして、それに気づかないで勉強した気になって満足してしまうことが、大きな落とし穴のように感じます。
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