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暗唱力があれば、作文や国語ばかりでなく数学も英語も思いのまま(4)  2016年10月20日  No.2719
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 数学の話の次は、英語の話です。

 18ヶ国語を使えると言われたシュリーマンの独学の方法も音読暗唱でした。
 同じ文章を大声で何度も読んで暗唱できるようにしているうちに、長い文章も何度か読めば全部暗唱できるような能力が身についていたというのです。
 この暗唱力を使って、語学を身につけたのです。

 同時通訳の神様とも言われた國弘正雄氏は、只管朗読(しかんろうどく)という言葉で英語の勉強法を表していました。この考えに基づいて英語の音読暗唱を目的としたCDブックを出しています。
 今の日本の英語の教科書は会話に偏っているために、音読暗唱しても、文法的にしっかりした文章を身につけるという点で弱い面があります。
 教科書以外に、英語の説明文を暗唱する機会を作れば、その生徒の英語の実力は確実に身につきます。

 現在、経済学者であり評論家でもある野口悠紀雄さんは、中学生のとき英語の弁論大会に出たことをきっかけに、英語の教科書の音読を始めたそうです。
 中学でも高校でも、何度も英語の教科書を音読し暗唱できるぐらいまでになっていると、いつの間にか英語が得意教科になっていました。
 野口さんは、勉強法の著書の中で、英語の教科書音読の簡単さとその効果の大きさを力説しています。

 この英語の教科書の丸ごと暗唱という方法を取り入れて成果を上げている英語塾もあります。しかし、多くの場合、親も子も暗唱の効果というものに確信を持てないので、長く続けられる子は少ないようです。

 人間は、どうしても、問題集を解いて答えを書き込んで○×をつけるというような形の残る勉強の方をやりたがります。
 また、教える先生も、教える形が作りやすく、教えたことが形として残りやすい勉強の仕方で授業をします。
 音読暗唱をするだけという形の残らない勉強を何年間も続けられる生徒も先生も少ないのです。

 英語の教科書音読とは、教科書の1ページを20回から30回音読するだけです。時間で言えば10分程度でできることです。しかし、これを自主的にできる生徒はほとんどいません。
 しかし、このときに、言葉の森の暗唱検定などで長い文章を暗唱した経験のある生徒は、英語の文章の音読暗唱という勉強にすぐに取り掛かれます。

 このように、暗唱力を、他の教科に生かすということを考えれば、そこからその教科の成績はすぐに上がります。
 暗唱力のある生徒が、そういう勉強の方法に気がつけばいいだけなのです。(つづく)

233-0015 横浜市港南区日限山4-4-9言葉の森オンラインスクール 電話045-353-9061
 
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暗唱(121) 

 コメント欄

森川林 20161020 1 
 只管打坐(しかんたざ)というのは、道元の言葉です。あれこれ言わずにまず座れという方法論です。
 しかし、これよりも、考案を考えるやり方の方が方法論としてはやりやすい感じがします。
 しかし、更にもっとやりやすい方法があるとしたら、禅検定などという名前で問題を解いて答え合わせをするような方法です。
 今の日本の教育は、この問題と答えという勉強法に偏りすぎている気がします。


nane 20161020 1 
 理解の勉強に慣れている人は、内容が合っていれば一文字ぐらい違っていてもいいだろうと考えがちです。
 そういう内容把握の勉強ももちろんあります。ほとんどの勉強はそういう形で間に合います。
 しかし、暗唱は違ういます。一文字も間違えないように、しかもスピードを上げて暗唱できなければ暗唱ができたとは言いません。こういう勉強法によって初めて身につく能力もあるのです。


touko 20161026 77 
高校時代、英語の副読本を担当した先生にあこがれていた時期がありました。
学校の行き帰り(先生を想いながら(笑))、その副読本ばかり読んでいたら、英語だけ学年トップになった、という輝かしい思い出があります(笑)
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