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独自性を育成する教育
アジサイ の広場
○○○○ あう 大2
 かつての日本におけるビジネスの目的は、会社を大きくすることであり、常
に成長を続けるという一つの均衡社会での哲学であった。こうして、小学生の
ころから塾へ行き一流進学校、一流大学を経て一流大学へ行くことが日本人と
しての幸せとなった。しかし1997年においては、小規模にもかかわらず大きな
利益を出している会社も存在する。このような会社はその会社の独自能力を発
揮することによって競争下において生き残っている。
 
 先日、テレビで河井継之助という人物を採り上げていた。彼は教科書に載る
ような有名な人物ではないが、幕末において莫大な赤字に悩まされていた小藩
の長岡藩の財政改革を行ない、戊辰戦争においては改革の結果、充実した資本
をバックに当時の最新兵器を購入し、一時は軍事力においては圧倒的に勝って
いた官軍を敗走させた人物である。彼は結果的には戦死してしまうが、独自性
を生かすことによって大企業に対抗し得た一つの例といえるのではないだろう
か。
 
 かつて、経営戦略においても会社の企業のシェアを拡大するために今まで扱
ったことのない事業分野に進出することが頻繁に行なわれた時期があった。し
かし不況化の現在においては、自社の最も得意とする分野を手元に残し、残り
の事業は売却する傾向にある。このような独自能力を生かすことによって競争
に勝つということは教育においても当てはまるのではないだろうか。私が受験
勉強をしていたころ、どの科目も普通の成績である場合より、たとえ苦手な科
目があっても得意な科目が一つでもある方が有利であるという話を聞いたこと
がある。現在の教育においては、オールマイティにこだわりすぎているのでは
ないだろうか。あらゆる科目において秀でている人物はめったに存在しない。
そのような人物を育てるよりも一つでも秀でているものを兼ね備えさせること
が求められていると思うし、それは現在しばしば主張される「独自性」にも当て
はまることだと思う。
 
 確かに一つの能力だけを開発することが行き過ぎるといわゆる“一芸一能”
に成りかねない。バブル期において一芸一能入試が注目されたが、現在その一
芸一能入試において大学へ入学した生徒の中で授業についていけず脱落するケ
ースが増えているという。そのためある程度の基礎学力は養う必要があるだろ
うが、大企業が必ずしも勝つ時代ではなくなった状況に対応した教育が求めら
れているのではないだろうか。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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