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アジア統合に向けて
アジサイ の広場
裕子 にこ 大4
1999年、欧州中央銀行が設立されEUはついに単一通貨ユーロを発行する
にいたった。発足以来、域内の人、もの、サービスの移動を自由にした市場統
合をつくりあげ、EUは経済統合体から欧州統合体へと発展した。今確実にヨ
ーロッパは1つになりつつある。一方で、アジアには国と国の協調を図る動き
が少ないのが気になる。昨年5月、カンボジアを新たに加えた「ASEAN1
0」が実現したが、当初より2年遅れの決定。アジア統合に向けての新たな一
歩ともいうべき出来事に人々の関心はあまり高くないようにに思えた。しかし
、アメリカ人には強いアメリカ、欧州の人々にはEUがあるようにアジア人も
またアジアとしての連合を目指すべきである。経済のグローバル化の渦に巻き
込まれない為にも、アジアの人々が世界の中で存在位置を確立する為にもアジ
アにおける統合はこれから必要になってくると思う。
 
 しかし現実はなかなかアジア各国の協力が進んでいないのが現状である。そ
れどころか、ますます国と国の敷居は高くなっている気さえする。アジアには
そもそも1つであるという伝統的な意識がない。ヨーロッパにはローマ帝国の
ようにかつて一つの国であった歴史があり、人々の間にヨーロッパとして発展
してきた意識もある。アジアは、互いの国との接触が戦争であったり、侵略で
あった。そのため、第2次世界大戦後はそれぞれが自国のナショナリズムを高
める為むしろ一生懸命になって他国とのの間に線をひっぱてきた。戦後の50
年以上立つ今も私たち日本人は中国や韓国の人々に戦争責任について意見を求
められることが多い。そのたび、アジアの国々は互いの古傷を持ち出しては相
手をなじっているように思えてしまう。アジア統合の為にはそこにすむ人々が
まずアジア人として1つだという意識を持たなくてはならない。
 
□そこで、私はアジアの統合を実現する為に日本の果たす役割が重要になって
くると思う。アジアはその多くが発展途上国である。それぞれが自国の発展の
為に精一杯でなかなか他国との協調関係を図るところまで手がまわらない。そ
のため、アジアの中で突出した先進国である日本がアジアの盟主としてリーダ
ーシップを発揮していくべきだと思う。我が国は世界大戦での侵略行為など他
のアジア諸国に負い目がある。その名誉挽回の為にもアジアの発展に寄与して
過去を清算していくべきだと思う。現に日本は経済面でおおくのアジア諸国を
支えている。これからは金銭的支援だけでなく政治、教育、文化の面でも各国
の発展に積極的に関わっていくことでアジア全体を引っ張っていくべきだろう
。そうすることで各国の相互理解が深まればきっとアジア統合への動きも内実
を伴ったものになってくると思う。
 
 確かにアジアの国々がいま大切にしているナショナリズムの意識も自分の国
に誇りを持つという意味では必要である。しかし他国との対立意識に満ちただ
けのナショナリズムは何も生み出さない。アジアの人々が自分の国に閉じこも
らず周りの国を見渡せば、もっと私たちはアジア人として発展していける。先
日新聞の記事で、ある大学がアジア太平洋大学を設立し世界50カ国から学生
教授を集めアジアの人材育成を目指すというものがあった。国際社会を生きて
いく為にアジアの一員としての意識を持とうという考えは少しずつ広まってい
る。今、アジアの人々が激動する国際社会を堂々と生きていく為にアジアとい
う1つの大陸に結集するべきだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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