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自然科学の根本の問題は
イチゴ の広場
あやの あしわ
 二十世紀、自然科学とりわけ物理学等は私達の生活に多大な影響とその恩恵
をもたらした。なかでも医学の進歩は目覚ましく、西洋の医学は人間の生命を
司る重要な位置を占めるまでにその信頼性を世界中に広めた。しかし今その自
然科学の理論が人間そのものを理解する上でも通用するのか、しないのではな
いかというところで問題になっている。
 
 自然科学が主体と客体を分離して検証する方法によって大成功を修めたこと
に世界中が目をくらませ、それが唯一の方法であると思い込んでしまった。そ
して人々はてっきり人間を検証する上でもそれは当てはまると思っていた。し
かしその方法を人間に用いてもそれまでのような大成功を修めることはできな
っかった。確かに人間が人間自身を検証するのに当たって、主体と客体、「自
」と「他」を切り離さなければならないとは何だか矛盾しているように聞こえ
る。その万能だと思われた方法は人間がそれ以外の何かを知る上では有効であ
ったが、人が人を理解しようとするときには「自」「他」を切り離して分析するよ
りももっと効果的な方法が有るのではないか。第一に人は人同士が理解し合う
ためのコミュニケーションを持っているのだから。
 
 話をすることやそれに耳を傾けることも一つの人を知るための方法だ。
 
 その他、西洋とは反対的な東洋の思想を見直すのもなにか発見が有るかもし
れない。
 
 今までのような客観的な分析が全く使えないというわけでもない。心理的な
分析は客観的でなければそれこそ意味がないであろう。分析と何か新しい科学
的なアプローチの方法とを混合できれば、更に有効性を見出すこともできるか
もしれない。
 
 これからは益々人間を科学することが求められてくるだろう。なぜなら人間
とは最も身近にいて最も解明されていない非常に取り扱いにくい「どうぶつ」
だからだ。それだけ奥の深い「どうぶつ」なので物理学のような浅い分析だけ
ではその全てを知ることはできない。
 
 次の世紀、私達は私達自身を知るための新たなパラダイムを見つけ出さなけ
ればならない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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