日本のある会社が香港で |
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太一 | / | あうけ | 中2 |
日本のある会社が香港で現地の人間を採用しようと、日本語のできる人を求 |
む、と求人広告を出したという。すると瞬く間に「われこそは日本語が達者で |
ある」と、たくさんの香港人が押しかけてきた。しかしほとんどの人が、挨拶程 |
度しか日本語を話すことができなかったそうだ。この話を聞いたとき、語学が |
できるという認識が日本人とずいぶんかけ離れているではないか。もし日本人 |
だとしたら、そこそこ話せると自負している人も、少しだけと答えてしまう。 |
これが日本の謙譲の美徳である。しかし、いまや、日本の若者の中にも臆病が |
らずに「はい、話せます」と答える人が増えている。考えてみると日本には、 |
個人の秘めたる才能をできるだけ伸ばさないようにする基盤があることに気が |
ついた。 |
確かに僕も日本人はこうだと思う。僕はどうかというと、香港人のように、 |
「はい、話せます。」と答える。そう言えば少し前、こんなことがあった。 |
僕は、中学に入学する数ヶ月前から、予習を兼ねて英語の塾に通っていた。 |
そして今では、がんばって2年の内容を勉強している。そしてこの前、だいた |
い2年の内容もわかってきて、けっこう文法も習っ他と思い、少し難しい物に |
も入ってけっこうすらすらと出来るようになったころ、僕はうかれていたので |
、「自分はもう英語は半分ぐらい習得した」と思い、親に「英語って簡単だね |
。もうだいたい話せるよ。」と言ってしまった。そうしたら笑われた。そして |
このとき、自分は日本人だから完璧になってからじゃないといっちゃだめなの |
かな?と思った。しかし母は、そんなことを言いながら、時々手紙の英文を、 |
「だいたい読めるから。」といって僕に読ませ、僕に自信をつけさせていく。 |
だから今では、さらに「だいたい話せる」と思ってしまう。 |
これからは、だんだん、国際化社会になっていき、日本人も外国人と接する |
ときは、「 |
謙譲の美徳」を捨てなければさまざまな食い違いが出てくると思う。『脱皮 |
できない蛇は滅びる』という名言があるが、これからの時代の変化のためにも |
早くから「謙譲の美徳」から脱皮しなければ、これからの国際化社会で滅びる |
と思う。 |