初心を忘れずに続けるということ |
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初心を忘れずに続けるということ |
矢崎温子 |
「初心忘るべからず」という諺があるが、人間の心情というのは不思議なも |
ので、何かやろうと一度心に決めて、興奮したりしても、暫くするとその熱が |
冷めるということが往々にしてある。一度中断すると、後ろめたい気持ちにな |
り、ついには永断ということも少なくない。初心を忘れずに、何かを続けると |
いうのは本当に難しいことだ。 |
私は最近自分の生活を省みて、早起きし、マラソンをしようと決めた。早く |
起きて新聞を読み、お弁当を作って大学へ。マラソンは体力のため。一週間は |
なんとかなったが、これからも続けられる保障は全くない。どうすればこのラ |
イフスタイルを維持し、ものにすることができるか。こういうことは個人的な |
ことであり、人にも迷惑がかからないので、継続することがなかなか難しい。 |
なにか決まりを作って、やらなければならないという状況に持っていくことが |
必要なのかもしれない。 |
先日、ニユーヨークで国連女性特別総会「女性2000年会議」が開催された。 |
採択された成果文書には、女性に対する差別や暴行を取り締まる法の整備を各 |
国に求めることが盛り込まれている。しかし、この文書には拘束力がないのが |
実情で、課題も地域ごとに異なるため、世界的に改善していくことは非常に難 |
しい。けれども、法という制度を作って、そこから改善していこうとする姿勢 |
は重要である。社会的なコンセンサスだけでなく、制度によって規制を続ける |
ことは必要なことである。 |
人間は完全ではないし、非常に弱い部分を持っているので、意思の力だけで |
何かを続けることが、難しいのは事実である。その弱い部分を批判するよりも |
、人間はもともとそうしたものだと考え、そこから何ができるのか、考えてい |
くことが重要である。そのためには人間の意思、やり抜こうとする精神力を支 |
える制度や決まりが必要になるだろう。 |
マラソンを続けるための何かいい案はないだろうか、、。 |