| 自然美の大切さ |
| アジサイ | の | 道 | の広場 |
| 眠雨 | / | うき | 高1 |
| 最近の流行は、どうも人工の色が強いように感じる。人工物には人工物なり |
| の良さがあるが、自然の与える風景にも、人工物にはない良さがまたある。我 |
| 々は、もっと自然の持つ美性を見直すべきだ。 |
| よく言われることとは違い、自然美は人工美よりも壮大ではない。同様に、 |
| 人工美も自然美を上回るわけではない。花がはたりと散るその一瞬の情景を、 |
| どんな言葉も表せはしない。また、音楽に詞を乗せて感情を動かす現代のバン |
| ドを、自然は表現できない。両者は別種であり、対等なのだ。 |
| さて自然美を見直すといっても、一朝一夕にできるものでもない。そこで、 |
| 躾の改善があげられる。現代、親が子供に与える様々な娯楽は、屋内で楽しむ |
| ものが多いため、偏った人間が育ちやすい。自然を愛でる体験を幼いころより |
| 味わわねば、自然の美を楽しむことは難しい。それは心の貧しさを招き、また |
| 自己表現の乏しさを招く。 |
| 確かに人工美には新しい芸術を次々に生み出す拡張性、成長性がある。しか |
| し、人工美だけの美として完結することは望ましくない。ただでさえ人工物に |
| 溢れている現代、我々はもう少し、自然の持つ美しさへ目を向け直すべきなの |
| だ。 |