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科学は超常現象を受け入れるべきか アジサイ の広場
○○○○ あう

 人はなぜ涙を流すのか。涙が出るときには、悲しい場合と目にゴミが入った場合がある。後者の場合は目の中に入ったゴミを外へ出すように体が作用して
、その結果涙が出る。一方、悲しいという人間の心の作用が、どのように体に作用して涙を出すのか、このことは生理学的に説明はまだされていない。科学 が発展した今日でさえも、科学では説明のつかないことは少なくないとしばしば言われることである。この「悲しいときに涙を流す」というのは、その現象の 一つといえる。  

 このように、科学の域を超えた現象を、最初から非難するのではなく、科学の領域において受け入れようとする動きがある。飯田史彦氏は彼の著書「生きが
いの創造」の中で、「前世」や「魂」といった科学の領域で取り上げることは通常考えにくいことを、臨床医学によって研究し、その研究によって得られた成果を 紹介している。この飯田氏の著書は、科学の領域でいわゆる「超常現象」を受け入れる動きを裏付けているといえる。  

 しかし、その一方で、科学では説明のつかないことを過大評価することは問題である。このような現象をことさらに強調し、政治権力を握った人は少なく
ない。また現代いわゆる「カルト集団」と言われる集団が引き起している社会問題の背後にも、科学で説明できない現象に対する過大評価があると思う。科学 で説明できないことを受け入れることには、以上述べてきたような問題を産む可能性が伴うことを考慮に入れるべきである。  

 確かに、かつて迷信などによって人々に恐れられていた現象を、科学は今まで覆してきた。また、その科学により、現在の文明による恩恵を享受している
ことは言うまでもない。しかし、一方で「悲しい時の涙」のような現象も少なくないことは確かであり、社会問題に発展していることを考えると無視できない 存在になっているといえる。従って、このような二つの動きを科学がどのように扱うかが将来大きな問題となるだろう。  

 
                                                 
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