先頭ページ
前ページ
次ページ
最終ページ
|
宝の共有 |
|
アジサイ |
の |
峰 |
の広場
|
|
眠雨 |
/ |
うき |
高2 |
時代は大きな激動の最中にあり、刻一刻とテクノロジーは進歩していく。中でも特に発展が顕著であり、故に問題も多く孕んでいるのが、コンピュータ技 |
術である。複雑な処理をこなす機械はその操作方法も複雑化・専門化し、コンピュータに初めて対面する人を尻込みさせる。そうした人たちにこそ、コンピ |
ュータを普及させていかねばならないのに、一部のスキル集団で盛り上がる内輪芸のようになってしまっている面があることが、今日の社会問題と言えよう |
。 |
|
しかし、なぜこうした体制ができてきてしまったのだろうか。あげられるのはまず、発展していく社会の中で産まれた多くの工業問題が記憶に新しいとい |
うことだ。原子力発電所の事故などは被害がわかりやすいものの一つだが、そうした発展途上の技術を扱う中ではしくじった一手が致命的なミスへつながる |
ことがあまりに多かった。それが盲目的な機械への、ひいては足の速い文明社会全体への不安感となっているのではないだろうか。私の母などもパソコンを |
始めたころは、スクリーンセーバーが起動するたびに逐一壊れてしまったのかと確認し、ハードディスクへ書き込みが行われるたびに何かおかしくなったの |
ではないかと不安がったものだ。 |
|
第二にあげられるのは、コンピュータの簡単さと面白さだろう。意外に思えるかもしれないが、先入観さえ取り除ければ、コンピュータの扱いは非常に簡 |
単である。多くの人から尊敬のまなざしで見られるブラインドタッチも、キーボードに毎日触っていれば一月を待たずに習得できる。そしてコンピュータの |
進歩の中核とも言えるプログラミングは、なかなか抜け出せない快感があるという。しかもそれを職業として食べていけるとなれば、コンピュータが異常な |
速度で発展していくのも当然といえるのかもしれない。果てしなく創造的なこの作業は、ある種の芸術性さえもつ。近未来を舞台にした娯楽小説などではプ |
ログラマーは電子の魔術師と表現されることがあるが、空間へ文字の配列で無限の可能性を生み出すその作業は、取り憑かれるほどに魅力的なのだろう。そ |
んな理由で、なんとか慣れようとしている「初心者」と、先入観のとれた「技術者」の間の距離はどんどん開いていくのだ。 |
|
上記ふたつの原因を踏まえて、これから必要になってくるのは、技術の先駆者たちが自分の楽しみだけに目を奪われず、初心者にも使いやすい・扱いやす |
い、より普及するコンピュータのかたちを研究していくことだろう。記号と数列で構成されていたコンピュータの扱いを、アイコンを利用したより視覚的に |
わかりやすいかたちに変えたGUIは画期的な発明だった。向かう崖は険しく、頂点は雲よりも高い。しかしその険しい崖も、登りだせばあちこちに張り出した |
突起がある。崖の前でためらっている人々を既に高く上った人々が導くのが、これからのコンピュータ産業の課題になってくるだろう。 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ホームページ