| 鳩や烏の害 | 
| イチゴ | の | 道 | の広場 | 
| くみこ | / | さく | 高1 | 
| 鳩や烏の害 | 
| □ 磯野 久美子 | 
| 鳩や烏は最も人間に近い場所で暮らしている鳥と言えよう。鳩は烏を逃れて | 
| 烏の嫌う人間の多い駅などに集まるし、烏は直接人間に近づくことはないもの | 
| の、人間の捨てたゴミをあさって食べ物などを得ている。しかしそのことによ | 
| って人間が受ける被害も少なくはない。かといって鳩や烏をすべて殺してしま | 
| うわけにもいかない。それではどのようにこのような生き物とつきあっていけ | 
| ばよいのか。方法は二つある。 | 
| 一つめはそのようないきものの集まる場所を減らすということだ。鳩による | 
| 被害の主なものはやはり駅での羽の飛び散りや、糞による被害だろう。また烏 | 
| による被害はゴミ収集所でのゴミあさりである。しかしこれは我々がわざわざ | 
| 鳩や烏にこのような行為をさせているようなもので、これに憤慨して怒っては | 
| 、鳩や烏にも全く迷惑な話である。烏がゴミをあさらないように、今ではゴミ | 
| にネットをかけているところも多いし、駅でも鳩の怖がるような物を置いてお | 
| けば、糞がたまって私達が怒ることもなくなるわけである。つまり、問題の元 | 
| を穏やかな形でそらせばいいわけである。 | 
| 二つめはおおもとの原因を考えてみることである。生き物による被害の場合 | 
| 、人間の身勝手な行動によるものが多い。鳩にしろ烏にしろ他の動物にしろ、 | 
| 元は野生でそれぞれに都合のよい場所で暮らしていたわけであり、大昔人間が | 
| まだ原始人であった頃はこのような問題はなかったはずなのである。人間が土 | 
| 地開発や森林伐採などでどんどん自然を切り取り、野生動物のすみかをなくし | 
| てしまったのだ。その結果動物達は人間の多いと都会で暮らさざるを得なくな | 
| り、そこで衝突が起こることとなった。私達にも非があることを考えなければ | 
| ならないのだ。 私達人間がいい意味でも悪い意味でも最も自然界に影響を及 | 
| ぼす生き物の一つであることは紛れもない事実である。そのことを常に頭に置 | 
| いていないとそのうち大変な事が怒るかも知れない。弱肉強食であることは自 | 
| 然の摂理であり、当然のことであるが、そのほかの面でも人間が他の動物を思 | 
| いどおりにしてよいと思ったら大間違いなのだ。「私達の幸福が他の人々の不 | 
| 幸によって支えられているのであってはならない」という言葉もあるように、 | 
| 人間だけがどんどん繁栄していけばいいのではなく、すべての動物をひっくる | 
| めた地球という一つの生命体としての幸福を考えて行動する使命が私達にある | 
| のではないだろうか。 |