生き物のように焔をあげる。 |
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達樹 | / | らつ | 中3 |
生き物のように焔をあげ、やがて燃えつきて灰になっていくかつての火の姿 |
は、最近では次第に忘れられている。家庭の中には、電気釜や電子レンジが現 |
れ、生活が便利になっている。神と悪魔を兼ねそなえたような火を自由自在に |
使えるように制御可能なものにするために、人類は火と格闘し、燃焼を制御す |
るさまざまな知恵を発明してきた。だが、火の機能の代替物は、正体のはっき |
りしないブラックボックスとして生活に侵入している。また今の『火』は、し |
もべであると同時にいつどこで暴走するかもしれないものなのだ。 |
電子レンジは、冷めた食べ物を短時間で温めることが出来るので便利だが、 |
長い時間電子レンジで温めていると食べ物が爆発してしまう。これをやってし |
まうと後処理が大変なのでやらないほうが良い。これは火がブラックボックス |
化してしまったために人間の実感から離れてしまったから起きたのでしょう。 |
『魔女の宅急便』という映画があったが、この映画の途中でばあちゃんがグ |
ラタンみたいなものを孫に届けてあげようとしたが、電子レンジが壊れていて |
古いオーブンで焼く事になり時間がかかってしまう場面があったが、これは電 |
子レンジの寿命がブラックボックス化してしまったからだ。 |
『上天気の日に、嵐のことなど考えてみないのは、人間共通の弱点である。 |
』と言う言葉があるが、人間、電気類、火にも弱点はある。この世に存在する |
物は全て、ブラックボックスに入るのではないだろうか。 |