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視覚
アジサイの広場
たこ星人こむ中2
視覚系は、光を介して物の形を承知する。形は触ってもわかるから、視覚だけ
が形の担い手ではない。コウモリは、自分の出す超音波を利用して餌の虫を捕
らえ、障害物を避ける。そのためには相手の位置や大きさ、広がり差を「耳で
みている」はずである。
 
 ライオンがネズミの大きさに見えたところで、ライオンはライオンである。
ネズミだと考えていれば、目の前にきたときに、始めてライオンではないかと
気づく。それではライオンに食われてしまう。だから、そういう生物はいたと
しても、今はいない。つまり視覚系は、その中に絶対座標を持ち込むようには
、進化してこなかった。あえてそれをすれば、ずいぶん正確な目ができたかも
しれないが、いちいち座標を定めるために計算量が膨大になり、いきなり大き
な脳を作らなければならなかったかもしれない。
 
 例えば、今の人間が絶対座標を打ち込むように進化していたら、中根先生を
見るときに、「あっ中根先生が27m23.456cm先にいる。んっ、今日は眼鏡が約
0.2mmずれている。はっ、今日は先週より36%も髪が減っている!」などとい
ちいち考えなければならない。しかしそんな進化をしていない我々は「あっ中
根先生が遠くにいる。あいかわらず髪が薄くなってきてるなぁ。」とこんな感
じですむのだ。
 
 逆に、我々が「比例」とか「相似」を考えることができるのは、本来、視覚的に
そういう性質が存在するからであろう。相似とは、脳の一部がやっていること
を、脳のどこかの部分がよく知っている、ということかもしれないのである。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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