手作業のあったかみ |
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西洋では、機会の働きがあまりにもさかんで、手仕事の方がおとろえている |
中、日本ははるかに手仕事に恵まれている。機会では、手作業ではできないも |
のがあるとともに、機会では生まれないものがずかずかあるのだ。しかし、残 |
念なことに日本では、かえってそういう手の技が大切なものだと言う反省がい |
きわたっていない。ほうぼうでめぐり合った手仕事による品物には、個人の名 |
前がしるしていないが、近世の「美術品」と言われるものには、どんなにつま |
らない作品にも名前がしるしてある。「手仕事」の方は、品、使いやすさなど |
で勝負している。 |
僕も、岡山に行って駅などで販売している「備前焼」を見てみた。しかし、 |
職人の名前はしるしていなかった。僕は、不思議に思った。こんなに素晴らし |
い作品なのに、何故名前がしるしていないのだろう・・・?と。そして、5年 |
生で横浜美術館にいった。セザンヌ展がやっていた。セザンヌ以外の作品にも |
、名前がしるしてあった。やはり、手仕事による作品のものには名前がしるし |
てなくて、美術品には名前がしるしてあった。 |
僕も、家庭科の授業でペンケースを作ったことがある。フエルト布で作った |
、完全な手作りのペンケース。作ったものは、売られているものより見栄えが |
悪いと思われがちであるが、売りものにも負けないくらいの見栄えだ。それに |
、そのペンケースは、何だか布とは別のあったかみがある。まるで、母のよう |
に。 |
「山高きが故貴からず」ということわざがあるように、見栄えがよければい |
い訳ではない。手作業で作ったものは、見かけではなく、使いやすさなどで勝 |
負している事が分かった。 |