幼稚園の頃からの夢 |
アジサイ | の | 泉 | の広場 |
ミッキー | / | けく | 小5 |
「将来の夢か、やっぱり…。うん、そうしよう。」 |
学校で、友達にもらった紙を見ながら私は決心をした。 |
「人の役に立つこと」 |
鉛筆でくっきりと書いた。だが、ほんとうは特定している。 |
「お医者さん。」 |
幼稚園の文集を作るために将来の夢を聞きにきていた渡辺先生の質問に私は |
そう答えた。 |
「どうして?」 |
そう聞いた渡辺先生に私は、 |
「おばあちゃんの足を治してあげるの。」 |
と言った。祖母の足は私が赤ちゃんのころから不自由になり、今でも |
「びっこ」をひいている。小さい頃からそれを見続けてきた私は、 |
「大きくなったら、私が治してあげよう。」 |
と思ったのだ。ところが、大きくなった今、私がなりたい科は一番なりたか |
った外科ではなくなっていたのだ。 |
「う~ん、やっぱりなるとしたら『内科』か『産婦人科』でしょう。」 |
そう一人でぼそぼそいいながら、まるで「考える人に」なったかのような姿 |
勢をしていた。なぜ、どちらかになりたいかというと、内科は大きくなるにつ |
れ、わかっていったことがもとで、なりたいと思ったのだ。 |
「え~、手術するの?」 |
祖母の足を治すためには、手術をしなくては行けないと聞いた私はとても |
驚いた。確かに足を治してあげたいという気持ちはあるけれども、とても足 |
をきることはできない。それに外科は、祖母だけしか見れない。私はもっとた |
くさんの家族や知り合いを見たいのだ。すると、あとはあれしかない。 |
『内科』だ。その科だったら、みんなを見れることが多いからだ。 |
あと、産婦人科はどうしてか。産婦人科の患者さんは必ず女性だ。それに、 |
患者さんにとっては女の先生のほうがいいと母から聞いた。それから、流産の |
ときもあるけれど、ほとんどは新しい命が生まれる喜びの科だ。その喜びを祝 |
福してあげることもいいことではないか? |
私はそのような理由でどちらかの科になりたいのだ。でもお医者さんになり |
たいと思った本当の理由は、お医者さんの優しさを尊敬しているからなのでは |
ないかと思う。 |
「お母さんはもうすこしでくるからだいじょうぶだよ。」 |
「痛くないからね。ちくっとするだけだから。」 |
五才のころ入院した時の思い出が頭の上に浮かんだ。 |