世間 |
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Bear | / | ふね | 中2 |
日本人は、個人は自分が世間をつくっているという意識を全く持たずに、自 |
己は世間に対して、受け身の側に立っている事が多い。皆それぞれ別の世間を |
持っており、そのそれぞれの世間の中で、爪弾きされないよう、できるだけ目 |
立たないようにし、自分の能力も必要以上に示さない。しかしその一方で、公 |
共の場では、その世間が持つ排他性や差別的閉鎖性がはっきり現れる。一緒に |
いる人だけの世間が形成されていて、周りの人間のことは全く考慮に入ってい |
ない。それにも関わらず、この仲間意識が、多くの人たちによって是認されて |
しまっている。ここで日本人は、自分たちが排他的な世間をつくっているとい |
う認識がほとんどないのである。 |
「世間」という言葉は、聞き慣れた言葉だが、いったい世間とは何なのか、 |
また、日本人は、なぜ世間を好むのだろうか。 |
私の場合の世間は、学校での友達・先輩・後輩・先生、塾の友達・先生、近 |
所の人、そして家族だと思う。 |
学校で、放課やお弁当の時間になったとき、クラスの中にいくつか「グルー |
プ」ができていて、大抵そのグループで固まって行動する。移動教室等の時も |
、「一緒に行こう」と言って、友達を誘う。友達が、誰かの悪口を言っていて |
も、その子をかばったりせず、それどころか、一緒になって、悪口を言ったり |
する。けれど、別の場所に行くと、悪口を言っていたその友達に対して、「あ |
の子嫌い」などと言う。それも、友達の中に自分の存在をとどめておきたい、 |
世間に爪弾きされたくないと言う気持ちの表れの一つだと思う。「自分の思っ |
ている意見をその場ではっきり言えないのは、世間の目を気にするから」だと |
思う。 |
最近急激に普及した携帯電話、PHSにも、「世間」が関わっている。携帯 |
電話やPHSの普及率は、約二十四パーセントである。使用目的は、人それぞ |
れだが、大きく分けて二つあると思う。一つ目は、ビジネスマンの仕事での連 |
絡を取り合うためである。中には、一人で四つも持っている人もいるそうだ。 |
もう一つは、若者の仲間同士を連絡をするための使用だと思う。私の友達の中 |
でも、何人かPHSを持っているが、よく友達に電話をかけている。これも、 |
電話をかけたりすることで、友達との仲間意識を強めているのだと思う。 |
しかし、そうやって友達のすることについていってばかりいるのも良くない |
と思う。少々友達と意見が対立しても、良くないと思うことは、相手のことを |
思ったら、きついことでも、自分の考えははっきり言うべきである。「良い友 |
人を得たければ、まず自分が良い友人でなければならない。」と言うように、 |
お互いが成長できるような友達ができるといいと思う。 |