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高齢化社会には
アジサイの広場
T.Oいう高2
 高齢化社会というと問題点ばかり指摘されて暗いイメージがまとわりつくが
、見方を変えれば日本の経済成長を最も顕著に表している現象である。高齢化
社会には出生率の低下と平均寿命の増長の二通りあるが、どちらにも言える重
要なことは高齢化に合った社会・経済の仕組みを素早くつくりかえてゆくこと
である。
 
 現在、四人に一人が六十歳以上いわゆる「高齢者」と定義される人である。
三十年後にはさらにこの割合が増えるといわれており、若者が老人を支えるた
めにかかる負担は重くなると予想される。こうなると年金だけでは暮らしてゆ
けなくなり、定年を迎えて職を失った老人も再び働かざるを得なくなる。そう
いう未来を予測した上でも、「高齢化社会は現在の老人と若者に共通の問題」
である。
 
 核家族が増えたことは老人と若者の距離を遠ざけてしまい、若者に高齢化社
会に対する問題意識を希薄にしてしまった。日本人の平均寿命は男性が77歳
、女性が83歳と定年を迎えた後も20年近くも余生があるのだし、その間も
実りある人生を送りたいものである。それに日本の老人は一般的にひっそりと
隠居生活を送るよりは、孫や孫くらい年の離れている若者とともに過ごすこと
を好む人の方が多い。すべての人に生きがいを持たせるような社会をつくるこ
とが今もっとも優先すべきことである。
 
 確かにこのまま日本が経済成長を続けるとしたら、それに比例して高齢者の
人口も増えて行くに違いない。それは、若者の負担の増加を意味するかもしれ
ないが、自己中心的にならず、老人を人生の先達として共存の精神を心がけた
い。