ログイン ログアウト 登録
 新しい教育とは、新しい人間の見方の発見(その2)人間を歯車としてではなく種子として見る Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2254番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
新しい教育とは、新しい人間の見方の発見(その2)人間を歯車としてではなく種子として見る as/2254.html
森川林 2014/11/07 20:56 


 これからの教育を考える場合に大事なことは、人間をどう見るかということです。

 これまでの教育は、人間を性能のよい歯車として見ていました。それは、決して否定的な意味ではありません。
 社会という機構が正確に動き、その社会の発展がみんなの幸福に結びつくためには、一つひとつの歯車もやはり正確に動く必要があったからです。

 そしてまた、性能のよい歯車になることは、その当人にとっても利益をもたらしました。
 よい歯車と認められれば、その性能に見合った高収入を約束されたからです。

 性能のよさとは、端的に成績のよさで表されます。国語数学英語理科社会という主要5教科の成績がよいことが、その人間の性能のよさとほぼ一致していると見られていました。
 その結果、歯車の性能の客観的な指標として、学歴というものが重視されるようになりました。

 やがて、勉強の目標自体が学歴になり、その学歴を手に入れるための受験勉強が目標になりました。
 そして、勉強の目標から学問が次第に消え去り、その代わり、答えに早く近づく技術が勉強の中身になっていきました。答えに早く近づく技術を習得することが勉強そのものだと思われるようになったのです。

 ところが、受験勉強として習得された技術は、ゲームの技術の習得と似ていて、現実の生活にはあまり役に立ちません。
 昔、受験勉強がまだ学問と比較的結びついていた時期には、受験勉強はその人の成長にもプラスになりました。しかし、受験勉強が技術化するにつれて、勉強の技術は現実生活の技術とは関係の薄いものになっていったのです。

 これからやってくるのは、創造性を必要とする現実生活です。
 誰もが自分の創造性を発揮し、それによってその人自身が幸福を感じるとともに、社会全体がその創造性によって豊かになっていくという世界がこれから生まれてきます。

 そのときに必要なのは、人間を歯車として見ることではなく、創造する種子として見る見方です。
 ちょうど、ドングリの実を、コマ作りの材料として見るのではなく、将来のドングリの木々やドングリの林の可能性として見るような見方が、これからの人間の見方にも必要となってくるのです。
 ドングリの例で言えば当然のように思えることが、これまでの人間の見方においては当然ではありませんでした。むしろ、これまでの人間の見方は、その人間が「歯車として使えるか使えないか」ということが中心になっていました。

 では、人間を、歯車ではなく種子として見たとき、教育はどう変わっていくのでしょうか。(つづく)



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 

コメント欄

コメントフォーム
新しい教育とは、新しい人間の見方の発見(その2)人間を歯車としてではなく種子として見る 森川林 20141107 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ぬねのは (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ぬねのは」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習