ログイン ログアウト 登録
 のびしろのある子に育てるには Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2342番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
のびしろのある子に育てるには as/2342.html
森川林 2015/03/29 21:19 


 小学校低中学年までの勉強は簡単です。だから、勉強の時間に比例して成績が上がります。しかし、その延長に高学年の成績があるのではありません。
 ここを多くの人は勘違いしています。そのため、小さいころからよくできている子が、大きくなってもよくできると思ってしまうのです。

 学年が上がると、勉強に新しい要素が出てきます。それが考える力です。低中学年までの勉強は、特に考えなくても条件反射的にできるものがほとんどでした。たまに考える問題があっても、それは、文章題の文章が読みにくいというような難しさであって、問題そのものの本質的な難しさではありませんでした。

 ところが、高学年になると、よく考えないとわからない問題が出てきます。このときに、役に立つのが、考えることが苦にならないという姿勢です。更に言えば、考えることの面白さを知っているという感覚なのです。
 難しそうな問題を見て、「わあ、いやだ」と思う人もいれば、「わあ、おもしろそう」と思う人もいます。この違いが、高学年の学力の差となるのです。

 では、そういう考えることの楽しさを知っている子に育てるには、どうしたらいいのでしょうか。それは、決して低中学年で難しい勉強をさせることではありません。もっと楽しいやり方があるのです。

 その一つは、楽しい説明文の本を読ませることです。物語文の本の多くは、単にストーリーの展開の面白さで読み手を引きつけるものが多いので、考える力にはあまり役立ちません。説明文の本には、こういう理由でこうなったとか、これが原因でああなったとかいう物事の因果関係が立体的に書かれているものが多いので、そこで考えることの面白さに目覚めることが多いのです。

 もう一つは親子の対話です。お父さんやお母さんが、子供との対話の中で、やはり物事の因果関係などがわかる構造的な話をするのです。それは、単に知識を伝えるような話ではありません。親自身が考えることを楽しむような話が大事なのです。

 こういう読書と対話をするためには、勉強の時間はむしろほどほどにしておく必要があります。まして、塾や習い事で子供の帰りが遅くなり、家庭では食事をして寝るだけというような生活では、かえって考える力は育ちません。

 受験勉強は、受験する年の1年間に集中してやるもので、それを何年も前から先取りしてやるものではありません。受験勉強の先取りは、時間的な無理が出てくるので、結局肝心の考える力を育てるための余裕がなくなってしまうのです。

 まして、今の時代は、よい大学を出たら一緒安泰というような牧歌的な時代ではありません。大学に入っても、社会に出てからも、常に新しい知識を吸収して、前向きに考えて行動していくことが要求される時代です。受験勉強までで力を使い果たすような勉強をしていては、社会に出てからの活躍はできません。

 将来ののびしろのある子は、小さいころから、言われたとおりのことだけをしてはいません。ノートに落書きを書くような、やらなくてもいいようなことをついやってしまうのが、力のある子です。作文についても、先生が説明してくれたヒントとは違うことを書こうとする子が、考える力をつけていくのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 

コメント欄

やま 2015年10月4日 17時7分  
言葉の森を今月からじゅこうしているものです。楽しい説明文の本とは、具体的にどの様な本がおすすめですか。

森川林 2015年10月4日 19時40分  
 やまさん、こんにちは。
 図書館の子供向けのノンフィクションコーナーがいいと思いますが、最近見たものの中では、これがおすすめです。
「毎日小学生新聞 マンガで理科!きょうのなぜ」
http://www.amazon.co.jp/dp/4035442615

コメントフォーム
のびしろのある子に育てるには 森川林 20150329 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
かきくけ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「かきくけ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習