ログイン ログアウト 登録
 これからの世の中と子供の教育 その1 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2395番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
これからの世の中と子供の教育 その1 as/2395.html
森川林 2015/08/06 07:41 


●「子ども」か「子供」か

 9月号の「致知」という月刊誌の記事の中に、「子ども」か「子供」かという話が載っていました。これはたまに話題になることなので一言。
 「子ども」と書く人が多いのは、「供」には「お供」のように人を見下す意味があるからだそうです。その説自体も不確かなものですが、私はたとえその語源がどういうものであろうと、言葉の使い方を論じる際に、その中身ではなくニュアンスを前面に出すのは、思考を中断し、話を混乱させる原因になると思います。ニュアンスは各人の好みに任せるもので、共通の基準にするものではありません。ですから、普通の書き方は「子供」でいいと思います。

●競争に勝つことを目的にする時代は終わりつつある

 これまでの時代は競争の時代でした。競争には勝者と敗者がいます。敗者が遅れた者、劣った者、弱い者であり、勝者がその敗者を倒し敗者を支配することで世の中が急速に進歩してきました。
 これはあたりまえのことように思われるかもしれませんが、日本で一万数千年続いた縄文時代は、たぶん競争も勝者も敗者もない時代でした。江戸時代の庶民の生活も、同じように競争も勝者も敗者もきわめて希薄な生活だったでしょう。少なくとも競争に勝つことが人間の価値観の中心である社会ではなかったのです。
 では、競争ではなく、何が社会の中心になっていたかというと、それは助け合いです。強い者と弱い者がいた場合、強い者が弱い者を助ける社会だったのです。
 競争社会の喜びは勝利です。助け合い社会の喜びは共感です。相互の助け合いと相互の共感が、社会の絆となっていたのです。

●競争という価値観がこれからなぜ後退していくか

 競争が善だという価値観は、主に近代の欧米から世界に広がりました。その競争文化のひとつがスポーツで、そのひとつの象徴がオリンピックです。
 2020年に日本で開かれるオリンピックは、お祭りとしては多くの人に歓迎されていますが、いずれ今のように人と人とが競い合うことに激しく熱中する人は少なくなってくるでしょう。それは、野球でも、サッカーでも、ゴルフでも、すべて同じです。競争に勝つとか負けるとかいうことを、今のように大きな問題とは考えない人が増えてくるのです。
 では、なぜ競争という価値観が、これからは社会では後退していくのでしょうか。それは、単に人間の意識が変化するからではありません。その社会の特に経済の仕組みの根幹が、競争よりも助け合いの方に傾くからです。つまり、競争によって豊かになる時代は過去のものとなり、これからは助け合いによって豊かになる時代に移行していくからです。
 矛と盾が競い合い互いにより強い矛と盾になるという時代から、矛と盾が共存しさまざまな矛と盾のセットが生まれる時代へと変化していくのです。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 

コメント欄

コメントフォーム
これからの世の中と子供の教育 その1 森川林 20150806 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
せそたち (スパム投稿を防ぐために五十音表の「せそたち」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習