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子供たちの個性と創造性を育てるためのオンエア特別講座 as/2444.html
森川林 2015/10/15 19:43 


●オンエア方式で理科実験や工作の講座を行う企画

 子供の教育で大事なことは、個性を伸ばし創造性を育てることです。その創造性を支えるために、学力というものが必要になります。
 しかし、今はこれが逆転していて、学力をつけることだけが目的のようになっています。その学力も、真の意味での学力とはずれている、受験に合格するための、つまり競争に勝つための学力です。そのため、引っかかりやすい問題をうまくくぐりぬけるようなところに必要以上の時間を取って学習し、その結果、誰もが同じような価値観を持った、個性のあまり際立たない、そして本当の自分が何をしたいのかがよくわからない子供たちが生まれているのです。

 こういう教育が有効な時代は、工業化のために均質で優秀な労働力が必要とされていた時代でした。今、均質で優秀でしかも従順な労働力は、機械や人工知能に取って代わられつつあります。
 これから必要になるのは、機械や人工知能に取って代わられない人間の能力です。それが、個性であり、創造性であり、何もないところに問題を発見し、誰もまだ知らない世界に自分の好きなものを作り出していく能力です。その能力を発揮するためにこそ、学力をつける必要があるのです。

 では、子供の個性を発見し、創造性を育てるためには何が必要なのでしょうか。それは、その子がさまざまなことに挑戦する機会を、周りの大人が数多く作ってあげることです。
 人間は、自分が好きなものにぶつかれば自然に熱中します。この熱中によって、個性が創造性へと発展していきます。
 誰もが同じような勉強をして、その輪切りの評価の中で他人より1点でも上に行くことが要求される没個性の教育ではなく、基本的な学力をつけつつも、勉強以外の多様な経験をする自由な教育が必要になっているのです。

 言葉の森が、今後の企画として力を入れていくものは、まず基本的な学力をつける教育としての寺子屋オンエア教育、次に、人間性と創造性を伸ばす教育としてのオンエア特別講座です。
 このオンエア特別講座の内容としては、理科、社会、図工、音楽、体育などの教科に関連する、より実践的な講座の企画が考えられます。
 オンエア方式で、7、8人の小グループが、テレビ会議での先生の監督のものに、自宅でいろいろな実験や実習をするという企画です。

 子供たちに必要なのは、自分の興味や関心のある分野で、頭だけでなく手や足を動かし、それを友達との交流の中で行っていくことです。
 当面は、理科実験や工作のような取り組みやすいものから始めていきたいと思っています。

●子供の教育講座から大人の文化講座へ

 オンエア特別講座は、単に子供たち向けの教育だけに留まりません。子供向けのオンエア特別講座のある分野を受け持つ講師は、やはりその分野が好きな大人でしょう。例えば、理科実験の好きな大人が理科実験の講座を行い、ロボットプログラミングの好きな大人がロボットプログラミングの講座を行います。
 すると、何度もその講座を企画しているうちに、その人はやがてその分野の講座のプロのようになっていきます。すると、やがて子供向けだけではなく、より高度な大人向けの講座も開きたくなるでしょう。このように子供向けの教育講座の中には、大人向けの文化講座に発展していくものも出てくるのです。

 従来の教育や文化の分野は、既に大きな枠が完成されています。
 受験のための教育にしても、お茶やお花の文化にしても、野球やサッカーのスポーツにしても、和洋中の料理にしても、どれも長い歴史の中で完成度の高いものになっているので、需要よりも供給が上回るようになっています。
 買いたい人より売りたい人の方が多い産業分野が日本中に広がっているということが、今のデフレの根本的な要因です。

 ところが、教える人と教わる人が、自分の好みをもとにして始めた教育文化講座の多くは未完成で、これからいろいろな試行錯誤を経て発展していくものです。そこに、経済の乗数効果が働きます。
 メジャーとは言えない狭い好みの分野で教えたい人と教わりたい人が出会えるというのが、ロングテールを持つインターネットの長所です。

 インターネットの黎明期には、さまざまなベンチャー企業が生まれました。そのベンチャー企業を担った人の多くは、財産も地位もなく夢だけがある若者でした。
 その文化の小さな爆発が、これからまだ誰もそんな世界があるとは知らないさまざまな未知の分野で起こってくるのです。
 そういう未来の創造文化産業のきっかけとしても、オンエア特別講座を企画していきたいと思っています。

(写真は、近所の公園に咲いていたハナミズキの実)



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森川林 2015年10月15日 19時58分  
オンエア特別講座は、勉強の企画でもあるのですが、たぶん楽しい遊びの雰囲気があると思います。
 そこで、遊びのfacebookグループなどで、この企画を練っていきたいと思っています。
 たぶん、退屈な勉強をいやいややるよりも、こういう遊びに熱中した方が、子供たちの頭はずっとよくなると思います。


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