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書き出すのにエネルギーが必要な作文の勉強も、みんなと一緒なら書きやすくなる as/2881.html
森川林 2017/03/10 04:55 


 作文の勉強というのは、始めるのに大きな精神的エネルギーを必要とします。
 読書感想文の宿題を思い出してもわかるように、締め切りぎりぎりにならないと、なかなか始められないのです。

 お母さん方は、よく「ほら、早く作文書いてしまいなさい」などと言いますが、それですぐに、「はい」と始められる子はあまりいません。

 作文の通信教育が続けにくいのは、そういう事情があるからです。

 言葉の森の場合は、先生から直接電話があるので、その電話をきっかけに始めることができますが、教材だけ送られてくる通信教育では、作文の勉強を続けるには、親の関与がかなり必要になります。

 小学校低中学年のころは、書く内容も事実中心なので、それでもある程度強制して書かせることはできますが、高学年になり考える課題になってくると、書けないときはどうしても書けないとなるときもあります。

 ある意味で、作文の勉強が家庭でしっかり続けられる子は、どの勉強もできる子だと言えると思います。
 これは、以前、社会人で最初の級から最後の級まで全部続けた人が言っていたことですが、「この作文の勉強を続けている子だったら、何でもできる」ということは本当なのです。

 そこで、通信教育よりも、通学教育の方が続けやすいと思う人もいると思いますが、この通学教育がまた難しいのです。
 通学教室で大勢が作文を書いていると、中に、必ずぶつぶつとお喋りする子が出てきます。

 喋るという意識なく、独り言を言いながら作文を書く子です。すると、その言葉に反応する子が出てきます。
 1クラスに数人そういう子が出てくると、全員が作文を書けなくなります。それは、特に日本人は、人の話し声のあるところでは、ものを考えることが難しいという脳の構造を持っているからだと思います。

 数学や英語など他の教科の勉強でしたら、多少お喋りのあるところでも、そのお喋りを無視して勉強を続けることはできますが、作文を書くという勉強は、話し声のあるところではなかなかできません。
 だから、テレビをつけっぱなしの環境で作文を書かせるなどということはしてはいけないことなのです。

 ところで、こういう通信教育の長所短所と、通学教室の長所短所をうまく組み合わせることができるのがオンラインのグループ教育です。
 先生との話は個別のやりとりですから、ほかの人には聞こえません。だから、静かな環境で作文やほかの勉強の集中することができます。
 しかし、決して孤独な勉強ではなく、同じ時間に一緒に勉強している友達の姿が見えます。ウェブカメラを机上に向けていれば、互いにどういう勉強をしているのかもわかります。
 すると、自然に自分も自然に勉強を始められるようになるのです。

 物理学で、静止摩擦と運動摩擦というものがありますが、最初のスタートに必要なエネルギーに比べると、動き出してからのエネルギーはずっと少なくて済みます。場合によっては、動きを止めるのにかえってエネルギーが必要なほど、動く慣性が出てくることもあります。

 この集団の力学をプラスの方向で生かせる勉強を作っていきたいと思っています。

====
「寺子屋オンエアをなぜ始めたか」
https://www.mori7.com/index.php?e=2089

 小学校低学年までの子供たちは、お父さんやお母さんを基準にして暮らしています。だから、この時期は、親の言うことをよく聞きます。

 しかし、小学3年生から、次第に親よりも友達を基準にすることが多くなり、その状態が中学2年生くらいまで続きます。

 中学3年生になると、自我が成長してくるので、友達という他人よりも自分自身の内面が基準になってきます。

 したがって、小中学生の勉強を軌道に載せるためには、友達関係を生かしていく必要があります。

 江戸時代の寺子屋で多くの子供たちが早朝から昼過ぎまで素読やなぞり書きのような単調な学習を続けられたのは、一緒に机を並べる多数の友達がいたからです。つまり、一緒に同じことをする仲間がいると、退屈なことでも続けられるのです。

 「見える学力見えない学力」を書いた岸本裕史さんが始めた家庭塾でも、運営がうまく行くコツは、やはり友達が数人集まるということでした。ただし、その代わりに、私語は厳禁という明確なルールがありました。子供たちの集団学習に、先生や親という大人が必要なのは、子供たちだけでは必ず最もお喋りな子に全体が引きずられるからです。

 教育法制化運動の向山洋一さんの著書に、受験時代に経験した集団学習の効用の例が載っていました。向山さんは、受験生時代、友達の家に行って一緒に勉強をしたそうですが、ただ一緒にいるというだけで、互いに別のことを黙々とやっていたそうです。そして、勉強が終わって帰るときに、二人で囲碁や将棋をして短いおしゃべりを楽しんだということです。

 このような例を見ると、勉強でも仕事でも、長時間続ける意欲は、同じことをしている誰かが一緒にいるというところから来ていることがわかります。ところが、友達と一緒に勉強するという環境が、個人ではなかなか用意できません。岸本裕史さんが提唱したように、近所の家族どうしの持ち回りで家庭塾を開くというのが理想ですが、狭い住宅環境という問題や、少子化で近所に友達が少ないという問題で、なかなか簡単に集まって勉強するという仕組みは作れません。

 そこで、ほとんどの家庭は、近くの学習塾に子供を通わせるようになります。家で子供がひとりで勉強するだけでは、すぐに飽きてくるからです。しかし、学習塾の問題は、勉強が他人依存になりがちだというところにあります。

 自分のペースでできる自習を家庭で行えるようにし、しかも家庭をネットでつなぎ、同年齢の子供たちが一緒に勉強している様子がわかるようにして、先生も(時には親も)そのオンエアの勉強に参加できるようにするというのが寺子屋オンエアの構想です。

 現在、寺子屋オンエアに参加されるモニターを募集しています。詳細をお知りになりたい方は言葉の森までお問い合せください。
====

▽寺子屋オンライン
https://www.mori7.net/teraon/



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森川林 2017年3月10日 5時6分 1 
 小学校3年生ぐらいまでは、親子だけで勉強を続けることができますが、子供が小学4年生ぐらいになると、親子だけの勉強には次第に限界が出てきます。
 しかし、本当は、中学3年生まで、子供の勉強は親が見てあげられるぐらいの方がいいのです。
 中学生で成績のいい子は、ほぼ例外なく親が勉強の内容を把握しています。
 塾に任せっぱなしで、どういう勉強をしているのかわからないという家庭では、子供はかなり無駄な勉強の仕方をしているからです。
 そこで生かせるのが、昔、岸本裕史さんが行っていた「家庭塾」のようなグループで行う家庭学習です。


nane 2017年3月10日 5時20分 1 
 子供の勉強をいちばんよく見てあげることのできるのは親です。
 それは、親が最もよくその子の成長を願っているからです。
 だから、小さいころを特に親が子供の勉強に関わってあげるといいのです。
 しかし、親だけでは偏りが出てきます。いちばん問題になるのは、やりすぎてしまうことがあるということです。
 子供が初めての勉強で大変なように、親も初めての子育てで実は大変なのです。


namura 2017年3月10日 8時14分 10 
同じ空間にいると遊んでしまうこともありますが、頑張っているみんながむこうにもいると思うだけで、やる気が出そうですね。

touko 2017年3月10日 18時36分 77 
帰国子女や海外在住のお子さんは特に、読み書きに苦手意識が強く、書き出しに苦労しているようです。みんなががんばっている姿が見えるというのは、モチベーションアップに大変有効です。

kira 2017年3月10日 19時20分 52 
 インターネットを気軽に使用できるようになったことで、理想的な勉強のかたちがとれるのですね。

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