言葉の森の作文指導は、小学校低中学年では主に表現項目の指導をしています。
例えば、「たとえと会話と感想とことわざを入れて書く」というような指導です。
小学校高学年から中学生、高校生にかけては、主に構成の仕方の指導しています。
例えば、「第一段落には要約と意見を書き、第二段落には理由を書き、第三段落には方法を書く」というような指導です。
これまで学校などで行われている作文指導では、子供たちにテーマを与えて自由に作文を書かせ、そのあと、書かれた文章の添削をするというのが主なやり方でした。
しかし、こういうやり方では作文は上達しません。
上手な子は最初から上手に書き、上手でない子はいくら添削されても上手になる道筋がわからないからです。
そのため、教える側は、子供たちに上達する道筋を示すかわりに、上手な子の作文を見せるというやり方をしてきました。
ところが、上手な子の作文をいくら見せられても、それがほかの子の書く作文の参考になるわけではありません。
かえって上手な子の作文と比較してやる気をなくすのがせいぜいなのです。
作文指導に熱心な先生のいるクラスほど、作文が苦手な子が増えるというのはそういう事情があったからです。
一方、作文の試験をする学校側では、作文の評価は一歩進んだ形をとっています。
それは、言葉の森と同じように、構成の枠を決めて書かせるという形になっているのです。
例えば、段落の数を決め、1番目の段落にはどういうことを書き、2番目の段落にはどういうこと書き、3番目の段落にはどういうことを書くか。そして、どういう言葉を入れるかというようなところまで指定している作文試験もあります。
なぜこのように構成の仕方や表現の項目を指示するかというと、そのことによって作文の評価が客観的に行えるようになるからです。
そして実は、この構成と表現を指示するやり方は、言葉の森が昔からやっていたやり方なのです。
ですから、言葉の森に作文を習いにくると、どんな子でも書き方がすぐに分かり、迷わずに書き出すことができます。
苦手な子も、すぐに書き出すことができ、難しい課題でも、すぐに書き出すことができるというのが、構成と表現を指示する事前指導の特徴です。
だから、上達する道筋もおのずからわかってくるのです。
言葉の森の構成指導と表現指導の特徴は、作文試験の模範解答作りにも表れています。
世間で出されている作文の書き方の参考書はほとんどすべて、模範解答に子供が実際に書いた上手な作文を使っています。
しかし、こういう模範解答をいくら読んでも、子供は作文をどう書いたらいいのかわかりません。
それは、構成の仕方にも、表現の仕方にもルールがなく、ただ偶然上手に書けたものを載せているだけだからです。
これに対して言葉の森で作っている作文の模範解答は、一定の原則をもとにした構成と表現に沿って書かれています。
だから、この模範解答を見れば、どう書いたらいいのかということがわかるのです。
実際に、言葉の森で勉強している生徒は 、作文の構成がしっかりしているという評価をよく受けます。
それは、構成を重視した作文を指導しているからです。
そのために、受験で出される作文とは相性がいいのです。