ログイン ログアウト 登録
 ChatGPTと教育 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4689番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/23
ChatGPTと教育 as/4689.html
森川林 2023/03/19 17:23 


●動画:https://youtu.be/NTrczFpjSEQ

 ChatGPTは、今後、教育にも使えるようになります。

 例えば、数学の勉強をしていてわからないところがあり、解法を見ても理解できないときはChatGPTに聞いてみます。
 すると、個人の家庭教師のように教えてくれます。
 質問を追加することもできるから、わかるようになるまで質問を繰り返すこともできます。

 読解の勉強でも同じです。
 なぜ、その答えがそうなのかということを説明してくれるようになります。
 しかし、今はまだ、できるかどうかはわかりません。
 それは、日本語のデータがまだ少ないせいだと思います。

 プログラミングでもできます。
 動かないプログラムがあったとき、どこが違っているのかを教えてくれるようになります。

 学校で出される宿題は、もう意味がなくなります。
 「○○の作文や感想文を書いてくる」という宿題も、ChatGPTにやってもらえばそれでおしまいです。

 つまり、答えがある問題、又は、答え的なものがある問題は、人間ではなくChatGPTで十分できるようになってくるのです。

 では、人間に何が残るかと言えば、それは、答えのない問題です。
 なぜ答えのない問題があるかというと、それは問題そのものが新しく作られたものだからです。
 つまり、新しい問題意識を持つことが、人間のできることです。

 ChatGPTが新しい問題を作れないのは、ChatGPTが、今の段階では、人間と本質的に違うところがあるからです。
 その違いとは、人間が、特定の時間と特定の空間と特定の身体の上で生きているのに対して、ChatGPTは、そういう特定さがないからです。

 だから、ChatGPTを活用するには、人間が、特定された質問をする必要があります。

 ChatGPTが普及し、誰もがスマホでChatGPTを利用できるようになった時代に、残るのは何かと言えば、それは対話です。

 FacebookでもTwitterでもYouTubeでも、デジタルの媒体であれば、ChatGPTを利用して気の利いたことはいくらでも言えるようになります。
 今のアレクサのように、ダジャレも言えるようになります(笑)。
 つまり、誰にとっても、必要に応じて、あらゆることにいつでもカンニングができる社会になるのです。

 そのときに残るのは、リアルな対話とリアルな創造です。


 私(森川林)は、この春から、創造発表クラスを2つ開設しました。
 これは、もうこれまでの勉強は終わり、これからは新しい勉強の始まる時代になると思ったからです。

 新しい勉強とは、すべて自分がオリジナルに発信する勉強です。
 その勉強のために、従来の吸収する勉強があるという関係です。

 これまでの勉強は、吸収すること自体が目的の勉強でした。

 例えば、植物に維管束があり、師管と導管があり、植物の種類によって師管と導管の配置が違うというようなことは、頭の片隅にでも入っていれば、必要に応じていつでも調べられます。
 試験をして、知識として詰め込む必要などないものです。

 そういう知識を覚えるよりも、なぜ植物はそういう仕組みを選んだのかとか、もっといい方法はなかったのかとか、その仕組みを人間社会に適用するとどういうことが考えられるかということを考えた方がずっと面白いはずです。

 しかし、今の30人から40人の学級では、そういう勉強はまずできません。
 それは、単純に、一緒に勉強する人数が多すぎるからです。
 1人の先生が、例えば30人学級の生徒に、一人ひとりの意見を聞いていたら、1人5分の持ち時間としても、約2時間半かかります。

 だから、これからの教育は、全員が発言できる4~5人の少人数クラスで行われなければならないのです。


 しかし、まだ子供たちは、従来の勉強観から抜け出せないので、調べたこと自体を発表する傾向があります。
 理科実験にしても、工作にしても、自由研究にしても、どこかに書かれていることをそのままなぞって、そのとおりできて完成という発表をしていることが多いのです。

 面白い勉強とは、最初に、自分のしたいことがあって、そのしたいことをもとにして、実験したり、工作をしたり、研究をしたりすることです。
 アウトプットしたいことが先にあり、そのアウトプットのためにインプットがあるのであって、インプット自体が目的ではないのです。

 ChatGPTの普及によって、このような創造中心の勉強が次第に広がると思います。
 作文と創造発表とプログラミングのクラスは、そういう勉強としてやっていきたいと思っています。


 ちなみに、今度、春期講習で行う創造発表は、小学生は「図工理科」、中学生は「ディスカッション」です。
 中学生のディスカッションは、文藝春秋の「日本の論点」などをもとにして、参加者でディスカッションをする予定です。
 いずれも、答えのない勉強なので、面白いと思いますが、面白くなくなるかもしれません(笑)。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
ChatGPT(0) 

コメント欄

Haha 2023年3月21日 11時10分  
カズオ イシグロ氏の「クララとお日さま」は読まれましたか?ChatGPTとの関連性はあるような ないような感じですがAIのお話でとても面白かったです。

花ちゃん 2023年3月25日 10時40分  
はい、読みました。AIのクララがとても聡明で、愛情に溢れる人間よりも人間的?な心を持つ存在でしたね。結末はとても切なく感じました。

AIは感情を持ちうるのでしょうか? もしそんなことが可能なら……。人間とは何かを改めて考えさせられます。

Haha 2023年3月26日 21時9分  
返信ありがとうございます。そうそうクララはとっても純粋で良い子なのですが、全編を通して「ディストピア」感がすごくて…色々なことを考えた小説でした笑

コメントフォーム
ChatGPTと教育 森川林 20230319 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ねのはひ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ねのはひ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
ChatGPT(0) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習