ゲストさん ログイン ログアウト 登録
 小学1年生の作文で、なぜダジャレを入れるのか――ダジャレは言語感覚を磨き、親子の対話のきっかけになる――音素数が少なく同音異義語の多い日本語の特徴を生かすダジャレ Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4854番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/10/19
小学1年生の作文で、なぜダジャレを入れるのか――ダジャレは言語感覚を磨き、親子の対話のきっかけになる――音素数が少なく同音異義語の多い日本語の特徴を生かすダジャレ as/4854.html
森川林 2023/11/19 09:36 

スズメ

●動画:https://youtu.be/su0TT8cb5FM

 小学1年生の作文課題の項目にダジャレがあります。
 その理由は、2つあります。

 一つは、言葉の感覚を広げるためです。
 もう一つは、そこから親子の対話を増やすためです。

 日本語圏以外の言語では、ダジャレという言葉遊びはありません。
 帰国子女の生徒が、言葉の森で作文を書くときにつまずくのが、このダジャレです。
 英語は、多様な民族が話せる共通語として発展したので、同音異義語のような文脈で理解する言葉の文化がないからです。

 日本にダジャレがあるのは、音素数の少ない日本語を利用して、言葉そのものではなく、言葉の裏になる意味を理解し合う文化があったからです。

 小学1年生の子にとって、このダジャレは難しいです。

 私自身の経験で言うと、幼稚園のころ、みんなで絵をかいていました。
 私が汽車の絵をかいていると、ほかの子たちが寄ってきて、「中根の汽車の絵、うまいじゃん」と言いました。
 そのとき、私は、ダジャレのつもりで、「でも、大根はまずいよ」と言いました。
 しかし、それがわかった子は誰もいなかったと思います。あたりまえですが。
 私は、そのダジャレが気に入ったので、家に帰ってから、母親にそのことを話しましたが、たぶん感心されたようなことは何も言われなかったと思います。

 小学1年生のころのダジャレは、面白くないか、わけのわからないものが多いです。

 しかし、このダジャレで、言葉の感覚を磨くことができるのです。
 これは、「たとえ」でも同様です。
 たとえも、言葉の感覚を磨く練習になります。

 たとえを使うということは、現実のものごとから離れて言語的な表現の世界に入ることですから、言語の世界の乏しい子は、たとえが思いつきません。

 子供によっては、知識として覚えたたとえを使うことがあります。
 「チーターのように速く走った」というようなたとえです。
 チーターの走るところなどは見ていないはずですが、それを知識としてたとえにするのです。

 しかし、そういう場合でも、先生は褒めます。
 「ありきたりなたとえだ」などということは言いません。
 褒められることによって、子供はよりよいたとえを使うようになるからです。

 ダジャレの能力とたとえの能力は関連があります。
 たとえは、よく考えれば誰でもできます。
 しかし、ダジャレはよく考えてもなかなか出てきません。
 だから、項目指導では、たとえかダジャレのどちらかが入ればいいとしています。

 ダジャレの項目指導の大事な効果のもうひとつは、そこから親子の対話が始まることです。
 一般に、真面目なお母さんは、ダジャレを思いつかないことが多いです。
 しかし、お父さんは、真面目でないことはないのでしょうが、大胆にダジャレを思いつくことが多いです。

 子供と、お父さんとお母さんが話をして、この作文にどんなダジャレが使えるかなあという話ができれば、親子の知的な対話が始まります。
 この話し合いのときに大事なことは、決してほかの人の意見を批判しないことです。
 キーワードは、「でも」という言葉を使わないことです。
 頭のいい人は特に、「でも」という言葉は、家族の会話の中では使わないと決めておくといいと思います。

 言葉の森の初参加説明会でも、私が、
「子供の作文は、書いたあとは褒めるだけ」
と言うと、必ず何人かの保護者の方が、「でも」と言います。
 「でも、明らかに字がまちがっていたらどうするのですか」というようなことです。
 それも、褒めるだけでいいのです。

 なぜかというと、そういう話をするお母さんは、これまで子供に、いろいろなかたちで注意をしてきたからです。
 その発想を根本的な変える必要があります。

 「3つ褒めて1つ注意する」というようなあいまいなやり方では、これまでの注意しすぎの家庭文化は直りません。
 だから、どんな間違いがあっても褒めるだけでいいのです。

 親から注意されて育った子は、小学校低学年のころは、確かによくできる子が多いです。
 しかし、いつも親の顔色をうかがって話をしたり勉強をしたりしています。
 だから、学年が上がるにつれて、かえって勉強に対する意欲を持てなくなることが多いのです。

 表記の間違いなどは、何も直さなくても、子供の読書量が増えれば自然に直ります。
 自然に直るのに時間がかかる場合でも、読書量のある子は、ひとことの注意で直ります。
 読書量のない子は、何度も同じ注意をしても直りません。

 だから、褒めるだけということと、本を読むことと、親子で対話を楽しむことが、作文の勉強の要になるのです。


 国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 小学校低学年(79) 

コメント欄

コメントフォーム
小学1年生の作文で、なぜダジャレを入れるのか――ダジャレは言語感覚を磨き、親子の対話のきっかけになる――音素数が少なく同音異義語の多い日本語の特徴を生かすダジャレ 森川林 20231119 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
ねのはひ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「ねのはひ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 小学校低学年(79) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
テスト送信Fi 森川林
 FileZillaを起動したあと、「ファイル」→「サイ 10/17
森川林日記
Re: アンケ 森川林
 ありがとうございます。  確かに、やることがたくさんある 10/2
森のアンケート
Re: 小3、 森川林
 ありがとうございます。  子供は、褒めてみんなよくなるの 10/2
森のアンケート
Re: アンケ 森川林
 ありがとうございます。  月曜日は確かに振替休日が多くな 10/2
森のアンケート
Re: 先生で 森川林
 ありがとうございます。  生徒と先生の関係は、ただ勉強を 10/2
森のアンケート
アンケート りっさーパンダ
いつもお世話になります。 作文のクラスで1年ほどお世話にな 10/2
森のアンケート
Re: 「素の かきくけ
丁寧なご説明をありがとうございました。 > 「素の自分 10/1
森の掲示板
Re: 「素の 森川林
「素の自分」の読み方については、以下のように説明できます: 10/1
森の掲示板
小3、作文クラ みきみき
作文クラスに参加して8か月がたちました。全てに満足しているの 9/30
森のアンケート
「素の自分」の 国語勉強
「素の自分」を「すのじぶん」と読む人が多いですが、これを「そ 9/30
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習