ログイン ログアウト 登録
 「頭のいい人ほど語彙力が豊か」という記事――語彙力があれば高精細で物事が見られるが、語彙力がないとおおまかにしか見られない。語彙力をつけるには、難読と復読による語彙の身体化 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4900番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
「頭のいい人ほど語彙力が豊か」という記事――語彙力があれば高精細で物事が見られるが、語彙力がないとおおまかにしか見られない。語彙力をつけるには、難読と復読による語彙の身体化 as/4900.html
森川林 2023/12/31 10:11 

タンポポモドキ?


●動画:https://www.youtube.com/watch?v=fWrZXkbKlu4

 面白いタイトルの記事があったので読んでみました。
====
なぜ頭のいい人ほど語彙力が豊かなのか…言語哲学者が説く「語彙力のある人・ない人」の見えている世界の差
https://president.jp/articles/-/76535
====
 筆者は、山口周(やまぐちしゅう)さんですから、面白いことは面白いのですが、前半は、ソシュールがどうしたというような専門的なことばかりなので、読んでいて退屈すると思います。
 ただ、結びの「多くの言葉を知っていればより精密な世界が見える」は、そのとおりだと思いました。


 一方、次のブログ記事も参考になります。
====
【気をつけて】よく喋るのに語彙力がない子の見つけ方
https://www.matsuejuku.com/entry/2023/12/29/%E3%80%90%E6%B0%97%E3%82%92%E3%81%A4%E3%81%91%E3%81%A6%E3%80%91%E3%82%88%E3%81%8F%E5%96%8B%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%AB%E8%AA%9E%E5%BD%99%E5%8A%9B%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E5%AD%90%E3%81%AE%E8%A6%8B
====
 これは、よく喋る子は、考えがないからよく喋れる、という話です。

 例えば、小さい子は、ひっきりなしにいろいろなことを喋ります。
 考えていないから、いくらでも言葉が口から出てくるのです。

 これは、実は語彙力の問題です。
 浅い語彙は豊富にあるのですが、深い語彙はありません。
 だから、浅い語彙でいくらでも言葉が出てきます。


 しかし、ここが難しいところですが、深い語彙を使っているように見えても、表面的にしか考えていない人もいます。
 それは、使われている語彙が、教科書とか問題集のレベルで習得されたもので、実感を伴った身体的な語彙として身についていないからです。


 では、考える語彙を身につけるために、どうしたらいいかというと、第一は、1冊の難しい本を読み通すことです。
 1冊の本には、その本なりの世界観があります。
 その世界観の中で読んだ語彙は、実感を伴う語彙になります。
 だから、中学生以上の生徒には、説明文の難読が必要なのです。


 世の中には、手軽に語彙力をつけることをうたっている本もあります。
 かなり昔、「述語集」という難しい語彙だけを集めた本がありました。
 今でも、似たような本はあります。
 「語彙力が身につく本」のようなハウツーものの本は、知識としての語彙は増えても、考える力のもとになる語彙は増えません。

 大事なのは、語彙力をつける本を読むことではなく、語彙力が必要な本を読むことなのです。


 語彙力をつけるための、難読以外のもうひとつの方法は、繰り返し読むことです。
 繰り返し読むことによって、その語彙が実感を伴った生きた語彙になります。

 例えば、おじいちゃんやおばあちゃんが繰り返し言うことわざを聞いて育った子にとっては、そのことわざが実感のある語彙になります。
 これは、ことわざ辞典などで覚えたものとは違う、身体化されたことわざです。


 日本の素読教育は、語彙を身体化するための勉強でした。
 だから、貝原益軒は、「百字の文章を百回読む」と言いました。(「和俗童子訓」)
 言葉の森の暗唱の勉強も、100回読むような勉強です。
 この繰り返し読む言葉が、その子の考え方や感じ方のバックボーンになります。


 言葉の森の問題集読書も、繰り返し読む勉強法です。
 1冊の問題集を、少なくとも5回は読む必要があります。
 多くの人は、いろいろな問題集を1回ずつ読むような勉強法を好みます。
 しかし、それでは表面的な語彙の知識しか身につきません。
 1冊を繰り返し読むことが大事なのです。


 では、語彙が豊かになると、どうなるかというと、物事が高精細で見えるようになるのです。
 高精細でも、低精細でも、同じものを見ているので、表面的には何も変わらないように見えます。
 しかし、高精細で見る人は、物事の本質がより深く見えるようになります。


 年をとった人は、若い人よりも、考えが深いというのはよく感じることです。
 たとえ、若い人の方が学歴が高くても、本質を見る目は、年をとった人の方が鋭いことが多いのです。
 それは、なぜかというと、言葉を見聞きした繰り返しの回数が、若い人よりもずっと多いからです。
 だから、年をとった人の方が、世の中を高精細に見られるのです。

 若い人は、難読と復読によって、物事を高精細に見る力を育てていく必要があります。
 これは、成績を上げるための勉強とは少し違った、もうひとつの新しい大切な勉強です。



同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
語彙力(0) 

コメント欄

森川林 2024年1月1日 7時42分  
 語彙力をつける本などを読んでも語彙力はつきません。
 大事なのは、語彙力が必要な本を読むことです。

コメントフォーム
「頭のいい人ほど語彙力が豊か」という記事――語彙力があれば高精細で物事が見られるが、語彙力がないとおおまかにしか見られない。語彙力をつけるには、難読と復読による語彙の身体化 森川林 20231231 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
にぬねの (スパム投稿を防ぐために五十音表の「にぬねの」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
語彙力(0) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習