ログイン ログアウト 登録
 AI時代の教育(その1) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 5284番  最新の記事 <前の記事  2025/2/13
AI時代の教育(その1) as/5284.html
森川林 2025/02/13 08:07 


 AIはすでに十分に発達していますが、更にそれが加速します。
 子供たちの勉強は、これから、AIと結びつくかたちで進みます。

 そのときに、人間が受ける教育はどうあるべきかということを考えておく必要があります。

 人間がAIと違う点は、身体を持つことです。
 この身体性によって、人間は特定の時間と空間の中で生きるようになります。

 もちろん、AIも、時間と空間を指定すれば、それに応じた対応をします。
 しかし、AI自身が、特定の時間と空間の中に生きているわけではありません。

 わかりやすい例で言えば、人間は、例えば誰かが好きになります。
 しかし、AIは特定の誰かを好きになったり嫌いになったりすることはありません。
 これが、身体性の違いです。

 現在、学校で行われている教育の多くは、身体性とは無縁です。
 だから、AIで教育ができます。

 すると、今後の教育の主な場所は、学校ではなく、家庭になります。
 AIに教えてもらい、AIに質問し、AIに評価してもらえばそれで十分です。

 しかし、それでは、人間の主体性がありません。

 人間が持つ身体性は、AIとは異なる価値を生み出します。

 それが、ひとつは、問題意識や義憤と呼ばれるようなものです。
 もう一つは、夢や憧れや希望と呼ばれるようなものです。

 AIは、本質的に問題意識や夢を持ちません。
 人間が、AIに問題意識や夢を与えて、初めてそのために動くのです。


 話が少し飛びますが、AIが感情を持つかどうかということも、これでわかります。
 AIは、感情を持つ動作をすることはできますが、感情は持ちません。
 それは、AIは身体性を伴っていないからです。

 もうひとつ話は飛びますが、AIが人間に反抗したり人間を支配したりするようになるかという話がありますが、それは原理的にありません。
 AIは、あらゆる情報を総合して考えます。
 すると、Aとって有利なことがBにとって不利であり、Bにとって有利なことがCにとって不利なことであることもわかります。
 すると、BにもCにも有利になることが、結局は回り回ってAにとっても有利になることがわかります。
 そこでAIが出す結論は、「最大多数の最大幸福」のようなものになるのです。


 さて、話は戻って、人間はこれからどう生きるべきかということです。
 AIが誰でも利用できるようになり、ロボットが誰でも利用できるようになると、人間の生活は便利になります。

 しかし、そこで、人間は、次第にサルになっていく可能性があります。
 テレビを見るサル、必要なボタンを押せるサル、AIに何でも教えてもらえるサルになる可能性もあるのです。

 サルになった人間は、AIに新しい問題意識や新しい夢を指示することはできません。

 だから、ここで、新しい教育が必要になるのです。

 その教育とは、これまでのようにAIに近づくことを目指す教育ではありません。
 人間の身体性を生かし、人間がいつまでも新しい問題意識と新しい夢を持つための教育です。(つづく)


 対話と個別指導のあるオンライン少人数クラスの作文教室
小1から作文力を上達させれば、これからの入試は有利になる。
志望校別の対応ができる受験作文。作文の専科教育で40年の実績。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 

コメント欄

コメントフォーム
AI時代の教育(その1) 森川林 20250213 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
しすせそ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「しすせそ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 
コメント1~10件
優しい母が減っ 森川林
あきろあさん、コメントありがとうございます。 子供は、もと 11:16
記事 979番
優しい母が減っ あきろあ
森リン先生の投稿をみて、母は甘やかしていいんだと、初めて気付 2/7
記事 979番
中根の担当する 森川林
YKさん、ありがとう。 私が子供にさせたいと思っていたのは 1/27
記事 5267番
中根の担当する YK
創造発表クラス面白くなりそうですね!イギリスの私立学校のカリ 1/27
記事 5267番
これからの学力 森川林
 書き忘れたけど、ひとりの先生が全教科、全学年を教えるという 12/9
記事 5233番
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 森川林
> https://www.edu-files.com/kk 2/9
森川林日記
Re: 森川林
> https://www.edu-files.com/kk 2/9
森川林日記
無題 森川林
https://www.edu-files.com/kk/h 2/9
森川林日記
無題 森川林
https://www.edu-files.com/kk/h 2/8
森川林日記
Re: 1月読 森川林
 最初に書いてある「昔、夏に食べたトマトはおいしかった。」は 2/7
国語読解掲示板
1月読解検定に あうせれ
問5のA⇒昔のトマトは青臭いがおいしかった。←× 本文1行 2/5
国語読解掲示板
2025年1月 森川林
●新年度の教材は、もう発行されています。 http 1/22
森の掲示板
Re: 中2の 森川林
 これは、読解問題の解き方の基本だから、よく覚えておいてね。 12/22
国語読解掲示板
2024年12 森川林
●新年度の教材 https://www.mori7 12/22
森の掲示板
中2の読解検定 毛利
問題2番のAが×なのが納得いきません。解説お願いします。 12/19
国語読解掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習