●作文力が伸びる時期と学習の目的
作文の勉強が本当に価値あるものになるのは、小学五年生からです。
価値ある作文とは、自分の体験などを基にしながらも、より広い視野での実例を組み合わせたり、より深い感想や意見を書けるような作文ということです。
このような広い視野と深い意見を持った作文は、その年齢にならなければ書くことができません。
だから、作文学習で大事なことは、まず子供が小学校五年生になるまでは、楽しく作文を続けられることと、できれば中学生、高校生になっても作文を書く勉強を続けていけることなのです。
●楽しく続けることが最優先の指導
そのための最も大事な方法は、上手な作文を書かせることではなく、楽しく作文を書かせることです。
子供はお母さんやお父さんに認めてもらうことが嬉しいので、作文を書いています。
競争に勝ったり、賞をもらったり、褒美をもらったりすることが嬉しいのではありません。
逆に競争や賞を目指すと、作文を書くことに息切れするようになります。
子供の作文は、それがどのようなものであれ、子供の成長の記録になります。
上手な作文を書くことよりも、自分らしい作文を書くことを認めてあげることが大事です。
●保護者が行うべき三つの支援
そのために、保護者のすることは次の三つです。
第一は、読書に力を入れることで、これには読み聞かせも含みます。
第二は、小学1・2年生の間は、作文に書きたくなるような題材を企画してあげることです。
小学校3年生以上の題名課題、感想文課題の作文については、お母さんやお父さんが自分の体験を基にした似た話をしてあげることです。
第三は、子供が書いた作文をいつも無条件に褒めることです。
●避けるべき指導と作文力の本質
これらと反対に、良くないやり方は、子供が書いた作文を手直しすることです。
手直しをして作文が上手になったとしても、それは子供の実力にはなりません。
作文の実力は、読むことや、話を聞くことや、自分の経験したことから少しずつにじみ出てくるものです。
●発達段階に応じた関わり方
小学1・2年生の間は、どの子もほぼ無条件に親や先生の言うことに従います。
この時期は従うことが楽しいからです。
だから、小学一年生は模倣の時期と言われるのです。
子供が小学3年生になると、次第に自立心が出てきます。
この時期に、小学1・2年生のときに親が関わっていたと同じようなやり方で接すると、子供は作文を書くことを負担に感じるようになるのです。
●長期的な成果と継続の重要性
現在、中学生や高校生になって立派な作文・小論文を書いている子は、ほとんどすべて小学生のころからのびのびと褒められながら作文を書いていた子です。
決して上手に書くために、書いたあとにアドバイスをされてきた子ではありません。
作文の勉強の最も重要な目標は、継続することです。
その長続きのポイントは、小学校低中学年の時期の親の接し方にあるのです。