ログイン ログアウト 登録
 3月の森リン大賞(中3、高社) Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 882番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
3月の森リン大賞(中3、高社) as/882.html
森川林 2010/04/25 19:23 
 3月4週の清書をもとしにした森リン大賞です。
 学年は、旧学年になっています。




3月の森リン大賞(中3の部36人中)

触れ合い
ゆうちゃり~

 今の社会では、他人とのつながりがかなり薄いものになっていると思う。つい最近まで、僕の団地には新しい住民がいろいろと来たが、同じ地区になったのでよろしくと言いに来るだけの人が大半で、今ではどんな人だったかさえ忘れている。また、隣に誰が住んでいて、その人がどんな人なのかさえも知らなかったりする。このように、「核家族」という言葉があるぐらい、みんながそれぞれ独立して暮らしている。そのことはもちろん良いことなのだろうが、自分の周りの人のことをほとんど知らないままでよいのだろうか。いや、そうではない。「遠くの親類より、近くの他人」というように、近所で協力することはとても大切だ。だから僕は、今、失いかけている人間的コミュニケーションを大切にしていきたいと思う。

 そのための方法として第一に、人との触れ合いを大切にしていくことである。僕は、春休み中に一週間、フランスに旅行で行っていた。今回は個人ではなく、ある会社のツアーに参加した。人数は二十人と少数だが、なかなかツアー内で家族や友達以外と話さなかった。みんな家族や友達と同じ場所にかたまっていて、話しにくい雰囲気にもなっていた。そうこうするうちに、四日目に入り、昼食の時になってようやく他の人に対する壁がとれたのであろう、周りの人たちと話をするようになった。僕はその話し声を聞きながら食事をしていたが、とても楽しい気持ちになった。その時、初めて人との触れ合いがすばらしいものであるとわかった。その後の観光は、その日以前よりも楽しいものとなった。みんなが黙っていても観光することはもちろん、まだ自分の知らない世界に出会えるので楽しいが、道中やレストランで他の人と話をすることによって、より楽しくなるのだ。そのことが今回の旅行でわかった。フランス滞在最後の日の自由行動の時、ツアーの人たち数人と一緒にルーブル美術館に行き、とても楽しかった。このように、人と触れ合うことによって、一緒のことをしているという連帯感が生まれて、一緒にしていることがより楽しくなるだろう。修学旅行はまさにそうした一つの良い例だ。

 また第二の方法として、社会自体も機械に頼らず、人間どうしの触れ合いを重視していくことである。ファーブルは、子供の頃から自然に対してとても興味があった。ある時、ファーブルは学校からの帰り道の途中に、鳥の巣を見つけた。そして、その中にあった卵を一つ手に持って帰っている時に、神父に声をかけられた。彼は、神父に何を持っているかを問われて、鳥の卵と答えた。その時神父は、「その卵のお母さんは、卵を捜しているだろうな。たまごをあたためて、小鳥にかえすことは母鳥にしかできない。きみはそのたまごを小鳥にすることができるのかい?」とファーブルに言い、ファーブルに自然に接するときの意識を示した。このような穏やかな口調で言われたから彼は素直に受け入れられたが、もし神父が機械的に、母が怒るような口調で言っていても効果はあまりなかっただろう。このように、人との触れ合いでは、相手のことを慮ることができ、その人に最適な接し方ができるのだ。

 確かに、大量生産や大量販売は、豊かな社会を生み出した。今となっては、社会を根本的に支えるものとなっている。しかし、人間的コミュニケーションも、社会が豊かになるにつれてなくなってきている。しかし、コミュニケーションは社会を支える最も大きな根のような存在で、これをもう一度見直すべきだ。また、「経験は、最良の教師である」という言葉があるように、人との触れ合いの中で得るものは貴重なもので、とても多くのものを得られる。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1触れ合いゆうちゃり~88149558788589
2今日では、道徳的共同体をチョビ88117464777984
3バラがバラらしく生きるにはきへあ87129269617783
4清書まじめさん86114369607787
5清書MAXやまびこ84122857969484
6本当の豊かさを求めてゆりん84131653668093
7記念を残すメグ82146348617789
8共同体的に生きるちこちこ81106354718584
9私の記念日うずら791272488510189



3月の森リン大賞(高1高2高3社の部121人中)

物・他者との関わり
PINK

 現代の日本人は、他者との接触を好まない。むしろ自分だけの世界で好き勝手やるほうが楽でいい、と感じている若者も少なくない。自分の殻にこもり、外界からの接点をほぼシャットアウトしてしまうことを選ぶ傾向が強いのではないだろうか。それらの現象には、人やものと出会い、触れ、感じる機会の減少が主な原因であると考えられる。私達の生きる時代に存在している道具類を改めて見直すことなど専ら無くなってしまった今日の社会は、道具と人間の関わりをますます浅くしてしまっている。我々は、もっと物との接点を増やしていくべきだ。

 そのための方法として第一に、自分の手によって作る、つまり『手作り』の価値を見直すことだ。何でも店へ行ってお金を出せば買える時代になった現代にい生きる私たちは、なにか自分で、あるいは知り合いの人が手作りで作ったものと接する機会も少ないのではないだろうか。最近『家庭菜園』という言葉を聞くようになったが、このようにスーパーで気軽に購入できるハーブなどの野菜を自宅の庭・プランターで育てることで、自然のモノとの触れ合いを体験できる。かつて我々の祖先は、あらゆる道具を使って獲物を捕まえたり、またその仕掛けを作ったりと、自らの力で生きている実感を常に感じられる生活をしていた。もう少し現代に近い例を上げれば、今のように鉛筆を電動鉛筆削り器に突っ込んで尖らせるのではなく、ナイフなどの鋭利な刃物で削っていた頃があったそうだ。ナイフの使い方や力の入れ加減など、人間の感覚を使って理解することが多くあったはずであろうが、機械化されたことによって、便利になった代わりにモノと我々の生活との関わりが薄くなっていったとも考えられる。物を作った人との関係さえも見えづらい今日こそ、手作りの良さを再認識すべきなのだ。

 また第二の方法として、学校教育では受身の授業のみならず、生徒同士が関わりを持てるような授業を展開していくべきだ。同学年の友達と話し合いなどをしていくうちに、一体感や連帯意識も生まれ、他人への無意識も改善されていくのではないのだろうか。教師と生徒の関係にしても、教師が一方的に何か喋って、生徒はそれを聞くか書くかするだけでは信頼どころかコミュニケーションをとる意識も無くなるだろう。江戸時代の寺子屋は、先生を慕う気持ちから多くの生徒が集まってきて、それがやがて『寺小屋』という名の学校となった(歴史実例)。学校は、人対人の環境を有意義に利用して、他者との関わり・出会いの経験を積む場所でなくてはならないのだ。

 確かに、現代の社会では情報を効率よく処理するのも重要だ。だがしかし、そのベースに人や物との関わりがなくてはならない。情報の背後に潜む実体があるからこそ情報に価値がついてくるのだ。人間はたった一人で生きていくものではなく、様々なものと関わっていくことで初めて生きていける。(自作名言)我々は、人や物と接することで生きる実感を感じられる生活をしていくべきだ。


順位題名ペンネーム得点字数思考知識表現文体
1物・他者との関わりPINK92123369879283
2日本人の個性いすも88128872727590
3自分を広げたその先にくま王子86131267597483
4国際理解LOLLIPOP86138761677287
5接点と拒絶いさせ85133373697286
6夢を持つときいへゆ85120559646790
7新しい価値観ピカチュウ83117657819983
8人と物との関わりまいう8214935810211089





同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 

コメント欄

コメントフォーム
3月の森リン大賞(中3、高社) 森川林 20100425 に対するコメント

▼コメントはどなたでも自由にお書きください。
さしすせ (スパム投稿を防ぐために五十音表の「さしすせ」の続く1文字を入れてください。)
 ハンドルネーム又はコード:

 (za=森友メール用コード
 フォームに直接書くよりも、別に書いたものをコピーする方が便利です。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
森リン(103) 子供たちの作文(59) 
コメント1~10件
読解問題の解き Wind
面白かった 10/11
記事 4027番
長文の暗唱のた たろー
この世で一番参考になる 9/30
記事 616番
「桃太郎」を例 匿名
役に立った 8/15
記事 1314番
日本人の対話と 森川林
ヨーロッパの対話は、正反合という弁証法の考え方を前提にしてい 8/6
記事 1226番
日本人の対話と よろしく
日本人は上に都合がよい対話と言う名のいいくるめ、現状維持、そ 8/5
記事 1226番
夢のない子供た 森川林
「宇宙戦艦ヤマトの真実」(豊田有恒)を読んだ。これは面白い。 7/17
記事 5099番
日本人の対話と 森川林
 ディベートは、役に立つと思います。  ただ、相手への共感 7/13
記事 1226番
日本人の対話と RIO
ディベートは方法論なので、それを学ぶ価値はあります。確かに、 7/11
記事 1226番
英語力よりも日 森川林
AIテクノロジーの時代には、英語も、中国語も、つまり外国語の 6/28
記事 5112番
創造発表クラス 森川林
単に、資料を調べて発表するだけの探究学習であれば、AIでもで 6/27
記事 5111番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習