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毎日の自習で力をつける―頭をよくする作文の勉強(その4) as/1122.html
森川林 2011/01/13 18:24 



 言葉の森の毎日の自習には、暗唱のほかに、読書や問題集読書があります。これらは、いずれも本人が希望して取り組むことにしていますから、時間的に忙しくてできないという場合は、自習をしなくてもかまいません。毎週しっかり作文を書くというだけでもいいのです。

 実際、受験の1年前になると、子供たちには読書をする時間的余裕がなかなかとれなくなります。しかし、本当に本の好きな子は、そういうときでも空き時間を見つけては本を読みます。読書の量は大幅に少なくなりますが、読書をすることが自分の精神生活にとって欠かせないものになっているのです。こういう子は、受験のあとも確実に伸びる子です。ですから、読書については、本人の希望にかかわらずできるだけ続けるように言っています。

 問題集読書というのは、言葉の森で独自に行っている文章の読み方です。小学校高学年になると、その学年にふさわしい本がなかなか手に入らなくなります。それでも、物語文の本はそれなりに書店などにありますが、高学年の生徒が読んで知的な面白さを感じるような説明文の本が書店にはまずありません。中学生や高校生になると、岩波ジュニア新書のようなシリーズで説明的な文章に触れる機会も増えてきますが、それでも小学校高学年、中高生が読める説明文の本はかなり不足しています。

 ところが、入試問題集の文章には、この面白い説明文がかなりあります。出典となっている文章は、もともと大人向けに書かれたものが多いので、子供が普段の生活で本として読むような機会はまずありません。しかし、その本の中で、子供にも理解できる部分が問題文になっているので、問題文の文章自体がひとつのエッセイのようなものとして読めるのです。

 また、入試問題ですから、バランスを考えて、説明文と物語文が同じぐらいの割合で載っています。問題集で物語の一部を読むことは、本を一冊を読み終えたときに感じる読後感がないという点で読書の代用にはなりません。だから、読書は読書で独自に行っていく必要があります。しかし、問題集で読む物語の一部は、いわばその物語のクライマックスになっていることが多いので、感情の動きなどをかなり深く感じ取ることができるのです。

 この問題集読書で大事なことは、やはり繰り返し読むことです。全国の入試問題ですから、全体のページ数はかなりあります。それを1年間かけて毎日4-6ページずつ読んでいくという読み方ですから、毎日気長に読んでいけば、年間を通して1冊の問題集を3、4回繰り返して読むことができます。この繰り返しの回数が、読む力をつけるには重要なのです。

 言葉の森では、ただ読むだけではあとに残らないので、読んだ文章をもとに四行詩を書くようにしています。深く読んでいる子は、やはりいい四行詩を書いてきます。しかし、大事なのは、まず文章を読むことです。書くことは、その結果ですから、時間がないときは、読むだけでも十分です。この問題集読書を続けていると、文章を読む力が必ずついてきます。(つづく)

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笑いのある対話と勉強を as/1121.html
森川林 2011/01/12 22:27 



 今、日本では、2、3歳で、言葉が出ない、表情が少ない、反応があまりないという子が増えているそうです。そういう子供たちが成長して学校に行くようになると、さまざまな形の学習障害を引き起こす可能性が高いと言われています。

 その原因ははっきりしていませんが、0-2歳でテレビ・ビデオの音声が長時間流れている環境にあることと大きな関係があるのではないかと疑われています。

 しかし、これらの子供たちも、2歳のころまでに、テレビを消して、親が語りかける時間を増やすと、多くの子が普通の正常な成長に戻るそうです。ところが、年齢が3歳になると治る可能性は五分五分になり、4歳以上になると治る可能性は低くなると言われています。

 乳幼児期は、人間の成長の土台を形成する時期です。この時期に、不自然な人工的環境に置かれることがいかに大きな問題になるかということがよくわかります。乳幼児がいる家庭では、テレビやビデオはヘッドホンで聞くというような配慮が必要です(本当はテレビなど家庭に置かないのがいちばんいいと思いますが)。また、CDなどの音声教材も、幼児期に利用することは避けた方が無難です。幼児期からの英語教育なども、かなり不自然な環境を子供に強いることになります。

 いちばんいいのは、人間の親と自然の音を中心とした日本語の環境で過ごすことです。

 ところで、この2歳で言葉が出ない、表情が少ない、反応がないという子を元に戻すときの親の対応のポイントは、子供に話しかけて子供を笑わせることなのだそうです。お母さんの話しかけることによって子供が笑うようになると、子供は劇的に改善するそうです。

 これは、乳幼児期に限らず、子育て全体に言えることのように思います。小学生の子供との家庭での対話も、親が子供をときどき笑わせるような形で進めていくと、子供の知力は発達します。勉強も同じです。笑いのある勉強が、子供の学力を高めていくのです。

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