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公立中高一貫校の勉強は家庭の対話で as/1224.html
森川林 2011/04/02 11:18 


 公立の中高一貫校を設置する県が年々増えています。

 この入試は、塾で受験用の勉強をしないと入れないような問題は出さないという方針で行われています。だから、問題を作成する方は大変だと思いますが、考える力を試す良問がかなりあります。

 公立中高一貫校の作文試験も、最初のころは、初歩的な題名課題が出されていましたが、最近は、複数の文章や資料をもとに、短い時間で長い文章を書かせるような形のかなり難しいものになっています。



 この公立中高一貫校の試験対策は、どのようにしたらいいのでしょうか。

 いちばん大事なことは、考える力を見る入試問題に対応できるような思考力をつけるということです。そして、難度の高くなった作文試験に対応するために、時間内に必要な字数の作文を書く練習をしておくことです。作文力のもとになるのは思考力ですが、作文試験対策はただ考える力があるだけでは不十分で、やはり書きなれておくことが大切です。



 思考力をつけるような勉強は、学校や塾の一斉授業ではなかなかできません。それは、思考力というものが、それぞれの子供の個性に根ざした個人的なものだからです。

 ある程度パターンの決まった勉強であれば、「こういう問題は、こういう解き方で考える」というような教え方ができます。しかし、公立中高一貫校の試験は、考える力を見るために、あえてパターン化できないような問題を出しています。

 ここで生きてくるのが、家庭での対話です。一般に、両親とよく話をする子は、同年代の子供と比べて思考力が高くなります。特に、小学校時代は、本を読むよりも親と話をする方が考える力が育ちます。それは、親が子供の理解度に応じて話をすることができるからです。大人との会話の中で、自分の知っている知識の周辺により高度な語彙があるのを知ることが思考力を育てることになります。



 したがって、中高一貫校の試験対策は、家庭で次のように取り組むことができます。

 まず、全国の中高一貫校の入試問題の過去問を買ってきます。全国ですから、かなり分量があります。その中から1問ずつ取り出し、親子で読み合わせてディスカッションをするのです。しかし、親と子だけの話では、親が一方的に話すことが多くなり、対話の密度が薄くなります。できれば、父親と母親と子供(兄弟がいればもちろん兄弟も)で、いろいろな立場から意見が交わせるようにします。

 父と母がそろう時間がなかなかとれない場合は、近所の同じ学年の子供と親で集まって話をしてもいいと思います。こういう対話は、慣れてくると、知的で創造的で人間どうしの交流も図れる楽しい時間になります。

 そして、このようにして育った子供は、成長して大人になったときに、やはり自分の子供に対していろいろな対話のできる親になっていきます。家族での対話は、子供の思考力を育てるとともに、家庭の文化をつくるという役割も持っているのです。

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日本の経済復興のために as/1223.html
森川林 2011/04/01 12:20 


 東日本大震災で、日本人の勇気と助け合いの精神が明らかになりました。今後の経済復興に、この精神を貴重な資源として生かすことができます。

 しかし、もし逆に、日本がこの精神を忘れて、みんなが自分個人の利益を守ることに走るならば、経済復興が困難になるばかりか、投機マネーによる攻撃から日本を守ることも難しくなります。そして、日本が没落することは、世界経済が更に没落することですから、究極的な解決として戦争を志向する勢力が現れてきます。

 日本が着実に経済を復興させることが、世界の平和と発展のための大きな一歩となります。日本の前途には、二つの異なる道が開かれています。



 ひとつは、日本人ひとりひとりが個人の利益を守ろうとして行動する道です。

 政府は、大規模な増税を行います。国民は、節約し合います。企業は、売り合うための競争を始めます。そして、みんなが自分の利益を守るために、互いに相手を貧しくすることによって、自分自身も貧しくなり、国家全体が衰退していく道です。

 そして、このようにある国が貧しくなれば、その貧しさは他の国にも波及し、互いの貧しさを押しつけ合おうとして戦争に頼ろうとする国が出てきます。



 もうひとつは、日本人ひとりひとりが相手を助けようとして行動する道です。

 政府は、米国債や国の持っている資産を担保にして復興国債を発行します。国民は、その復興国債を買います。国民の中には、内部留保を抱えている企業も含まれます。そして、復興国債を購入した国民や企業には、その復興国債を担保に金融機関が長期低利子の融資を行います。

 そして、復興を行うとともに、日本の新しい産業を作り出すために、国は、国民や企業の中から新しい価値あるものを見つけます。日本の隅々から新しい創造の芽を見つけるのです。そして、マスコミは、その情報を知らせます。企業は、新しい価値あるものを作り出します。

 もし、企業が自社の利益を守るために、新しい創造や現状の改善よりもまず宣伝や営業の強化によって自分の商品だけを売ろうとすれば、競争によって互いが貧しくなり、最後にわずかの企業が生き残るだけになるでしょう。しかし、企業が、まず新しい価値あるものを作り出そうと考えれば、それによって社会全体が豊かになるのです。



 今、世界で、このような互いの助け合いによって経済を復興できる国は日本だけです。それが、今回の大震災によって証明されたのだと思います。

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