ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3631番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
国語力のある子はどんな勉強をしているか――問題を解く勉強では国語力はつかない as/3631.html
森川林 2019/03/16 06:18 

 試みに、国語が得意だという子に、「どんな問題集を使っているのか」と聞いてみてください。
 ほとんどすべての子が、「国語の問題集などやっていない」と言うはずです。

 国語の問題を解いて国語力がつくわけではないのです。
 だから、もちろん国語の授業で国語力がつくわけではありません。
 学習塾にも国語の授業がありますが、多くの人は、その授業で国語力がつくとは思っていません。
 なぜ国語力がつかないかというと、国語の問題を解く形で勉強しているからです。

 国語の問題がどういう形になっているかというと、国語のテストとほとんどか、それをもう少し噛み砕いた形です。
 算数のテストは、問われている問題はテストの表面だけにしか出てきません。だから、解き方がわかれば答えられます。
 理科や社会のテストも、問われている問題はその知識を知っているかどうかですから、やはりテストの表面だけの問題です。
 だから、テスト形式の問題を解けば、解く力がつくのです。

 しかし、国語の読解問題や記述問題は、出されたテストの背後に、読む力や書く力という膨大な背景が広がっています。
 その背景を持っていない子は、いくら問題を解いても国語力はつかないのです。

 市販の国語の問題集の中には、確かによく工夫して作られているものもあります。
 一見すると、そういう問題集をやっていれば国語力がつくかのように思えます。

 しかし、国語力のある子は、それらの問題集と同じレベルかそれ以上の文章を、日常の読書と会話の中で自然に行っています。
 国語の問題集を解く勉強をすると言っても、毎日1時間もやる子はいません。
 しかし、読書の好きな子は、その問題集と同じかそれ以上のレベルの文章を、勉強としてではなく趣味として毎日1時間ぐらい平気で読んでいます。
 そして、読書以外に、親子でやはりその問題集と同じかそれ以上のレベルの対話を、これも勉強としてではなく日常の会話として行っているのです。

 だから、国語の勉強の第一は、読書や対話によって読む力や理解する力をつけることです。
 勉強として問題をやる1時間は苦痛ですが、趣味として行う読書や対話は何時間でもできます。
 量の面でも、質の面でも、問題を解くよりもずっと優れた国語力をつける方法が読書と対話です。

 ただし、読書だけではその子の読む力を超える文章を読む機会が不足することもあります。
 国語の問題集は、読書の面での質を補うために使います。
 国語の問題を解いて読む力がつくのは、解く部分ではなく、解くために読む部分ですから、問題集は読書がわりに読むようにするのです。
 しかし、読書と違って、細切れの文章を読むことを長時間続けることはできません。
 だから、問題集読書は、音読や暗唱と同じように勉強の一部としてやっていく必要があります。

 国語力をつける勉強法は、第一に読書と対話で、第二に読書の質を補う意味での音読と暗唱と問題集読書です。
 しかし、これで読む力の基礎はできますが、入試問題は読む力だけでは対応できません。
 それは、解く方法が必要になるからです。

 国語力をつける勉強法の第三は、解く方法を身につけることです。
 しかし、この方法を解説しているところは、私の知る限りどこにもありませんでした。
 だから、学力もあり、読書力もある子が、受験前になって国語の成績が伸びないと言ってきたとき、解く方法を教えるとすぐに国語の点数が上がったのです。しかも、ほとんど全員が驚くほど上がりました。

 私が、「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」を書いたのは、この解く方法を解説するためです。
 この本には、そのほかに、記述問題の書き方と受験作文の書き方も載せていますが、読解力の付け方に関しては解き方の解説を中心にしています。

 国語力の基礎は、読書と対話によって自然につけることがいちばんです。
 それを補うものが音読と暗唱と問題集読書です。
 そして、読む力の基礎の上に、解く方法を身につけるために読むのがこの本です。

 したがって、この本の使い方は、問題を解くことではありません。
 だから、この本は問題集のように子供にやらせるものではありません。
 これは、読むための本ですから、読みやすくするために、問題と答えを別冊ではなく同じページに載せています。
 問題文の文章を読み、問題を読み、答えを読み、解説を読んで理解することが、解く方法を身につけることです。

 そして、これは子供だけに読ませるものではなく、むしろ親の方が読むものです。
 子供が国語のテストを持ってきたときに、その答え合わせをする際に、この本の解く方法を使うのです。

 だから、この本は、子供さんのいる家庭では、冗談ではなく一家に一冊用意しておくとよいと思います。
 子供が低学年のうちでも、将来のために親が読んでおき、問題の解き方を理解しておくといいのです。


 ところで、先日、近所の書店に行くと、この本が平積みで並べられていました。

 お礼を言って、思わず何冊か買ってしまいました(笑)。


 今後、この本の解き方をもとにした読解検定を定期的に行っていく予定です。
 1回目は、3月21日(木祝)の9時、13時、19時で、これはもう締め切りましたが、今後の予定はホームページでお知らせします。
 問題の文章は、昨日発送しましたが、ウェブでも見ることができます。
https://www.mori7.net/dokken/
 試験会場は、Zoomの会場で、問題は、当日ウェブで見られるようになります。(Zoomの接続テストはいつでもできますので、接続テストを希望される方はご連絡ください)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20190316  
 国語の問題集を解いている子を見ると、勉強しているように見えます。
 のんびり読書をしている子を見ると、のんきに遊んでいるように見えます。
 しかし、国語力はのんびりした読書の方で確実についています。
 ただし、それには読書の質の向上も必要です。
 その質を補うものが問題集読書です。(そして、音読と暗唱です。)
 そのようにして身につけた読む力の上に、解く方法を身につけるのが国語の最強の勉強法なのです。


nane 20190316  
 「読解・作文力が身につく本」の本の感想の中に、問題と解答が別冊になっていれば問題をやらせやすいというものがありました。
 しかし、これはわざわざ問題と答えを同じページに載せるように作ったのです。
 それは、この本が、問題を解くためではなく、解き方を読むための本だからです。
 ただし、内容はかなり難しいので、子供だけではなく、保護者の方がまず読んでいただくといいと思います。
 しかし、読むのは、子供の国語の成績がよくないと思ったときでいいのですから、それまではツンドクでもかまいません。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
メディア(8) 国語力読解力(155) 

記事 3630番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
3.3週の受業の動画(小1~小6)をアップロードしました as/3630.html
森川林 2019/03/15 08:13 
 鳥の村の資料室に3.3週の授業の資料と動画をアップロードしました。
https://www.mori7.net/tori/index.php?k=10

 作文と発表学習の参考にしてください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
生徒父母連絡(78) 
コメント101~110件
……前のコメント
齋藤孝さんの( 森川林
 ママさん、ありがとうございます。  齋藤孝さんというかブ 11/30
記事 4864番
齋藤孝さんの( しげか&
どうして「言葉の森」を知ったか思い出しました。 斎藤孝さん 11/29
記事 4864番
齋藤孝さんの( 森川林
 日本では、思いつきの作文指導が多すぎます。  作文教育に 11/28
記事 4864番
日記を書かせる 森川林
 日記指導なんてさせるものではないというのが私の持論です。 11/27
記事 4863番
齋藤孝さんの( 森川林
勉強は、面白くなければなりません。作文も、そうです。 しか 11/26
記事 4862番
これから世の中 もは
 もうすでに、世の中の方向は大きく変わりました。  だから 11/26
記事 4861番
齋藤孝さんの( 森川林
穴埋め式の作文指導をすると、作文力のある子は、面倒に思って嫌 11/25
記事 4860番
齋藤孝さんの( 森川林
ブンブンどりむは、結局、作文教育について何の理念も思い入れも 11/24
記事 4859番
齋藤孝さんの( 森川林
勘違いした作文教育を受けて、作文を書くことが嫌いになりそのま 11/24
記事 4859番
小学1年生から 森川林
小学1年生でいちばんのおすすめの習い事は作文です。 私のう 11/18
記事 4853番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習