ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3648番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
保江邦夫さんの聞いた未来の教育、アップルのデジタル教育、木内鶴彦さんの見た循環型社会 as/3648.html
森川林 2019/03/28 07:28 

 ここ数日で届いた3冊の本を見て、未来の教育について共通のビジョンがあることがわかりました。
 それは、言葉の森が今進めているオンライン教育と同じものでした。

 3冊の本とは、
「祈りが護る國 アラヒトガミの霊力をふたたび」保江邦夫
「宇宙を超える 地球人の使命と可能性」木内 鶴彦
「Appleのデジタル教育」ジョン・カウチ, ジェイソン・タウン,
です。

 詳しい話はあとで書きますが、今の日本の教育の一つの大きな問題点は、教育の目的が受験のために行われていることです。
 そのため、点数をつけることが先生の仕事のようになっています。

 そして、点数をつけやすくするために、○と×がはっきりわかり、そして何割の子が必ず×になるようなことが教えられています。
 それは、みんなが○になったら、点数をつける意味がなくなってしまうからです。
 点数をつけることは、本当は教育の本来の目的とは正反対のことだという自覚がないのです。

 言葉の森の作文試験も、目標は全員を合格させることですが、講師の仕事を始めて間もない先生は、できる子はいい点数を取り、できない子は悪い点数を取るものだという考えを自然に持っています。
 それぐらい、点数をつけることが教育だという考えは根強いのです。

 アップルの本の著者であるジョン・カウチさんは、小学生のときまでは勉強が面白かったのに、中学生になったら急につまらなくなったと書いています。
 それは、小学校ののときは、自分が工夫したことをすると褒められるという余裕が教育の中にあったのに、中学に入ると、決められたことをただ覚えてよい点数を取ることだけが求められるようになったからです。

 私も、発表学習クラスの理科の教材を作っていて、同じことを思っていました。
 小学校のころの理科は、面白いのです。
 キャベツ畑でモンシロチョウの卵を見つけて育てようなどという授業があるからです。

 それが、学年が上がるにつれてだんだんつまらなくなり、中学の理科になると、維管束がどうしたとか、単子葉と双子葉の区別だとか、自分が知りたいと思ったときに調べればすぐにわかるようなことが、覚えなければならない勉強として強制されるのです。
 しかも、その勉強は点数の差をつけやすいように、重要なことよりも、間違えやすいことを中心に出される問題となっています。

 同じようなことは、漢字の書き取り試験にもあります。
 漢字の書き方を知っている大人は、その知識を子供も同じように持つべきだと思いがちです。
 そして、中には、トメとかハライとかのわずかの違いで○にしたり×にしたりする教育も行われています。
 たぶん、そういう細かいことを注意する先生は、パソコンの操作などは苦手だと思います。

 生まれたときからネット環境の中にいる子供たちは、現代の新しい知識で吸収しなければならないことがたくさんあります。
 ところが、そういう新しい知識を吸収しようとしない大人たちが、古いままの、未来の社会では必要なくなる知識を子供たちに教えようとしているのです。

 保江邦夫さんが聞いた四国の工業高校の先生の話では、ある宇宙人の教育では、子供たちが持って生まれた天賦の才を伸ばすことだけが教育の中身になっていたそうです。
 それさえしていれば、ほかのことは何もしなくてもちゃんとついてくるということでした。
 そして、日本の教育が特によくない理由として、天賦の才を無視してすべての面を一律に引き伸ばそうとしていることが指摘されていました。

 木内鶴彦さんの本には、かつての日本の縄文時代の循環型社会の話が出てきます。
 そこでは、すべての人が自分の得意な分野で作ったものや手に入れたものを、互いに交換して暮らしていたそうです。

 現代の社会は、縄文時代よりも経済的な生産力は遥かに大きくなっています。
 だから、縄文時代のように、農業を中心にした得意な分野を伸ばす必要はありません。
 工業の分野は、機械でまかなえるので、多くの人間が携わる必要はありません。
 すべての人が自分の得意なことを伸ばす分野は、身体と時間に関係した文化と技術と学問の分野です。
 なぜなら、人間の個性は、かけた時間と身体の適応によって形作られるからです。

 これらの分野の中でも特に重要なのは、学問の分野です。
 なぜなら、学問の世界は、無限な多様性を持つからです。
 ある特殊な分野に関心を持つ人がその関心を学問的に深めていくと、そこに個性とともに創造が生まれます。
 その創造が、人間の社会をより豊かにしていきます。

 言葉の森が今行おうとしている教育の柱の第一は、創造性を育てる作文教育です。
 第二は、個性的な関心と経験を学問的に発展させ創造的に発表する発表学習教育です。
 第三は、学校生活と社会生活に必要な学力を家庭で自主的に進める自主学習教育です。
 そして、第四は、それらを自然と人間との交流の中で行う自然合宿教育です。
 これらを可能にするのが、現代のインターネットを中心にしたテクノロジーです。

 未来のビジョンがここまで明らかになっている以上、今後の紆余曲折はあるとしても、これからの日本と世界は素晴らしい社会になるだろうと思ったのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20190328  
 未来の教育というものを考えた場合、言葉の森は最先端に近いところにいると思います。
 なぜなら、世界でも初めてのいろいろなことに既に着手しているからです。
 ただ、新しいことばかりなので、あまり理解されていないことと、人に頼めないことが多いので、細かい対応が不十分になりがちなところが弱点です。
 しかし、大きな方向は定まっているので、これから講師や森プロなど多くの人たちの協力を得ながら日本と世界の教育をよりよくするためにがんばっていきたいと思います。


nane 20190328  
 最近、学習塾で作文講座を行うところが増えてきたようです。
 また、しばらく前から、通信教育でも作文講座を行うところが出てきました。
 同じ作文という名称なので、低中学年のころは大した差はないように見えます。
 かえって、詳しい添削でよく面倒を見てくれるように見えることもあります。
 しかし、本質的な目的が違います。そして、高学年になると実際の成果も大きく違ってくるのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 

記事 3647番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
春の読書作文キャンプで行く瀬上の池 as/3647.html
森川林 2019/03/27 08:38 
 春の読書作文キャンプで、初日の午後に行く場所です。
 ザリガニのいるはずのところには、まだ見えませんでしたが、網ですくうとたぶん小さいのが見つかると思います。

 行くところは、どこも教室の近くなので、これからの読書作文キャンプは、すぐに企画できそうです。
 今度は、読解検定付きの読書作文キャンプにしたいと思っています。
 予定としては、4月20日(土)午後2時から21日(日)午後2時で、のちほど参加フォームを作成します。

 オンラインで勉強し合っている子供どうしが誘い合って、リアルな場所で再会するといいうのが感動的で面白いと思います。

▽里山の光景です。


▽細い道が15分ほど続きます。


▽道に沿って小さな川が流れています。
 昔、犬を連れて遊びに行くと、すぐに道をそれて川の中をジャブジャブと歩き出しました。
 ゴールデン・レトリバーなので、水が大好きだったのです。


▽田んぼがあります。


▽カワセミがいました。ほかにも、キジとか、フクロウとか、タヌキとかいるようです。


▽終点の池。カモが泳いでいました。


▽スミレが咲いていました。


▽田んぼの近くの水路に小さなオタマジャクシ。
 ザリガニ君たちは、まだ寝ているようでした。


▽水路の近くにセリが生えていました。


この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20190327  
 通信教育の弱点は、自然や人間とのリアルな交流ができないことです。
 だから、那須に合宿所を作りました。
 しかし、新幹線で東京から2時間とは行っても、やはり那須は遠いです。
 そこで、新しい教室で土日合宿ができるようにしました。
 横浜市とは行っても、横浜市の外れに近いのでかなり自然はあります。
 ここで、将来、読解マラソンと読解検定合宿をする予定です。

nane 20190327  
 読書作文キャンプは、本当は保護者の懇談会もあるといいと思うので、日中、子供たちは読書作文キャンプ、保護者は鎌倉散策で、夕方にみんなで食事をしながら作文発表会という形もいいかと考えています。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
合宿(14) 
コメント351~360件
……前のコメント
久しぶりの更新 森川林
 久しぶりにゆめが登場(笑)。  階段の踊り場ですべってこ 7/18
記事 4278番
久しぶりの更新 nane
目を覚ましたとき、犬が目の前に寝ていて、寝息を立てているとい 7/18
記事 4278番
オンライン夏期 nane
 記述力の本質は、思考力と文章表現力です。  記述力のない 7/18
記事 4275番
オンライン夏期 森川林
 記述の練習で、方法論を示したものを見たことがありません。 7/18
記事 4275番
受験の算数数学 nane
 算数数学の先生には、性格の悪い人が多いと思います(笑)。 7/15
記事 4273番
受験の算数数学 森川林
 受験というのは、差をつけるための勉強です。  将来、そう 7/15
記事 4273番
原田武夫さんの nane
 日本の教育を変えるのがひとつの目標です。  集団の一律の 7/15
記事 4271番
原田武夫さんの 森川林
 日本をよりよくしようと考えている人が増えている気がします。 7/15
記事 4271番
今と今後の数年 nane
 子供の成長にとって、周囲の大人のちょっとした褒め言葉は意外 7/14
記事 4270番
今と今後の数年 森川林
 私も若いときは、人間は子供時代から直線的に成長していくよう 7/14
記事 4270番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習