ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4480番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
作文力のない子に、いくらていねいな添削をしても上達はしない――では、どうしたらいいのか。 as/4480.html
森川林 2022/06/14 21:30 


●動画:https://youtu.be/A2vf12MYF6k

 日本経済新聞に、次のような記事が乗っていました。
====
「作文が書けない 中学生、添削指導なく」

「学校の課題で国語の作文を書いたので見てください」。中3のA子が自信なさそうな顔でやって来た。読んでみると支離滅裂で言いたいことが分からない。
後日返却された作文を見たが、評価だけで添削はされていなかった。同じ学校の生徒で「作文の書き方が分からない」と言う者はほかにもおり、彼らの返却された作文も誤字脱字の指摘がある程度だった。
20年ほど塾講師をしているが、国語力の低下は深刻だと感じる。ここ数年...
====

 このように書いた塾講師の方も、作文指導については、学校の先生と似たりよったりだと思います。
 その理由は、よい添削指導があれば、子供たちの作文力は上達するという前提があるからです。
 実は、その前提が間違っているのです。

 作文力のない子に、いくらていねいな添削指導をしても上達することはありません。
 それよりも、その添削が嫌になって、指導を受けることをやめるようになります。
 添削で子供たちの作文を上達させることはできません。
 これが、多くの先生や保護者が共通して陥っている間違いです。

 作文力がないのは、文章の正しい書き方がわからないからではなく、読む力が不足しているからなのです。
 文章を読み取る力は、言い換えれば思考力です。
 文章を読み取る力がない子は、思考力がないから、思考力を必要とする文章が書けないのです。
 だから、そういう子でも、思考力を必要としない文章や、思考力を必要としないお喋りは普通にできます。

 では、どうしたらいいかというと、その方法はただひとつ、難しい文章を読む力をつけることです。
 その方法が問題集読書です。国語の問題集の問題文だけを毎日音読するのです。
 問題集読書で大事なのは、毎日欠かさずということです。

 国語力は筋力のようなもので、週に2、3回読むだけでは、維持するのがやっとです。読む力をつけることはできません。週に1、2回では、かえって読む力が低下するぐらいです。

 毎日読み続けることによって、読む力はついてきます。その読む力の上に、読解問題を解くコツがあります。
 問題の解き方を知るだけで国語力が伸びるということはありません。基盤になるのは、あくまでも読む力をつけておくことなのです。

 では、毎日問題集読書で難しい文章を読み続けて、どのくらいで読む力がついてくるかというと、それは大体6か月です。
 解き方のコツは、1日で上昇することがあります。しかし、読む力は、それよりもはるかに長い時間がかかるのです。

 なぜ、そのように時間がかかるかというと、子供たちがそれまでの人生で費やしてきた読書量には驚くほど大きな差があるからです。
 ある子は、暇さえあれば本を読んでいます。2、3日で1冊読み終えることが普通のようにあります。
 しかし、ほかのある子は、本をほとんど読みません。1か月に1冊読むかどうかというところです。
 しかし、この読書量が全く異なる二人が、学校の成績ではそれほど大きな差がないことが多いのです。なぜなら、学校の成績のほとんどは知識によるものなので、ある程度勉強をすれば誰でもできるようになるからです。
 作文力や読書力は、知識の勉強ではなく、スポーツや音楽の練習と同じようにしてつくものです。
 練習の量を積み重ねることだけが上達する道で、要領のいい近道のようなものはないのです。

 以上、ちょっと厳しい言い方になるかもしれませんが、国語力、作文力をつける方法は単純です。難しい文章を毎日読み続けることだけです。

 言葉の森が国語読解クラスを始めたのは、この問題集読書を少しでも続けやすくするためです。
 だから、国語読解クラスで国語力を上げるためには、この毎日の問題集読書が第一の条件になるのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20220614  
 作文については、大きな誤解があります。
 それは、作文は直せば上達すると考える人が多いことです。
 作文は、直して上手になるものではありません。
 最初から上手に書くから上手なのです。
 では、最初から上手に書くためにはどうしたらよいかというと、それは読む力をつけることなのです。
 読解にも誤解があります。
 解き方の解説を読めば読解力がつくと考える人が多いことです。
 解き方のコツで成績が上がるのは、読む力がある人だけです。
 だから、まず読む力をつけることが大事です。
 その方法は、問題集読書を毎日続けることなのです。


ゆきち 20230616  
読書は大好きで大好きでたくさん読みました。
でも、作文はとても苦手です。書いてるうちに何が書きたいのか分からなくなってしまいます。何に要点を置けばいいか、悪い文章、良い文章の比較をしながら教えるのが良いのではないかと思います。

森川林 20230616  
 ゆきちさん、コメントありがとう。
 作文が苦手だと思う理由は、自分の書いた作文に低い評価をされたことがあるからです。
 そういう子供たちはたくさんいます。
 いいところを褒めて伸ばせば、みんな得意になります。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
作文教育(134) 国語力読解力(155) 問題集読書(33) 

記事 4479番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/28
小学校低学年の読書力が本当の学力――小学1年生の読書は自分で読ませるよりも読み聞かせを as/4479.html
森川林 2022/06/13 21:07 


●動画:https://youtu.be/HHJqHvbrDKY

 子供が小学1年生になると、「もう自分で本を読みなさい」と、読書の自立を求めてしまうお母さんが多いと思います。
 すると、子供は、絵本のような本とか、絵だけであらすじがわかり、文章を読む必要のない本を読むようになります。

 小学校低学年の学力の基本は、日本語を読みこなす力、読書力です。計算ができるとか、漢字が書けるとか、英語ができるとかいったことは、学力とはほとんど全く関係がありません。
 日本語の文章を読む力が、低学年の子の学力のほぼすべてなのです。

 だから、小学1、2年生の子の読書の中心は、引き続きお母さんの読み聞かせです。

 子供たちが好きな本は、易しい本ではありません。面白い本です。
 易しい絵本をつまらなそうに自分で読むよりも、お母さんが読み聞かせをしてくれる知的な本の方がずっと読書の楽しさを感じるようになります。

 上の写真は、子供たちに人気のある「わけあって絶滅しました」を、あるひとりの子が紹介している画面です。
 小学1年生の子にも、こういう本をお母さんが読み聞かせをしてあげればいいのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20220613  
 学力の本質は、日本語を読む力です。
 漢字とか計算とか英語とかいうのは、すべて表面的な知識です。
 あとからいくらでも間に合います。
 しかし、子供が1年生のころは、子供自身も親もそういうことがよくわからず、表面的な知識の先取りの方に目を奪われてしまいがちです。
 子供時代の勉強で最も大事なのは、本を読む楽しさを身につけることなのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
読書(95) 小学校低学年(79) 
コメント351~360件
……前のコメント
久しぶりの更新 森川林
 久しぶりにゆめが登場(笑)。  階段の踊り場ですべってこ 7/18
記事 4278番
久しぶりの更新 nane
目を覚ましたとき、犬が目の前に寝ていて、寝息を立てているとい 7/18
記事 4278番
オンライン夏期 nane
 記述力の本質は、思考力と文章表現力です。  記述力のない 7/18
記事 4275番
オンライン夏期 森川林
 記述の練習で、方法論を示したものを見たことがありません。 7/18
記事 4275番
受験の算数数学 nane
 算数数学の先生には、性格の悪い人が多いと思います(笑)。 7/15
記事 4273番
受験の算数数学 森川林
 受験というのは、差をつけるための勉強です。  将来、そう 7/15
記事 4273番
原田武夫さんの nane
 日本の教育を変えるのがひとつの目標です。  集団の一律の 7/15
記事 4271番
原田武夫さんの 森川林
 日本をよりよくしようと考えている人が増えている気がします。 7/15
記事 4271番
今と今後の数年 nane
 子供の成長にとって、周囲の大人のちょっとした褒め言葉は意外 7/14
記事 4270番
今と今後の数年 森川林
 私も若いときは、人間は子供時代から直線的に成長していくよう 7/14
記事 4270番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習