AERA.dotにAO型入試と中学受験の話が載っていました。
これを読むと、現在の入試のおおまかな現状がわかると思います。
「AO型の大学入試を考えたら、私立の中高一貫校に行くべき?」 中学受験のプロが語った私学の裏事情
https://dot.asahi.com/dot/2023031300003.html?page=1
学習塾は、よく「中高一貫校の受験をしないと、大学入試で不利になる」という宣伝をしていますが、特にそういうことはありません。
あるとしたら、中高一貫校は数学の先取りができるので、大学入試の数学で高3の1年間は受験に特化した勉強ができるという点です。
だから、公立高校に進む人は、スタディサプリなどを利用して、数学だけは学校の勉強よりも1年間先に進み、高3の夏休み以降は、志望校の過去問に特化した受験勉強をしていけばいいのです。
大事なことは、学校や塾や予備校に頼らずに、自分の判断で勉強の方針を決めていくことです。
中高一貫校は、周りの生徒が同じぐらいの学力なので、よくすると、周囲に引っ張られて自然に勉強するということがあります。
しかし、悪くすると、成績が下がって落ちこぼれることもあります。
また、周囲に合わせて低いレベルになることもあります。
公立中学は、不明朗な内申点があることがいちばんの問題です。
内容のない宿題や提出物などは、保護者が手伝ってあげてもいいと思います。
公立中学には、周囲によくできる生徒も、あまりできない生徒もいます。
そういう多様な生徒のいる中で勉強するのは、将来プラスになります。
また、学校によっては荒れているところもありますが、中学の勉強は自分ですればいいので、荒れているかどうかは勉強の進み具合には関係ありません。
すべて、本人次第ということです。
公立中学は、中3で高校入試があります。
中学3年生は、勉強の自覚ができる時期なので、この時期に受験があるというのは、生徒の成長に大きく役立ちます。
反対に、中高一貫校の私立中の場合は、中3のころに中だるみ状態になることもあります。
だから、中学受験で中高一貫校に行くか、中学受験をせずに公立中に行くかは、すべて中学に入ってからの本人次第です。
AO型の入試による大学合格者は、すでに全体の半数以上になっています。
保護者の感覚は、一般入試が主流だった時代のものですから、今の状況を理解しにくいと思います。
大事なことは、大学入試をゴールとしないことです。
本当のゴールは、社会に出て、自分らしい仕事をして世の中に貢献することです。
そう考えると、勉強の方向は、はっきりしてきます。
基礎学力をしっかりつけておくことは大事です。
しかし、1点差を争うような過度な成績競争は必要ありません。
それよりも大事なのは、コミュニケーション力、リーダーシップ、個性的な生き方、創造力、思考力、読書力、当意即妙の発言力、他者への思いやりなどです。
これらが、本当の実力です。
しかし、こういう力は、いずれも学校の成績には出てきません。
直接話をしたり行動したりしていると、自ずから感じられる実力なのです。
オンラインクラスのよいところは、読書紹介や一人一言などで、誰もが発言する機会があることです。
その中で、相手の実力を感じ、自分の実力を伸ばすことができます。
この実力を伸ばす場として、特に有効なのは、作文クラスと創造発表クラスです。
作文も、創造発表も、学校の成績とは直接結びつかないところが、なぜか共通しています。
小学校低学年の重点は、題材と表記です。
小学校中学年は、主に表現です。
小学校高学年は、主に主題です。
中学生以上は、主に構成です。
小学1、2年生のころは、子供は書きたいことを自由に書きます。
題材を選ぼうという意識が出てくるのは、小学3年生ごろからです。
小学校中学年になると、面白い話や読まれて価値ある話を書こうとい意識が生まれます。
その価値ある題材をもとに、表現を工夫して書くことが学習の重点になります。
しかし、小学校低学年のころは、どういう話が価値ある話かという意識はなく、自分の書きたいことをただ書くだけです。
だから、小学1、2年生の作文では、「学校でこんなことがあった」「学童であんなことをした」「友達と遊んだ」「○○を見に行った」という、自分が体験した直接的な話が多くなるのです。
そのため、文章力のある生徒でも、題材が平凡になりがちです。
子供が成長して、あとで自分が小学校低学年のときに書いた作文を見ても、あまり面白いと思わない日々の長い日記のようなものが題材になっていことが多いのです。
ここで必要になるのが、保護者の方の工夫です。
子供は、自分でいい題材を選ぼうという意識がありませんから、お母さんやお父さんが題材を工夫してあげるといいのです。
例えば、「今度、土曜日に一緒にたこ焼きを作ろうか」とか、「日曜日に、近くの公園で、カエルの卵を見つけに行こうか」とか、「この本の理科実験面白そうだから、今度やってみようか」という題材作りです。
「○○を見に行こうか」というのは、あまりいい題材になりません。
親子の対話や子供の直接的な体験が少ないからです。
作文の題材作りをきっかけに親子の対話が増えると、自然に子供の語彙力も増えてきます。
親子で話をする機会が多い子は、作文の結びの感想の部分が次第に充実してきます。
子供の感想でよくあるのは、「とても楽しかったです」「また○○したいです」という結び方です。
これをもっと個性のある感想にするためには、感想のための語彙力が必要です。
その語彙力を育てるのが、親子の対話です。
作文の勉強というと、作文の上で添削してよりよい表現にするようなことを考えがちですが、そうではありません。
作文の勉強は、作文のアウトプットを直すのではありません。
作文のアウトプットの土台になる、読むことや経験することというインプットを充実させていくことが大事です。
作文の題材は、作文を書くときに引き出すものではなく、毎日の生活の中で少しずつ入れておくものです。
小学校低学年で作文の勉強をしている生徒の保護者の方は、いい題材作りということを意識して毎日の生活を送る工夫をしていってください。
なねせんせい、質問です。とすると、模試などの書いた作文を書き直したりせず、そのことをはなしあったり、なにか経験に結びるけれるようアドバイスしたり導いたりと考えればよいですか?新6年、受験で作文があります。
本当は、事前の準備で、似た例を話し合ったり、感想のアドバイスをしたりすればいいですが、模試ではそういうことはできないので、普段の作文でやっていくといいです。
模試の作文の点数はあまりあてになりません。字数と時間を守り、構成を意識して書いていけば十分です。