ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 639番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
家庭学習の、よい教え方よくない教え方 as/639.html
森川林 2009/09/21 15:51 
 長文暗唱の自習をするとき、低学年では最初のうち、お母さんの助けが必要なことがあります。
 そのときの教え方で、よい例とよくない例を紹介します。

 この教え方は、あらゆる家庭学習に共通しています。



よくない教え方よい教え方
子供の反応
「さあ、長文の暗唱をするよ」
(暗く、いかにも苦しい勉強が始まるかのように言う)
「さあ、長文の暗唱をするよ」
(明るく、いかにも楽しいことが待っているかのように言う)
「えー! なんで」
(いやそうに)
「なんでかというとね……」
(くどくどと説明する)
「はい、大人が子供のために言っていることに『なんで』なんて言わないの」
(あっさり)
「なんで、○○○なの」
(と更に続く)
(更にくどくどと説明する)

「さあ、この100字を読んでみて」
「ほら、『なんで』って言わないの(笑)」
(子供の理屈につきあう必要はありません。ただし、子供が心から疑問に思っていることについてはしっかり説明します)

「さあ、この100字を読んでみて」
「○○○、○○○○○」
(だらだらと読み、ときどき読み間違いがあるが気がつかない)
「そこは、○○じゃなくて、□□でしょ」
(と注意してしまう)
「あ、じょうずに読めたね」
(注意はせずに、感心して褒める)
「○○○、○○○○○」
(何度も同じところを読み間違える)
「ほら、○○じゃなくて、□□でしょ」
(そのつど注意してしまう)
「じょうずに読めるね」
(注意は全くせずに、ただ感心して褒める)
「ねえ、まだやるの?」
(いやそうに言う)
「そうだよ。これをしなきゃ読む力がつかないから」
(真面目に返事をする)
「はい、続けて言ってみよう(笑)」
(子供の言葉にはとりあわず、単純に明るく続けさせる)
「○○○、○○○○○」
(いやいや読み出し、また読み間違える)
「ほら、しっかりやらなきゃいつまでたっても……」
(真面目に注意する)
「ようし、どんどんじょうずになってきた」
(注意は一切せずに、感心したように褒める)
「ねえ、まだやるの?」
(たまに、思い出したように言う)
「そうよ。これを読んでいたら、勉強ができるようになるんだから」
(そのつど真面目に答える)
「はい、あと10回ぐらい。がんばろう」
(子供の言葉にはとりあわず、明るくスポーツの練習のように続けさせる)
「○○○、○○○○○」
(何とか30回読み終わる)
「ほら、がんばってやればできるんだから」
(いかにも苦しいことがやっとできたかのように言う)
「ようし、できた。じゃあ、見ないで言ってみよう」
(いかにもできて当然だったかのように明るく言う)
「○○○、○○○○○」
(ところどころ間違えながら暗唱する)
「うーん、ちょっと○○のところが違ったけどね」
(できなかったところを一応注意する)

(親も子もくたびれる)

(翌日も真面目にやる)

(だんだん負担になってくる)

(親子げんかになる)
「すごい! よくできた。この調子」
(注意は一切せずに明るく褒める)

(親も子もさわやかな達成感)

(翌日もスポーツのように明るくやる)

(いつの間にか力がつく)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 

記事 638番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
小6で要約が難しいとき―質問の広場より as/638.html
森川林 2009/09/19 11:22 


 小6の保護者の方から、「自由課題のときはよくできたのに感想文になると難しくなった。特に要約がなかなかできない」というご質問をいただきました。

 以下は、そのお返事です。


 書きにくいときは、教室にお電話をしてくだされば、更にわかりやすく説明します。

 要約は、小学6年生では実はかなり難しい作業です。じっくりやろうとすると、ほとんどの子は、かなり長い要約になってしまいます。しかし、この長い要約になってしまう子は、実は国語力のある子なのです。

 要約ができるかどうかは、年齢的な問題ですので、今は苦労しているように見えても、学年が上がるとずっと楽にできるようになってきます。


 小6の要約では、内容を把握して大事なところを抜き出すというような高度なことを要求してもほとんどの子はできません。要約らしい外見を整えるために、長文全体の始め、中、終わりから一文ずつ抜き書きするということで十分です。

 いわゆる三文抜き書きという形で、要約らしい雰囲気を作れればいいということです。学年が上がり、文章を構造的に読む力がついてくると、その要約らしい外見に内実が伴ってきます。

 このやり方であれば、どんな子でもほぼ百パーセント、要約ができるようになります。


 これは、小4の段落指導も同じです。内容の変わるところで段落をつけると言っても、ほとんどの子は「内容が変わる」というあいまいなことを理解できません。そこで、言葉の森では、文が三つ続いたら段落にしておくというやり方をしています。

 三文で段落にするという外見の形が自然にできるようになると、やがて子供自身が、「これ、三文じゃないけど、こっちで段落にしていい?」と聞いてきます。外見ができれば、内実はあとからついてくるのです。


 ですから、小6の要約は、三文抜き書きと同じで、とりあえずはどこでもいいから三文を選んで形だけできていればいいと考えてください。

 力を入れるのは、要約よりも、むしろ似た話で題材を広げることの方です。似た話で、本人の体験ばかりでなく、お父さんやお母さんの経験を取材して書くようにすると、感想文の内容が充実してきます。


 要約や三文抜き書きの方法を説明するときは、あまり勉強的な話にせずに、作業的な話にするのが大事です。

 実際の電話指導では、こんな感じです。

「えーと、この長文の最初の方の一文ね。ここがいいかなあ。あ、こっちでもいいや。『○○○○○……』という文を最初に書いておいてね。

 それから、次はこの長文の真ん中あたり、えーと。ここでいいかな。『□□□□□……』。この文を二番目に書いておいてね。

 それから最後は、この長文の終わりの方。どこでもいいけど、ここかな。『◇◇◇◇◇……』。これを三番目に書いておいてね。

 今、先生が選んだところをそのまま抜き書きしていけばいいけど、○○君がもっと別のところを選びたいというのであれば、それを書いておいてもいいからね」

 いかにも、簡単な勉強のように思えてきます。


 一般に作文が上手に書けるのは、小4までです。小5以降は課題が難しくなるので、なかなかうまく書けません。

 更に、中学生になると、小学校高学年のころよりももっとうまく書けなくなります。

 小学校高学年から中学生にかけては、文章を書くための語彙が、文章を読むための語彙の比べて相対的に少なくなってしまうためです。

 このことは、本人もうすうす感じるので、小5から中2にかけては、作文を書くことが負担になってきます。

 しかし、この時期に、読書や長文音読などを気長に繰り返しながら作文を書いていると、また中学3年生のころからいい文章が書けるようになってくるのです。


 長い展望を持って、あまり負担にならないように楽しくやっていてください。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭で教える作文(55) 作文の書き方(108) 
コメント101~110件
……前のコメント
齋藤孝さんの( 森川林
 ママさん、ありがとうございます。  齋藤孝さんというかブ 11/30
記事 4864番
齋藤孝さんの( しげか&
どうして「言葉の森」を知ったか思い出しました。 斎藤孝さん 11/29
記事 4864番
齋藤孝さんの( 森川林
 日本では、思いつきの作文指導が多すぎます。  作文教育に 11/28
記事 4864番
日記を書かせる 森川林
 日記指導なんてさせるものではないというのが私の持論です。 11/27
記事 4863番
齋藤孝さんの( 森川林
勉強は、面白くなければなりません。作文も、そうです。 しか 11/26
記事 4862番
これから世の中 もは
 もうすでに、世の中の方向は大きく変わりました。  だから 11/26
記事 4861番
齋藤孝さんの( 森川林
穴埋め式の作文指導をすると、作文力のある子は、面倒に思って嫌 11/25
記事 4860番
齋藤孝さんの( 森川林
ブンブンどりむは、結局、作文教育について何の理念も思い入れも 11/24
記事 4859番
齋藤孝さんの( 森川林
勘違いした作文教育を受けて、作文を書くことが嫌いになりそのま 11/24
記事 4859番
小学1年生から 森川林
小学1年生でいちばんのおすすめの習い事は作文です。 私のう 11/18
記事 4853番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習