| 流れに抗う力 |
| アジサイ | の | 道 | の広場 |
| 眠雨 | / | うき | 高1 |
| 現代において、時間は流れ、そして抗うだけの力はなく人は流される。その |
| 力を奪ってしまったのは、強く速すぎる社会の流れである。我々が再び激流の |
| 中で身を起こすには、どうすればいいのだろうか。 |
| 方法としては第一に『息継ぎ』の時間をもつことだ。これは趣味とも呼べる |
| 。毎日が目まぐるしく過ぎ去る中での、息をつく時間である。作詩、料理、読 |
| 書。その中で、我々は自分だけの時間を手に入れる。そうして我々は押しつぶ |
| されぬよう水面から顔を出すのだ。 |
| 第二には、より納得できる方向へと泳ぐことである。自分のやりたいことを |
| はっきりさせ、それを持って生きる。最近の義務教育は、どうも将来性の拡大 |
| ばかり目がいって、本当に学びたいものも、進みたい道から外れたものも全て |
| 教えようとする。それによって必要のない事柄を学ぶことも増している。やが |
| てその重りは、鈍重に我々の進む先を閉ざすだろう。 |
| 確かに、文学を志す人間にとっては意味のないように見える数学も、理論的 |
| な考え方を身につけるということでは必要なように不必要なものばかりではな |
| いのだろう。しかし、それでも無駄になるものもまた多い。もし何か必要にな |
| ったことがあったとしても必要に応じてそれを学べばいい。もっと若いうちか |
| ら専門的な方向へ、息を継ぎながら。しっかりと方角を定めて、スイマーは泳 |
| いでいくべきだ。 |